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「がんに効果」=バイオラバー販売3人に罰金

2010年01月28日  

バイオラバー販売3人に罰金=「がんに効果」

バイオラバー という言葉を癌と結びつけた人がいた、というニュース。
時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200911/2009111001112&rel=y&g=soc
高速水着素材メーカー「山本化学工業」のゴム素材「バイオラバー」を使った製品を、「がん細胞を抑制する」などとうたって販売したとされる事件。
容疑者らは起訴内容を認め、「(がんなどに効果があると)言ってはいけないと分かっていた」などと供述しているという。

がんに効く、と薬効をうたえば、その時点で薬事法違反です。
これはしっかり覚えておいてください。
医薬品でないものは、すべてインチキ商品です。

ところで、今回は競泳の世界新記録ラッシュで非常に有名になった素材
「バイオラバー」 を
癌にむすびつけて販売した、というケースです。
「バイオラバーという言葉、聞いたことがある。
なんだか知らないけれどバイオラバーは すごいらしい」
というレベルの知識の人をターゲットとしています。

科学の進歩で、新しい素材、新しい言葉は 次々に出てきます。
「なんだか知らないけれど すごいらしい」
という発想はやめませんか?
一度立ち止まって、自分でいろいろ調べてみることが必要ですよ。

一番いいのは、専門家に聞いてみることです。
ガンのことは癌治療医・緩和ケア医に御相談ください。

写真は マツ、ユリなど
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★新型インフルエンザ情報
第3のインフルエンザ治療薬 国内発売。
1月27日(水)11時22分配信 J-CASTニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/cm/main?d=20100127-00000000-jct-soci&s=points&o=desc
塩野義から、商品名ラピアクタとして発売です。

タミフル・リレンザに次ぐ第3の治療薬となります。
とくに、初の点滴治療薬ですので、
タミフル・リレンザが効果を期待できない重症患者の治療に期待ができます。
一昨日にメーカーから届いた製品説明文書を読んでみましたが、
症状発現から48時間経過後に投与を開始した場合に有効性を裏付けるデータはない、とのことです。
薬効としてはタミフル・リレンザと同じく、「ノイラミニダーゼ阻害薬」ということになりますので、
できるだけ発病早期から使用するほうが有効、ということになります。

ところで、
タミフルが使えない場合というのは どういう時かというと、
・下痢・嘔吐などで内服薬の効果が期待しにくい。
・意識障害があるなど、内服ができない。
など。

リレンザが使えない場合というのは どういう時かというと、
・小児あるいは超高齢、認知症などで吸入がうまくできない。
・意識障害があるなど、吸入ができない。
・人工呼吸をおこなっている時。
・呼吸器症状だけでなく全身症状となっている時。
など。

こういう時に点滴が使えると、救命率は上がると思われます。

最初は生産量が少ないこともあり、
集中治療室など、基幹病院にしか納品されません。
また、以上のような製品特性からみて、
外来や診療所で気軽に使用するレベルの薬とは思われません。

病院や診療所の外来にて
「ニュースでやっていたインフルエンザの点滴をうってくれ」
とは言わないようにお願いします。

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