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心に残る出会い66 妻が認知症のFさん

2015年02月22日  

今日は雨ですね。
今日 広島県で初の本格的フルマラソン、呉とびしまマラソンに参加される方は
雨の中、大変でしょうね。
体が冷えると、走れなくなってしまうんですよ。
沿道の方は応援よろしくお願いいたします。

【業務連絡:医師募集】
在宅医療に興味ある医師の方、
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病院での当直勤務が身体的・精神的にきつい、という方や
将来は開業を、とお考えの方も御相談ください。

さて、
毎月最終日曜日は 心に残る出会いです。

Fさんは83歳。
認知症の妻と二人暮らしです。
空気のよい所に住みたい、と希望されて
山の上の方にある市営住宅で生活されていたのですが
しかし、タバコはやめられん、といって吸い続けておられました。
ベランダでタバコを吸う、ホタル族の一人でした。

妻に認知症があり、Fさん本人も足が痛いため 通院はできません。
これまで訪問診療してくださっていた医師が急死されたため
ケアマネージャから依頼を受けて
当方が訪問診療を引き継ぐこととなりました。

Fさんに、食事が食べられなくなったり
胸が痛くなったり、
いろいろ問題がおこってきましたが、
病院の検査受診はなかなかウンと言われません。
奥さんを一人にしておくことが出来ないのです。

そのうちに、奥さんが誤嚥による肺炎で入院を繰り返すようになりました。
入院中であれば、Fさんも検査を受けられます。
肺の異常影が指摘され、精密検査と、禁煙をすすめられましたが
Fさんは どちらにも同意されませんでした。

奥さんの嚥下能力は次第に低下し、ついに胃瘻となってしまいました。
胃瘻をつくった後は、飲み込む必要がないので、頚部や顔面の筋肉を使うこともなくなります。
声も出さなくなり、表情もなくなっていきます。
Fさんは、奥さんの笑顔が大好きだったのですが、
「最近では見舞いに行っても妻の笑顔がみられないんじゃ」
Fさんは さみしそうに私たちに言われました。

そのうちに、病院にお見舞いに行くFさんのことも
奥さんは誰だかわからなくなっていきました。
Fさんは、この世の終わりのように沈んでおられました。

ある日、胸が痛い、とFさんが言いました。
すぐに病院に連絡し、緊急検査です。
肺に水が貯まっていることがわかりました。
肺癌による癌性胸膜炎です。
胸水を抜く治療を終え、一段落したら退院しましょう、
ということになったのですが
結局 退院することはかなわず、
Fさんは病院でそのまま亡くなられました。

Fさん、奥さんのことを しっかり支えてあげていましたね。
奥さんは、幸せだったと思いますよ。

ふだんビールは飲みませんが、
新幹線に乗る時くらいは プレミアムビール
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

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