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皮膚はゴシゴシ洗わないこと

2012年05月16日  

今日から交流戦ですね。
カープはバリントン、楽天は辛島。
辛島はあまり有名ではないですが、
この2試合の失点は1点、2点。
油断せず、前半に攻略してしまいましょう。

アレルギー学会の報告 続編です。

皮膚のバリア機能が低下すると
そこからアレルギー物質が侵入し、
思わぬアレルギーを生じてしまう原因になる、
というストーリーはどうも確かになったようです。
今回、発表された多くの先生が
皮膚はゴシゴシしすぎないこと、
皮膚のバリア機能を保つこと、
の大切さを強調されていました。

皮膚をゴシゴシ洗う、というと
オヤジ・オッサンの洗い方のようですが、
若い女性ではスクラブ洗顔をする一派がいる、
ということを緩和ケア薬剤師に教えてもらいました。
ゴシゴシやって、余分な角質を落としてスベスベの肌に、
ということのようです。
ゴシゴシやった後は気持ちいいのでしょうね。

でも
角質を保つ、というのは
アレルギー防止のためにはとても大切なことなんですよ。
スクラブ洗顔の解説ページを読んでみると
ゴシゴシ洗わないように、と ちゃんと書いてありました。
とくにマブタは角質が薄い皮膚なんですよ。
ゴシゴシ洗っちゃいけません。
スギ花粉の時期に目の回りが赤くなる人は
洗顔のしかたが悪いのかもしれませんね。

で、
石鹸は「界面活性剤」の一種なんですが、
ある物質(単独では皮膚からのアレルギーは生じない物質)を
界面活性剤と一緒に皮膚に接触させると
アレルギーを生じる率が高くなる、
ということを大阪大学寺尾先生が発表されていました。
質疑応答の中で寺尾先生は
石鹸には余分な成分を含んでいない物がよい、
無添加、無香料がいい、とお話されています。

茶のしずく石鹸による小麦アレルギーは、
成分として加水分解小麦が加えられていたことが原因です。
泡立ちをよくする、とか
泡持ちをよくする、という狙いで添加されたのでしょうが
それで健康被害が生じたのでは
高価な石鹸を使用する意味がなくなってしまいますね。

洗った後については
毛の生え際など石鹸が残りやすい所は
よく洗い流し、
そのあと保湿をしっかりする、
というのがいいようです。

ところで
茶のしずく石鹸は、
加水分解小麦を加水分解シルクに変えた製品になりました。
でも、これで問題が終わるとは、専門医は思っていません。
広島大学秀教授は講演の質疑応答のなかで
安心は出来ないと即答されています。
茶のしずく石鹸を使用していた人のなかで
今アレルギー症状が出ていない人に今後出てくる可能性、
症状が出て治療がうまくいってアレルギーがおさまったと思われる人に
また再び症状が出てくる可能性、
発病がいつまで続くのか、現時点では誰にもわかりません。
こういう事例があるということを頭に置いて
今後もしっかり対応を続ける必要がある、とのことでした。

私は宇宙医学の立場から
加水分解シルクにも問題があると思っています。
御存知のとおりシルクとは絹のことであり、カイコが作るものです。
シルクとカイコには共通抗原性の部分があると考えられます。
だとすると小麦と同じ機序で
カイコを食べてアレルギーが生じる可能性はある。
シルクを食用にする人はいないだろう、
というのが茶のしずく石鹸会社側の考えでしょうが、
カイコを食用にする人はいるのですよ。
(小麦を食べる人よりかなり少ないのは確かでしょうが)。

たとえば、
火星への長い飛行期間の間の良質なタンパク源として
カイコが有望視されています。
宇宙飛行士が宇宙船の中で飼育し、
揚げたり炒めたりして食べるわけです。
すでに試食会までは終わっていますし、
マンガ宇宙兄弟にもカイコを食べる場面は出てきます。
将来、茶のしずく石鹸を使用していた宇宙飛行士が
宇宙空間でカイコを食べ、
重いアレルギーをおこす可能性があるわけです。

このほか
中国東北地区では会食にカイコ(さなぎ)を揚げた料理が
実際に出てきますし、
(今月、中国出張した同級生が取引先との会食で食べ
その写真をアップしています)、
冷凍カイコは中華料理食材として出回っています。
国内の中華料理店でも出す店はあるようです。
タイでも食べるらしいです。
日本国内でも養蚕農家では食べるようですし、
田舎料理店ではハチの子などと並びメニューにあるようです。
人数は少ないかもしれないが
アレルギーを生じる可能性は消えてはいません。

石鹸は余分な物を含有しないものがよい、
ゴシゴシ洗わず、洗いすぎない脱脂しすぎない、
洗った後はよく流す、
そのあとは保湿ケアをする。
これが結論と言えるでしょう。

そして
将来宇宙飛行士になりたい人たちは
加水分解シルクを含有する製品は使用しないこと、
これ大事です。

今週の花 バラ3種
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