ブログ

黒い雨で発がんリスクは上がるか

2012年12月9日  

寒いですね。
黄砂と思われる症状の人が、何人も受診されています。
黄砂が広島をかすめるような黄砂マップでした。
喘息などアレルギーのある人は油断しないで下さいね。
右上に黄砂情報リンクしてありますので時々チェックしてみてください。

さて、
黒い雨では、発がんリスクは上がらない、
と発表があったそうです。
黒い雨「がんリスク増えず」、放影研が分析結果発表
(2012年12月8日 読売新聞)
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20121208-OYS1T00678.htm

論文の読み方の基本、です。
誰かが、どこかが、出してきたデータというのは、
つねにバイアス(結果をゆがめる圧力)がかかっていないか、
研究手法・対象が適切なものであるかどうか、
常に疑っておく必要があります。
放射線影響研究所の出す疫学データは
広島在住の医師として、被爆者を診療する医師として
一定の興味・関心は持っておりますけれども、
はっきりいって信用しておりません。
そこで働く学者のみなさんには申し訳ないですが。
日米の国策に見合う結果を出す機関であると
疑いをもたれても仕方ない組織だと思っています。
どこからお金をもらっている人・組織なのか、
ということは
データの解釈をする時に常に着目しておく必要はあります。

とはいえ元論文を読んだわけではないので
今回のニュース記事については
そうだ、
とも
そうではない、
とも言えません。
それが現状です。

健康に関するデータを見る時には、
生活習慣や環境などもみておく必要があります。
たとえば
Aさんという、○○病、の持病のある方がいるとします。
その方は○○病があるために、
普段から人一倍 健康に気をつけ、
大酒もせずタバコも吸わない生活を送ったとします。
Bさんは、健診にひっかかることなく、
大酒をのみタバコを吸う生活を送ったとします。
AさんとBさんの寿命に差がなかったとした場合、
○○病は寿命に影響しない、
という結論が出せるか、
ということです。
まあ、もちろん個人個人での比較ではなく
○○病の人1000人、
健康人1000人、
というように集団比較をすることになりますが。
このように、
少なくとも大酒や喫煙、年齢性別等について
2群間の補正がきちんとされていないと
信頼できる研究結果とは言えないです。

黒い雨については
国が認めたエリアよりも広い範囲で降った
というのは広島の人たちの証言で明らかと思います。
黒い雨のエリア(国が認めた範囲)の人と、
実際には黒い雨が降ったけれども認められていないエリアの人とで
癌や病気の比較をおこなっても、
黒い雨の影響は強くは出ないことは
おわかりいただけるでしょう。
両群に黒い雨の人がいることになりますから。
実際に黒い雨が降ってはいないエリアの人と
比較しなければ
意味のある結果は出せないです。
できれば黒い雨のエリアとはずっと遠い地区の人と
比較しなければいけないと思います。
対照者(コントロール群)はきちんと設定されているのかどうか。
これが今回はキモのような気がします。

元論文にあたるしかないのですが、
それをする時間もありませんし、
それは私の仕事ではないので、
ここでやめておきます。
読売新聞科学部が、
「大本営発表」をそのまま記事にしたのでなければいいが、
と思っています。

地下鉄中央線阿波座駅前、福来亭のチャーシューメン
大阪マラソン前夜のカーボローディングです。
店は満員だったので、そこそこおいしい店なのでしょうが
私には合いませんでした。(だいぶ酔ってたからかな?)
大阪マラソンシリーズ、これで終了です。
P1000165.JPG
★インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です