透析患者数は減り始めている、患者数のピークはすぎた
昨日も 寒くなりましたね、風が強かったです。
中区でも雪が舞った、という報告のようですが、
幸か不幸か、私どもは 雪には出くわしておりませんです。
寒くなる予報です、用心しましょう。
木曜から1週間、最低気温はマイナス1℃の予報です。
さて、
昨日は 中区医師会 学術講演会に出席してきました。
講演:慢性腎臓病診療における高血圧診療の重要性
~慢性腎臓病診療ガイド2024をふまえて~
講師:広島市民病院 腎臓内科主任部長 木原隆司 先生
要点
透析患者は2021年から減少に転じている。
糖尿病があろうと なかろうと、腎機能の維持には 血圧管理が重要である。
食事療法では減塩が基本になる。
現代の日本人男性の塩分摂取量は 1日11グラム。
減塩目標は6グラムである。
つまり、塩分量は今の半分に減らす必要がある。
***
講演では サラッと流されましたが、
「透析患者数は減り始めている、患者数のピークはすぎた」
ということに関して。
みなさま、その原因・理由は なぜだと思われますか?
考えタイム 1分間。さあ、どうぞ。
考えタイム終了。では、次、よろしいでしょうか?
以下のような理由は 思いつくのではないでしょうか。
1:腎臓病対策が うまく回り始め、透析を必要とする患者が減ってきた。
2:人口減少社会に入っており、透析患者が減るのも当然。
3:高齢化社会であり、高齢の透析患者が多数亡くなられている。
4:透析や延命治療は受けたくない、という尊厳死・平穏死希望の人が増えた。
5:透析を受ける金銭的余裕が なくなってきた。
では、次。
透析患者の数は減っています。
ただ単に「人口減少だから透析数も減少」とするならば、
人口比にすれば それは変化がないはずです。
実際には
人口あたりの透析患者数も減っています。
つまり、
上記選択肢のうち 2番は違う、ということです。
では、次。
透析患者さんは 健康保険で 自己負担上限額が決まっています。
概念として、「高額療養費」と同じ と 考えてもらってもよいです。
自己負担額はそう変化していない、はず。
上記5 は 違うのではないか?
(注:なんやかや で 負担すべき金額が増えている、という側面は ありえます。
しかし それが 透析終了とか 導入しない理由とは 考えにくいです。)
では、次。
年代別にみていくと。
透析患者数が減っているのは 若い層であり、高齢者の透析は そんなに減っていません。
上記のうち、3は どうもアヤシイ。
で、
正解は1 と 言いたいところですが。
実際には どんなに対応をしたところで、
透析レベルの腎不全に至る時間を先延ばしにしているだけ、と 言えます。
超高齢になってから 腎不全になってきても、さすがに透析導入はしないでしょう。
2,4,5 には 一理あるかもしれないです。
腎不全に至るのを 遅らせるには。
1:早期発見、早期治療。
たとえば健康診断で 尿蛋白プラスマイナス と判定されれば、
その時点で一度は専門医を受診すること。
(通常は プラスマイナスであれば 「要受診」という判定には なりません)
2:血圧をガッツリ治療すること。
血圧管理を 目標数値以内に収めること。
それが達成できているのは 25%程度に すぎません。
使用すべき薬も 推奨されているように 使用すること。
食事指導(減塩など)も ここに含まれます。
3:糖尿病管理を ガッツリおこなうこと。
糖尿病管理は重要です。
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