ブログ

高齢者施設における看取りケア

2014年02月12日  

昨日は、広島市南区役所別館 大会議室で開催された
広島市老人福祉施設連盟主催の看護職員研修会で
講師をつとめてきました。
特別養護老人ホームに勤務する看護師の研修会です。
私は、「高齢者施設における看取りケア」
というタイトルでお話させていただきました。

在宅でも施設でも
癌で緩和ケアを必要とする人はいますし、
ここで最期まで暮らしたい、ここで看取りまでお願いします、と希望される方もいます。
私たちは、その希望に応えていかなければなりません。

特別養護老人ホームは、規模も経営母体もさまざまです。
病院隣接型のところもありますし、
各種介護保険施設が集合しているところもあります。
住宅地から離れた場所にポツンと立っているところもあります。
ですから
状態が悪くなってきた時の対応もさまざまです。
すぐに隣の病院にお願いする、というホームもあれば
できるだけホームで最期までみる方針というところもあります。

どちらが良いとか悪いとかいうものではなく、
本人や御家族が、事前によく調べて
自分たちの希望にあうかどうかを考え、
希望にあう施設に入所申し込みをされればよいでしょう。
入所してから
じつは本人・家族の希望とは違う対応の施設だった、
と わかっても、
施設側には施設側の都合(人員配置や法人の運営方針など)もありますので
個々人の御希望には添えない場合もあります。
施設なんてどこでも同じ、ではないのです。

入所した施設が
終の棲家(ついのすみか)となる可能性も高いです。
マイホームを購入するときと同じくらい、
じっくり細部まで比較して
見学もして、しっかり施設側の話も聞いて
それから申し込みをするようにしてください。

いろいろな施設の状況もお聞きしました。
本日の研修タイトルからして
参加されていたのは看取りケアをおこなっている施設ばかりでしたが
年間の看取り数は
1-2名から30名程度までさまざまです。
年間30名の看取りなんて、すごいことです。

認知症で食べられなくなってきた時、
多くの施設では私どもと同じように
点滴もほとんどしません。
胃ろうや高カロリー輸液といった「不自然な事」をおこなうことも
最近では まずありません。
自然に、自然に。
なにしろ、
食べられなくなってきた、というのは「自然なこと」なのですから。
不自然なこと、には 苦痛が伴います。
自然な経過が一番苦痛が少ないのです。
自然死のススメ、平穏死のススメ、です。

施設の医師をやっていると
胃ろうを作って、悲惨な状態になっている人をみます。
(あえて、悲惨 という言葉を使わせていただきます)。
胃ろうを作る段階では、数か月後、数年後の姿は想像できないのも仕方ない。
胃ろう作成を提案する病院の先生は
こうした悲惨な末路の状態を知らないのですから。
そこは、こうした悲惨な姿を知っている施設医師、施設看護師が
家族にしっかり伝えるべきだ、と思います。
私どもと同じ考え、同じ対応の施設が多いようで、
とても心強く思いました。

朝から夕方までの研修会のあとは
往診をして昨日はおしまい。
最近、日曜・祝日という休みは、全くありません。
なので体は疲れていますが(腰痛あり)、
気持ちは明るく、ビールのおいしい一日でした。
欽ちゃんの仮装大賞も面白かったですね。
頭がほぐれ、大好きな番組です。

本年度の講演は、あと1回で終わりです。
今日から準備にとりかかりましょう。

最近の緩和ケア薬剤師のマイブームは生姜
カルビー生姜ポテトチップス
P1050936.JPG
★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

コメントは受け付けていません。