自発的飲食中止は 安楽死よりも安らかに逝ける
昨日は、寒かったですね。
ホカホカカイロも、往診車のシートヒーターも 稼働しました。
今週は日曜が傘マークです。
そこあたりから 季節外れの異常高温になる予報です。
20℃近くになるみたいですよ、12月下旬なのに。
カゼひかないようにしましょう。
昨日は
吉島圏域 多職種連携会議の 小委員会でした。
来年の多職種連携会議の日程は 6月12日(金曜)です。
日程をあけておいてくださいね。
サンフレですが。
2026年前半の 特別なリーグ戦の 組みわけが発表されました。
清水から西が西日本リーグです。
この特別リーグでは 昇格も降格もなし。
しかし優勝すれば ACLEへの出場権が手に入ります。
優勝するしか ないぞー!
さて、
自ら飲食をやめてしまう「自発的飲食中止」というものがあります。
「医師による強制的安楽死」よりも 自発的飲食中止のほうが 苦痛が少なく死を迎える、という報告があります。
苦しいのはイヤだから 安楽死を認めるべきだ、と 言う方々。
他人の手をわずらわす必要はなく、絶飲食すれば 「安楽死よりも安らかに 逝けますよ」ということになりますんですが。
原典は以下。
The New England Journal of Medicine という、世界最高峰の医学雑誌に掲載された論文です。
Nurses’ Experiences with Hospice Patients Who Refuse Food and Fluids to Hasten Death
Authors: Linda Ganzini, M.D., M.P.H., Elizabeth R. Goy, Ph.D., Lois L. Miller, Ph.D., R.N., Theresa A. Harvath, R.N., Ph.D., Ann Jackson, M.B.A., and Molly A. Delorit, B.A.Author Info & Affiliations
Published July 24, 2003
N Engl J Med 2003;349:359-365
DOI: 10.1056/NEJMsa035086
VOL. 349 NO. 4
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsa035086
要点を簡単にいうと、
自ら絶飲食すると、約2週間で 「良い死(安らかな死)」が訪れる。
絶飲食は 苦しくないんですよ。
興味のある方は 原典を読むことをおすすめします。
「積極的安楽死と 自発的飲食中止を比較」した部分をグーグル様に翻訳していただくと。
「医師による自殺ほう助で亡くなった患者と比較すると、飲食を中止した患者は、人生最後の2週間の苦しみが少なく、より安らかに過ごせていると看護師から評価された」
と いうことです。
安楽死を認めろ、安楽死させてくれ、
と言わなくたって 安らかに逝ける方法はある、ということになります。
他人の手を借りなくても、食べるのを自らやめれば それでいいのです。
安楽死を求める方々は きっと最後の最期まで苦しいのでしょう。
しかし 絶飲食すれば その苦しみを もう少し早い段階で軽くすることが出来るかもしれない、という可能性もありそうな論文です。
空腹と幸福感について。
人類が誕生して今日まで、何万年も 飢えとの戦いの日々でした。
食物が豊富に手に入るなんて、ごくごく最近の、数十年程度のことです。
昔の人は、食べ物を求めて何時間も獲物を追いかけたことでしょう。
何時間も野山を探し回ったことでしょう。
空腹が苦しければ そんなことは出来ません。
たとえば ランナーズハイ というのも よく知られています。
走るのは苦しい、が 少し走り続けていると 幸福感にあふれてきて 苦しくないんです。
何kmでも 何時間でも 走り続けられるような気がしてきます。
そうやって獲物を得てきたのでしょう。
同様に、空腹がひどくて動けなくなるようでは その場で死んでしまいます。
空腹が続けば それを感じなくなり、むしろ幸福感が得られるのかもしれません。
そうやって活動性を保ち、長い距離を集団で移動し、 悪条件を生き延びてきたのだろうと思うのです。
(人類は 何度も氷河期を乗り越えてきた)。
医療従事者の方へ:
この論文の結論に至るまでに じつはいくつかの条件が提示されています。
比較されている内容をみると、なるほど、そういうことね(そういう違いはあるよね)。
ということがわかるくらいに 原典を読み込みましょう。
地域セミナー in 岩国市・2026年1月17日(土)のお知らせです。
岩国近辺にお知り合いのおられるかたは、ぜひ告知をよろしくお願いいたします。
岩国近辺の在宅医療の状況など ご質問があれば 岩国市の原田先生がお答えくださいます。
日 時
2026年1月17日(土)午後2時~3時半(開場1時半)
会 場
社会福祉法人錦福祉会地域交流センター
山口県岩国市麻里布町3-5-30
介護老人施設ヴィータ1階 玄関隣り
講 師
高橋浩一(医療法人和平会折口医院院長、尊厳死協会中国地方支部長)
原田唯成(医療法人新生会いしいケア・クリニック院長、尊厳死協会受容協力医師)
テーマ
「最期は自宅で、を実現する方法。人生会議のススメ」
岩国近辺の在宅診療の情報については、原田先生が質問にお答えくださいます。
定 員
15人(無料、要予約)
申し込みは電話またはメールで。(ホームページからも申し込み出来ます)
0120-211-315
https://songenshi-kyokai.or.jp/chugoku/archives/659
上映会のお知らせです。
人生をしまう時間(とき)
70歳で 外科医から在宅医に転じた森鴎外の孫、小堀鷗一郎医師のドキュメンタリー映画です。
日時:2026年1月24日(土)①14時から ②18時から
会場:西区民文化センター・ホール
入場:無料(要申込)
主催:特定非営利活動法人もちもちの木 「住まいと暮らしの保健室」
申込:2025年10月1日から受付開始です。
https://mochi2.stars.ne.jp/blog/2025/08/13/%e6%98%a0%e7%94%bb%e3%80%8c%e4%ba%ba%e7%94%9f%e3%82%92%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%86%e6%99%82%e9%96%93%e3%80%8d%e5%ba%83%e5%b3%b6%e4%b8%8a%e6%98%a0%e4%bc%9a/
イントロダクション
東大病院の名外科医がたどりついた最後の現場
それは、「在宅」の終末期医療だった。
超高齢化が進み、やがて多死時代を迎える日本。近年、国は医療費抑制のため終末期医療の場所を病院から自宅に移す政策をとってきた。同時に、家族に看取られ、穏やかに亡くなっていくことを目指す「在宅死」への関心が高まっている。しかし、家族との関係や経済力など事情はそれぞれ。「理想の最期」の前に、厳しい現実が立ちはだかることもある。
都会の片隅で、「在宅死」と向き合うベテラン医師がいる。埼玉県新座市の「堀ノ内病院」に勤める小堀鷗一郎医師、80歳。森鷗外の孫で、東大病院の名外科医だった彼がたどりついた最後の現場が、在宅の終末期医療だった。患者と家族とともに様々な難問に向き合い、奔走する医師や看護師、ケアマネージャーたち。一人ひとりの人生の終わりに、医療に何ができるのか。映画は、地域の在宅医療に携わる人々の活動に密着し、命の現場を記録した。
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私どもは 2019年の年末に 横川シネマでこの映画は見ております。
在宅での最期は、こんなにも穏やかで安らかに迎えることが出来るのか、ということを
ぜひ多くの方に知っていただきたいと思っております。
とくに
最期を自宅なんて、絶対ムリ、と思っている方々に ぜひ見ていただきたい映画です。



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