ミカンに「ありがとう」「死ね」
吉島公園の桜、咲き始めています。
昨日の状況では、公園の上の段の桜は1分程度ですが、
下の段の桜は木によって5分咲きくらいのものがあります。
今週末は十分お花見が楽しめそうです。
毎日新聞が伝えているニュースです。
まだこんなことをやっている教諭がいるのです。
ミカンに「ありがとう」「死ね」と話し掛け、変化の有無を観察する「言霊(ことだま)大実験」が昨秋、県南地域の中学校であった。
毎日新聞 2010年2月20日 地方版
http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20100220ddlk45070663000c.html
対象はビンに入れた3個のミカン。約2カ月後、生徒から悪い意味の言葉を掛けられた方が腐り始めた。良い言葉の方は変化なし。発案した教諭、そして多くの生徒が「言葉が伝わったのでは」と思ったという。
ニセ科学の分野では有名な 「水からの伝言」 の
みかんバージョンです。
当然ながら、専門家はこぞって否定しています。
専門家の否定発言内容を知りたい人は上記リンクをクリックしてください。
そもそも、
3個で実験して結論を出す、
なんていう実験プランを教諭が企画した、
という時点で、
この先生は数学(統計学)や理科がわからないまま教員になったんだなあ、
ということがわかります。
100個にしてやってみれば、
さらに1万個にしてやってみれば、
ちがう結論になることは容易に推定されますね、
3個で物を言ってはいけません。
誰がやっても、何回やっても、再現性のある結果が出せないと
それは科学ではありません、「偶然」です。
ある実験系で、AよりBが優れている、という比較実験をするときに
有意差を出すためには 検体が ××個以上は必要である、
なんていうのは 統計学で出せるのです。
高校の数2・数3 あたりで、確率や統計の話はちょっと習いました。
今はどうなんでしょう、教えているんでしょうかね。
それにしても、この先生、
もし逆の結果になっていたら
(良い言葉をかけたミカンが先に腐ったなら)
どうするつもりだったのでしょうか?
この授業を受けた子どもたちが、将来大人になったときに、
ニセ科学やニセ医学にだまされないことを心から願います。
そして何より、だます側で仕事をする大人にならないように、
本当に本当に願っています。
(この1件をきっかけに、数学などの科学、医学、疫学、統計学などの
世界に興味を持って入っていく子が増えてくれれば いいのですけれど。
小学生のうちから教員の教える内容に疑問をもち反発する、ということは
まず無理だろうと思います。
しかし中学生であれば優秀な子は疑問をもってくれただろうと思います。
そうであることを期待したいです。)
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