祭りの夜は下痢嘔吐多発
ちょっと前に、舟入病院に勤務していたことがあります。
その当時は 夜間休日に病気になれば舟入病院へ
という時代でした。
(今は夜間急病センターと、広島市民病院ERです)
祭りの日の夜は、発熱・下痢・嘔吐患者が多数押し寄せてきます。
食中毒、ですね。
祭りの日には、
「さあ、今夜は忙しいぞ!」 と
気合いをいれて出勤していたものでした。
あるとき、
なぜ祭りの日に下痢嘔吐が多発するのか、
現場を確認しに行きました。
現場を知ることは基本ですからね。
店の表側ではなく、店の裏側、バックヤードを注意して見て歩きました。
とくに ゲゲッ! と思ったのは
屋台のいか焼き。
店の後ろでは、発泡スチロールのトロ箱が山積みにされ
自然解凍されています。
いつから 室温に放置されているのか、
いつから外気にさらされているのか、わかりません。
適度なペースで売れている店は良いのでしょうが、
ある店では
「これ、悪臭してるし。もう腐り始めているじゃんか!」
というバックヤード状況でした。
屋台では水も自由に使えるわけではありませんし
従業員が手洗いしているバケツの水も
うわ~、この水で料理かよ~、
という状態だったのです。
これでは
「今日は何か生ものや思い当たる物を食べていませんか?」
という質問では
原因食品を把握することはできないな、
と理解しました。
買って食べている本人は、
今日はちゃんと火を通した物しか食べてない、
と思っているわけですから。
それ以来、
我が家では祭りの「いか焼き」は禁止食品にしています。
あれから10年以上はたっていますので、
今では状況は少し改善されているかもしれません。
でも、
バックヤードに冷蔵庫・冷凍庫はありませんし、
流水がふんだんに使用できるわけでもありません。
焼き手の状況で、良い店かどうかを判断してください。
・焼き上がったもの、焼き上がり寸前のものと
生のもの、火を通す前のもの が
隣り合わせで接触する状況で焼いていないかどうか?
(焼き上がりの物は火が通っているので ほぼ大丈夫なはずですが
生の汁が触れたのでは 加熱殺菌の意味はなくなります。)
・焼き手は、手をちゃんと洗っているかどうか?
金銭をさわった手で、そのまま焼いている店は
基本的には清潔操作の概念を持っていない、と考えてよいです。
手ふきタオルや手洗い水が汚れている店も 安全ではないです。
いか焼きだけではなく
屋台全般に通じる注意です。
いきなり買うのではなく、
焼き手の状況を少し観察してからにしましょう。
せっかくの楽しい祭りが
苦しくて涙を流すような結末になりませんように。
写真は京都 広隆寺の 桂宮院
これも国宝です。
4・5月と10・11月の日祝のみ公開されます。
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とくに新しい情報はありません。
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