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緩和ケア医 本日のお勉強 院内肺炎

院内肺炎ガイドライン改訂
日本胸部臨床2009年3月号特集
「新しいガイドラインの概要」 長崎大学 関雅文先生ほか

日本呼吸器学会の院内肺炎ガイドラインが改訂され、公表されました。
私は半年前まで病院内での肺炎治療の 直接担当者でしたので
興味をもって今月の特集号をすみずみまで読みました。
要点 (ガイドラインは全部が要点のようなものですが・・・)
肺炎は日本人全体の死因4位の疾患ですが、高齢者にとってはとくに重大で
85歳以上の男性では死因2位、90歳以上では1位です。
今後、団塊の世代が高齢者の仲間入りをしてきますので
ますます重要な問題となってきます。

ところで、ガイドラインとは?
日本語では 指針 と書かれることが多いです。
「まあ おおむねこの方針であれば、異論はそうありませんでしょう。」
という要点をまとめたものです。
ですから、専門外の人、初心者 にとっては、
まずガイドラインを勉強し、ガイドラインに従って行動すること
が望ましいと言えます。
私も指導医として、研修医にはまずガイドラインを勉強し理解して、
ガイドラインに沿った治療を実行することを求めてきました。
でも、専門家は、必ずしもガイドライン通りにおこなう必要は
ありません。
ガイドラインを熟知した上で、状況に応じてガイドラインを逸脱し
自分の知識・経験を加味して行動することが可能です。
それだけの知識と経験をもっているのが専門家だ、と言えます。
ガイドラインどおりにやったのにもかかわらず うまく行かない場合には
専門家に相談することが必要だ、とも言えます。

よく医療訴訟などで「ガイドラインに従っていなかったことがいけない」
などという内容の表現を見ます。
でも、ガイドラインにはもともと強制力はありませんし、
専門家はガイドラインを逸脱してかまわないのです。
むしろ、次世代ガイドラインの中身を書き換えるために日々研究して
いるのが専門家のあるべき姿、と言えなくもありません。

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