運転してはいけない薬
車の運転をしてはいけない、と規定されている薬があります。ご存じでしたか? 市販のカゼ薬の説明書き・外箱などをよく読むと、そう書いてある薬が多いですね。
病院や医院で処方してもらう薬にも、「運転してはいけない」薬がたくさんあります。「自動車の運転等、危険を伴う器械類の操作には従事させないように」と書かれています。代表的なものはアレルギー性鼻炎・花粉症で使用される薬です。抗ヒスタミン薬に分類されるほとんどの花粉症薬には、運転してよい薬はありません。なぜ運転してはいけないのでしょうか? 眠気がくるからでしょうか? もちろん眠気がくる薬はぜったいダメですが、「眠気がないから大丈夫」というわけでは ありません。眠気を感じていなくても、脳の働きは落ちているのです。インペアードパフォーマンスといわれる働きです。
運転してもよい抗ヒスタミン薬は2009年1月現在で2種類のみです。こうした情報はまだ医師のなかでも意外と知らない人がいますが、最近ようやくだいぶ知られてきました。
この薬は車の運転大丈夫か、など、こうした研究をするのは「交通医学」と呼ばれる分野です。抗ヒスタミン薬のほかにも、運転してはいけない薬がたくさんあります。血圧の薬、抗生物質(気管支炎などに使用)にもあります。
あなたが服用している薬は、運転してよい薬ですか? 重機など操作してよい薬ですか? 眠気などで仕事の能率や学業成績が低下してはいませんか? こういった分野である「交通医学」の知識のある医師に 御相談ください。当院院長は、まさにこの分野で日本交通医学会 優秀論文賞を受賞しています。