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西区でインフルエンザ流行

2011年12月1日  

昨夜は、医師会の吉島光南地区ブロック会でした。
まだ中区ではインフルエンザ患者は多くありませんが
西区では流行がはじまったようです。
安佐北区の幼稚園、西区の小学校と幼稚園で学級閉鎖が出ています。
とくに西区の小学校では150名の患者(欠席者)が出ており
大流行中といっていいでしょう。
うがい手洗い咳エチケット、よろしくお願いします。

抗がん剤で治療をおこなっていると
次第に薬の効きが悪くなります。
体力などを判断して次の抗がん剤を投与するかどうか決めるのですが
3種類目、4種類目となることも珍しくありません。
でも
体力が落ちた状態では、抗がん剤は体に重い負担になり
治療しないほうがよい、という場合が多くなってきます。
本日のお勉強は非小細胞肺癌の化学療法について。

今週の花 シクラメン
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本日のお勉強
進行非扁平上皮非小細胞肺癌に対する三次治療以降の
ペメトレキセド療法の忍容性の後方視的検討
肺癌 2011年8月号
九州がんセンター呼吸器科 平井 文彦 先生ほか
要点
非扁平上皮非小細胞肺癌に対しての三次・四次治療としての
ペメトレキセド単独療法について検討した。
対象は25例。21日間隔で点滴。
無増悪生存期間中央値は22週。
生存期間中央値は47.8週だった。
忍容性は認められる。
治療効果としては
三次治療12例ではPR 1例、SD 9例、PD 2例。
四次治療13例ではSD 9例、PD 4例だった。
(PRというのは、腫瘍が少し小さくなった。
SDは不変、PDは増大・進行した、という意味です。)
PS 2の1例では7日目にDICを発症した。
(PSというのは、体調の良さをあらわす指標。
performance status といいます。
PS0は全くの普通状態で、PS4は終日就床。
PS2とは歩行や身の回りのことはできるが、時に少し介助がいることもある。軽労働はできないが、日中の50%以上は起居している状態です。
DICというのは体内の血液凝固バランスが崩れた状態で
非常に危険な状況です。)
***

癌の化学療法の効果として
「癌をたたきつぶす、全滅させる」ことが理想ですが、
今の抗がん剤にはそれだけの力はありません。
癌の進行を少し遅らせることが出来れば上出来、
という程度だと思って下さい。
今回の治療法でも、癌を小さくする力はみられていません。

現在では肺癌(非小細胞肺がん)治療のガイドラインにて
一次治療はプラチナ製剤を含む併用化学療法、
二次治療はドセタキセル単独、が推奨されています。
分子標的薬は一次二次三次どこで試みてもいいです。

癌治療で使用する薬は、「最初に使用する薬ほど良い薬」です。
野球のように、「優れた者が4番打者」になる、ということはありません。
効果があり副作用が少ない薬から順番に使用されていきます。
つまり3番打者、4番打者になるにしたがって
効果が弱いか、または副作用が強いか、
いずれにせよトップバッターになれなかった薬が残るわけです。

抗がん剤は、体調の悪い人には使えません。
今回の治療はPS 0-1が対象であり、
唯一のPS 2の1例では重い合併症が出ています。

体調が悪くなり、次第に薬が効きにくくなっても
「何とか次の抗がん剤治療を」
と希望される方もおられるのですが、
その段階の抗がん剤治療は
けして良い方向に向かわないのが現状だ、
ということを知っておきましょう。
体調が悪くなった段階では、緩和医療だけにとどめた方が
結局は充実した生き方がおくれると思います。

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