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がん検診を受けなくていい人

2014年08月16日  

まるで梅雨か? というような
雨続きですね。
せっかくの夏休みですから
野球観戦や天体観望会など うまくいけばいいのですけれども
天候には勝てません。
今日はどうでしょうか?

さて、
最初の命題に戻りましょう。
癌検診を受けて、癌が見つかった。
手術して、抗がん剤治療して、
そして今は治療が一段落して経過観察となっている、
そういう人がいるとします。
この方は、不幸な人でしょうか?
それとも、幸運な人でしょうか?
という命題です。


がん検診を何のためにおこなうのか、
というと
早期発見・早期治療につなげるためです。

前回取り上げましたが、
検診は何のためにおこなうのか。
検査を受ける意味のある人と、あまり意味のない人がいます。
これを逆に考えてみると
何の行動(治療や行動変容・意識変容)にもつながらないのであれば
その方は癌検診を受ける必要がありません。

たとえば
もう95歳の認知症・衰弱で
仮に癌が見つかったとしても
治療に結びつかない状態であるならば
がん検診そのものを受ける意味がありません。
また、
御本人の主義主張として
「仮に癌が見つかっても、もう治療は受けない」、
という高齢者もおられます。
その方も 癌検診を受ける必要はありません。
検査を受けることに意味があるのは、
結果が何らかの行動変容・意識変容をもたらす場合のみです。

このあたりの内容は
中村仁一先生が「大往生したけりゃ医療とかかわるな」で
ズバリと書かれております。
タイトルは挑戦的ですが、
しかし検診に関して言っておられる内容は正論です。
高齢者は、「無駄な検査」は受ける必要がないんです。
そのお金は、若い人に使ってもらえばいいのです。
(この本を、タイトルだけで内容を類推し批判されることがありませんように。
ぜひ一度はお読みください。)


ただし
高齢者に癌検診は必要ないとしても
何か異変があれば
その時に検査を受けることには意味があります。
高齢認知症の方に なにか出血でも生じた場合に
検査して癌が見つかることがあります。
そうなると 
「あとどれくらい生きられそうか」、
予測が出来ることになります。
本人・家族、および支えている医療介護チームに
覚悟が出来るわけなんです。
「○○癌で、この程度の進行度」、ということがわかれば
今後おこりうる症状、おおまかな寿命などがわかり
事前にその予測情報を本人家族やチームとで共有することで
慌てふためく事態にならずにすみます。
今後おこってくるであろう事態とタイムスケジュールを予測できるのです。
そして、残された時間を有意義にすごすことが出来ます。
慌てて救急車を呼んで、希望していなかった「救命治療」を
受けることも無くなるのです。

もっと言うならば
癌によっては、検査を受ける必要すらない場合があります。
診察だけで診断も、今後の予測も出来る場合があるのです。
訪問診療・在宅医療では、
各種の大型最新機器を使うことは普通は出来ませんので
問診および身体診察に磨きをかけている医師が多いのですよ。
何の検査もしなくても
丁寧な診察で診断できる場合もあるのです。



盆の帰省から帰っていく子供たちを
広島駅に送っていきました。
駅ビル南口に八天堂の出店があります。
カープバージョンなので、ハイ購入!

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★新型インフルエンザ情報
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