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市民マラソンは危険

2009年03月26日  

3月22日(日)の東京マラソンで、お笑いタレントの松村さんが倒れ
一時心肺停止になった、というニュースが流れました。
このブログは24日夕方時点での情報をもとに書いていますが、
急性心筋梗塞による心室細動でAED(除細動器)を使用したそうです。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/wide_show/

糖尿病や高脂血症、高血圧の方に 食事療法・運動療法のお話をしますが、
中に 「運動というからには、マラソンを走ってやろう」
と考える方が 時々いらっしゃいます。
「そうではなくて、まずは歩くところから始めて下さい、
次第に歩数を増やして、1日1万歩を目標にしてください、
いきなり走っては絶対にいけませんよ」、 と指導することになります。

肥満や高脂血症の方というのは、「長年 続いてきた運動不足」が
背景にあることがほとんどです。
いきなり短期間でもとに戻そうなんて、無謀としか言いようがありません。
なぜか?
高脂血症や糖尿病、高血圧が長く続いていると、動脈硬化が生じています。
血管の内側に、油の固まりが こびりついているような状態に
なっているのです。(プラーク と呼びます)
このプラークが破れ、血管内に放出されると、その血管の先の
細い場所で 詰まります。 血管に詰まる、ということは、
脳であれば脳梗塞、心臓の血管であれば心筋梗塞をおこすのです。
ですから、激しい運動をするよりも、肥満や高脂血症、糖尿病、高血圧を
しっかりなおす・コントロールすることが先決です。
不安定なプラークを、しっかり安定化させなければなりません。
これには、時間がかかるのです。
マラソンをするのには、まず体重を落とし、
さらに少なくとも その1年以上先にすべきです。

マラソンを甘くみてはいけません。
毎年のように市民マラソン大会では死亡者が出ています。
今回は東京マラソンで、医療スタッフがしっかり配置されていたため
すばやくAED使用ができ救命できたもので、幸運でした。
田舎道を走るマラソン大会であれば救命できなかったと思います。

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