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広島市でインフルエンザ急増

2010年12月22日 , 

昨日は当院でも今シーズン初のインフルエンザ患者を診断しました。
A型です。
広島市医師会では、毎日集計をしていますが、
16日  7名
17名 10名
20日 20名
(18/19日は土日なので、ここでは除外します)
と、ここへきて毎日倍増のペースです。

今のところ、南区が断然多い報告となっています。
学校は休みになりますが、
クリスマス用品・正月用品など買いにスーパーやオモチャ店に行くと
おおぜいの人がいると思います。
そこで感染が一気に広がる可能性があります。
うがい手洗いマスク咳エチケット、よろしくお願いします。

さて、
さすがに年末となり、講演会や勉強会もなくなりましたので
アップしそこねている情報ストックをアップしていきます。

今年の私の参加した忘年会相当の飲み会は4回。
(うち1回はナナパパ主催 偽レブの会でした。)
最後の忘年会は 駅近くの だるま寿司別館。
http://daruma.main.jp/bekkan_menu/en_food.html
P1130880.JPG
★インフルエンザ情報
インフルエンザ講演会のお話。
11月29日は、広島抗菌薬フォーラム主催の
インフルエンザセミナーin広島 に出席しました。

「インフルエンザに関連する診療の今後の展開」
講師:長崎大学感染免疫講座 関 雅文 先生
話題の焦点は、
抗インフルエンザ薬が4種類になったので
この使い分けをどう考えていくか、
というものです。
とくに点滴薬が発売されているので、それをどう考えるか。

私は、
点滴薬は基幹病院で使用する「とっておきの治療薬」にすべき、
と考えていました。
みんながあまり気楽に使用して、耐性ウィルスが早く出現するのはイヤだな、
と思っているのです。
じっさいに最近ではAソ連型はタミフル耐性になってしまい、
治療の選択肢がおおいに制限されるという状況にありました。
内服や吸入が可能な状態の人は、まずそれを使用すべきではないか、
重症の入院患者のみが点滴対象でよいのではないか、と思っていたのです。

しかし関先生はそこまで制限しなくてよいのではないか、と。
これは重症化するかも、と医師が思う患者、
たとえば脱水気味で点滴したほうがよいと思われる患者に
同時に点滴をしておく、という使用もよいのではないか、
というお話でした。
つまり外来で点滴することもOKだ、と。

そこで私が再び考えたのですが、
どんなに医師が注意して使用しても、
いずれは耐性ウィルスが出てくる。
それは一人の努力でどうにかなるものではなく、
もしかしたら人間の力でどうにかなるものではないのかもしれない。
(Aソ連型のタミフル耐性ウィルスが出現したのは、
タミフルを最も多く使用した日本ではなく北欧、という事実があります。
なぜ北欧で最初に出たのか、は 誰にも説明ができません。)
関先生は、そこを考えておられるのではないのかな、と。

そのほかに、内服や吸入が理解できない認知症ぎみの人には
点滴で治療する、という選択もありかな~、
と思いました。
もう少し情報を集めて判断したいと思っています。
でも、元気な人は
「おうっ、点滴でちゃちゃっと治してやってくんな(なぜか江戸弁)」
というような要求はしないで下さいね。

結局、当院では点滴治療薬は一応準備しました。
認知症患者や脱水のある患者に使用する可能性を考えています。

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