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災害時の広島でのキーワードは「上へ北へ」

2024年01月8日  

高齢者の発熱は 曜日や祝日に 関係しません。
昨日も 何名もの方を 病院に入院紹介しました。
日祝や夜間は 引き受けてくれる病院が少ないので、病院探しが大変です。
今のところ 広島市では 入院先に困る、という事態には なっておりませんで、助かります。
なかには
「熱の原因は肺炎ではなく新型コロナ」、と判明する場合もあります。
軽症なので帰宅、と言われ、自宅療養になった方もおられます。
しかし
高齢者が熱を出すと、食べられない、水分飲めない、となることが多いのです。
つまり、脱水になってしまうわけですね。
そうなると 家で点滴するか、やっぱり入院依頼して点滴受けるか、の どちらかになります。
一度 入院対象ではない、と判断され帰宅した方を 再度入院依頼するのは
これはとてもとてもハードルが高いです。
状態がよほど急降下しないかぎり まず無理です。引き受けてもらえません。

日曜祝日には。
訪問看護さんの訪問回数を増やす手配はつくことが多いですが、
介護ヘルパーさんの手配は まず無理です。
まして 新型コロナ陽性と判明すれば ヘルパーさんは来てくれません。
ゼロになります。
つまり
家での生活が困難、という状況になるのですが、病院の先生には そこは わかりません。
軽症だから帰れ。
帰った後の家での生活、が 想像できないんですから、仕方ないことです。

訪問看護さんが1日に何度もはいって 本来ならばヘルパーさんの仕事までも引き受けて
それでようやく生きていく、ということになります。
年末年始や連休の在宅現場は このように 動いています。

 

さて
災害ですが。
直下型地震については 地震時の家や家具の倒壊を防ぐ、これに尽きます。
もう1つ 広島市で想定されているのは 南海トラフ大地震による津波です。
それぞれ お住まいのエリアに 「東南海トラフ地震の津波想定図」が発表されていますので
ぜひ確認をお願いします。
吉島圏域であれば。 ほぼ全域が 津波により浸かります。
当院あたりでは 2メートル51㎝と推定されています。
いまや1㎝単位での被害予想が出るくらい 災害推計は進歩してきています。
たかが推定じゃろ?
と 思われた方、おられますよね?
数年前の岡山県真備町の水害の時ですが、やはり災害予想マップが事前に発表されておりました。
「予想図どおりだったなあ・・・」、というのが 全員一致の感想、です。
今の災害予測というのは 非常に正確なんです。

 

2メートル50㎝の浸水であれば 1階は全滅です。
1階にいては いけません。
幸いなことに 南海トラフ大地震による津波は 広島では逃げる時間があります。
「上へ北へ」というのがキーワードです。
上へ、というのは 垂直避難のことで、できるだけ上の階に逃げましょう、です。
2階では 浸水する可能性があります、できれば3階以上に逃げましょう。
木造家屋は津波で崩壊する危険性がありますので、できればマンションに逃げましょう。
それは近隣のマンションで よいです。
災害緊急避難場所として 指定されている建物、マンションを確認しておきましょう。

在宅酸素、在宅人工呼吸の方などは 垂直避難よりも、やはり「安全な病院」に逃げることが大事です。
どこに逃げればいいか?
「北へ」
少なくとも広島城よりは北に逃げましょう、というのが 一般回答です。
県病院や市民病院は 避難先としては不適です。
私は 講演会などでは 「安佐市民病院まで逃げましょう」と言っています。
そこまで行けば 停電の心配、食料・医薬品不足の心配はありませんので。
エキキタに巨大病院が出来たなら、中区や南区の方の避難先は その新病院へ、ということになるでしょう。

 

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