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巨大津波 その時ひとはどう動いたか

2011年10月7日  

最近、熱と咳で受診される方が増えています。
こどもにRSウィルス、マイコプラズマ感染が増えているようで、
成人にも感染することがあるようです。
うがい手洗いをしっかり心がけましょう。
症状のある人は外に出歩かないようにし、
どうしても出る場合にはマスクをしてください。

10月2日、NHKスペシャル 巨大津波
その時ひとはどう動いたか を見ました。
***番組表から引用
「津波が来るかもしれない」という時、人は何を考えどう行動し、何が生死を分けるのか。
(中略)
住民5600人の詳細な安否情報を落とし込んだ色分けデータ「被災マップ」、津波が来るまでの間に何を考えどう行動したのかを聞き取りした「行動心理マップ」を作成した。そこからは、私たちが災害などの非常時に陥りがちな「心の罠」が生死を分ける大きな鍵を握っていることが分ってきた。(以下 略)
***引用終わり

再放送があります。
ぜひ御覧ください。
2011年10月13日(木)  午前0時15分~1時04分 総合 (12日深夜)
http://www.nhk.or.jp/special/rerun/index.html

そのなかで、
浮かび上がってきたキーワードが3つありました。
・正常性バイアス
・愛他行動
・同調性バイアス

正常性バイアス、というのは
ここまでは津波は来ないだろう、
そんなに大きな被害は出ないだろう、
避難せずこのままいつもの生活していて大丈夫だろう、
という方向に働くものです。
日々の生活の中で、小さい異変にいちいち反応していては
ストレスで体を壊してしまいますので
「異変を受け流す」という 生きていくための体の反応なのですね。
結果として避難行動をとらず自宅で亡くなられた方が多い
ということになりました。

愛他行動は置いておくとして。

同調性バイアスというのは
他の人と同じ行動をとっていれば安心する、
大勢の人と同じ行動をとろうとする、というものです。
公民館に避難していたおおぜいの人たちが
「大きな津波が来るから、もっと高台に逃げなさい」と
誰かから情報がもたらされても
避難者同士でのんびり立ち話を続けることはあっても
次の迅速な避難行動にうつろうとはしなかったのです。

医療の世界に置き換えて考えました。
なぜ癌検診を受ける人が少なく、
(若くして)がんで死ぬという悲劇が減らないのか?

・正常性バイアス
例:私は癌にはならないだろう、
検診なんか受けなくても大丈夫だろう、
がんになっても(手術を受ければ)大丈夫だろう、
・同調性バイアス
例:友人のAさんもBさんもがん検診は受けていない
と言っていたから(私も受けなくていいだろう・・・)。

たとえば乳がん検診や子宮ガン検診では、
がん検診の受診率は日本では20-25%程度のものです。
まわりには癌検診を受けていない人のほうが多いので
同調性バイアスが悪いほうに働いてしまうのですね。
受診を見送る方向に働きます。
これに対し
欧米では70-80%の受診率があります。
周囲を見渡せば癌検診を受診している人のほうが多いので
同調性バイアスは受診を促す方向に働きます。

NHKスペシャル、いい番組でした。
ぜひ再放送をご覧ください。
そして、
がん検診を受けていないことについて
わが身をふりかえって考えてみていただければ、と思います。
ぜひがん検診を受けましょう。

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