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降圧剤と肺炎

2011年10月11日 , 

昨日、よい天気だったので
蒲刈方面で海を見てのんびりしてきました。

写真など御紹介したいところですが
帰ってから急な往診などもありバタバタ忙しく
写真の整理が出来ていません。
明日アップしますね。

本日のお勉強は 降圧剤と肺炎 です。

今週の花 ざくろ
konsyu zakro.jpg
★インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

本日のお勉強
KL-6が高値を呈したバルサルタンによる薬剤性肺炎の1例
日本呼吸器学会雑誌 2011年7月号
北里大学呼吸器内科学 高倉 晃 先生ほか
要点
高血圧でバルサルタン内服を開始2ヶ月後に、咳・労作時息切れが出現。
下肺野の浸潤影、CTではびまん性すりガラス陰影と浸潤影。
KL-6は7360 U/ml と著明に増加。
リンパ球刺激試験が陽性。
ステロイド治療で軽快した。
バルサルタンを含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬の使用頻度が増加しており
薬剤性肺炎合併の可能性は常に考慮すべきである。
KL-6高値の薬剤性肺炎ではステロイド治療を検討すべきである。
***

高血圧で使用される薬のなかで
ARBと呼ばれる一群の薬の使用が増えています。
作用機序の理屈としては、非常にすぐれた降圧剤なのですね。
これまでARBは副作用は少ない、とされてきましたが、
使用患者数が増えれば副作用についての情報も増えてきます。
薬剤性肺炎というのは、どんな薬でも頭に置いておく必要はありますね。

多くは休薬だけで改善していきますが、
ステロイド治療が必要となる場合もあります。
KL-6高値が、ステロイド使用の目安になりそうだ、ということです。

今回報告された症例のKL-6は、べらぼうに高いので
これだとやっぱりステロイドが必要になるでしょうね。
(正常範囲は500以下)
CT画像の異常所見は、1年後にようやく消失したそうです。
長い経過追跡が必要なんですよ。

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