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現代によみがえる瀉血療法

2010年05月20日  

瀉血療法というのは、大昔から実施されている治療法です。
体の中に悪いものがあるから外に出す、
という非常に単純な理屈でなされてきたものであり、
代表的な「伝統医学」の一種、
現代医学としては多血症にのみ使用される治療法だ、と思っていました。
ところが、
今ではC型肝炎の治療法として脚光を浴びている、そうです。
当方は肝臓疾患は専門ではないとはいえ、知りませんでした。
この事実を発見したのは日本人医師だそうです。
すばらしいことですね。
瀉血療法が現代によみがえったとは、目からウロコです。

本日のお勉強
C型慢性肝炎における肝細胞がん発生と鉄の関係
日本医師会雑誌2010年5月号
札幌医科大学 加藤淳二先生、宮西浩嗣先生
要点
C型慢性肝炎の肝には鉄が過剰に蓄積し、
その結果生じたフリーラジカルによりDNA損傷が惹起されると考えられる。
瀉血療法が肝発ガン抑制効果を有することが明らかになっている。
血清フェリチンが10ng/ml未満になるまで週200~400gの瀉血をおこない、
以後1~3ヶ月に1度の維持瀉血と低鉄食事療法をおこなうと
発ガン率が有意に低下した。

10年とか、長期の観察をおこなうと
除鉄群の発ガン率は半分以下になるようです。
(非除鉄群だと10年後の発ガン率は約60%)

ヒトの体内では鉄は非常に重要であり、
ヒトは鉄を体外に出す仕組みをもっていません。
鉄は血液中に多量に含まれ、
血液1単位(200ml)中に 100mgの鉄が含まれています。
体から鉄を出すには、瀉血がてっとり早い、ということにもなるわけです。

まあ
瀉血というのは どうにも古くさいイメージはぬぐえません。
他に何か治療方法があるだろう、と思ってしまいますね。
今後は鉄キレート剤が主流になるだろう、と
同じ特集号では紹介されていました。

いずれにせよ
C型慢性肝炎患者に(インターフェロン治療が大原則としてその他に)
禁酒、肝庇護剤、定期検査だけの時代から
除鉄療法もおこなう時代になったのは確かなようです。
かかりつけ医に御相談ください。
鉄除去食については明日御紹介します。

東広島ゆめタウン で見つけた日本酒。
「福美人」の合格おめでとうバージョン。4合瓶です。
子どもの合格祝いに買って帰る人も多かったのでしょうねえ。
広島特有の甘口酒ですが、非常にきめ細やかで 良い感じです。
広島酒のファンを増やしましょう。
P1120198.JPG
★新型インフルエンザ情報
南の島では、新型インフル2009A/H1で学年閉鎖がはじまっているようです。
消滅したわけではなく、くすぶっている状態と考えたほうがよさそうです。

yahooニュース 5月19日15時16分配信 毎日新聞
県は18日、沖永良部島の知名町立下平川小で、新型インフルエンザとみられる集団感染が発生した、と発表した。6年生21人中7人が38度以上の高熱などを発症し、18、19の両日を学年閉鎖とした。県内の学級・学年閉鎖は今年3月初旬以来。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100519-00000215-mailo-l46

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