新・医療亡国論
今朝の中区は視界が悪いです。
黄砂もPM2.5 も 「少ない」。
では、何でしょうか?
花粉でしょうか?
だとすると、ものすごく多い飛散量ということになります。
実際に、「生まれてはじめて」花粉症用内服薬、点眼薬など希望され受診される方も多いです。
花粉症対策、しっかりおこないましょう。
昨日は、吉島圏域 多職種連携研修会の小委員会でした。
今年は「食べる」をテーマに開催いたします。
今年の第1回は7月になりそうです。
今回からグループホーム等へも呼びかけを広げていこうと企画しております。
確定したらお知らせしますので、ぜひ御参加ください。
最期まで住み慣れた場所で暮らし続けることが出来るように
がんばっていきましょう。
さて、
がんの免疫療法。
これまでの方法は推奨できるレベルのものはない。
それを踏まえた上で。
有望なのは免疫チェックポイント療法です。
現在、保険適用まで来ているのは PD-1を標的とする抗体療法です。
悪性黒色腫に続き、昨年末に肺がんに保険適用が認められました。
肺がんについてみると日本とアメリカで認可されました。
奏効率は19-25%程度。
奏効期間は48-358日程度。
平均生存期間は約3か月延長です。
いいじゃないか、と思われるかもしれません。
では
それに必要な費用はいくらなのか?
PD-1抗体は非常に高額な医薬品で
2週間毎に使用し、
標準体重であれば薬代が年間3000万円を超えます。
アメリカでも、やはり年間30万ドル程度です。
肺がん患者は年間5万人。
2年間で10万人です。
このPD-1抗体は、どういう人に有効で、どういう人に無効なのか、は
今のところ わかっていません。
使ってみるまで わからない。
さらに
効果が無くなってきた抗がん剤は、普通ならそこで使用終了となりますが
このPD-1抗体は、そう簡単ではないかもしれません。
悪性黒色腫での経験では、
効果が無くなった、腫瘍が増大してきた、と思っても
使い続けていると ふたたび効果がみられる、という現象も確認されています。
つまり、
止め時 というのが はっきしりない。
誰に効果があるのか使ってみるまでわからず、
いつ止めてよいのか、も わからない。
ということは、
年間数万人は使用する可能性があるわけです。
年間5万人が使用すると仮定すると。
一人3000万円x5万人
これがいくらになるか、計算すると
1兆5000億円、です。
たった1つの薬で、です。
これから、作用機序が類似の薬(例:PD-1に結合する蛋白の側を阻害する薬)が、続々と出てきます。
価格は同じ設定になる見込みです。
また
肺がんだけでなく、他の癌にも有効です。
胃がん、大腸がん、膵臓癌、血液癌などに 続々と認可されていくことになります。
そうなると
5万人、1兆5000億円では収まらず
10万人、3兆円規模になるかもしれません。
年間医療費が3000万円で、1割負担だと300万円ということになりますが
日本には「高額医療費」という制度があります。
いい制度、ありがたい制度ではありますが、
1人あたり3000万円のほとんどを 国家が負担することになるのです。
今の日本で、国家として、今よりも3兆円も多く 薬剤費に支払う余裕はありません。
では、どうするか?
今よりも医療・介護・福祉の支出をギリギリと搾り落とすのか。
でも、それでは高齢化社会を乗り切ることは不可能になるでしょう。
「新しい医療亡国論」の時代です。
年齢によって 保険適用に制限をかける、という提案もされています。
80歳以上は抗がん剤が保険適用しないようにする、とか。
それが80歳がよいのか、90歳なのか75歳なのか70歳なのか、は
国民が決めていくことになると思います。
抗がん剤の他にも、透析や救急救命医療/集中医療も 同様の課題を抱えています。
言葉は悪いかもしれませんが、「新しい姥捨て山」の時代と指摘している人もいます。
みんなが、同意の上で、高齢者に 積極的医療をおこなわないことを決める時代。
今回の新しい免疫療法は、
このような時代を導くものとなる可能性がありそうです。
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★インフルエンザ情報
広島市内の学級閉鎖は1校だけに減っています。
しかし、まだまだ警報レベルを超えております。
手洗い咳エチケット、よろしくお願いいたします。