ビタミンEサプリでは癌予防できない
ビタミンEサプリでは癌予防できない
癌の予防の目的で、ビタミンEを服用している人も少しおられます。
それについて、決着をつける論文が出ました。
本日は、ビタミンEサプリのお話です。
ビタミンEによる抗がん作用の機序解明
γ-トコフェロールが最も有望
Medical Tribune 2013年5月30日
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2013/M46220221/
***一部引用
オハイオ州立大学(コロンバス)医薬品化学・生薬学のChing-Shih
Chen教授らは「これまで捉えにくかったビタミンEによる抗がん作用の機序を解明した」とScience Signaling(2013; 6:
ra19)に発表した。ビタミンEのがん予防効果は長い間示唆されていたが,実際の作用は明らかにされていなかった。
今回の研究では,前立腺がん細胞においてビタミンEの一種であるγ-トコフェロールが,がん細胞の生存に不可欠な酵素Aktを阻害することが示された。Aktが失われるとがん細胞は死滅した。
ただし,同教授によると,がん予防のために通常のビタミンEサプリメントを摂取しても,少なくとも次の2つの理由から効果は期待できないという。まず第1に,手頃な値段のサプリメントは合成品で,それらはほとんどが今回強い作用が示されたγ-トコフェロールではなく,より弱い作用しか示さなかったα-トコフェロールである。第2に,人体は今回示された抗がん作用を発揮するのに必要な高用量のビタミンEを吸収できない。
***引用終わり
元の論文はこちら
http://stke.sciencemag.org/cgi/content/abstract/6/267/ra19
ただし、無料だと要約しか読めません。
全文を読みたい場合は費用が発生します。
これまで、
癌の原因は活性酸素など酸化物質がDNAを傷つけるためで、
抗酸化物質が抗がん作用を発揮する、
という仮説がとなえられてきました。
でも、
ビタミンEの抗がん作用は抗酸化活性によるものではない、
ということは すでに判明してきています。
じゃ、抗酸化活性ではないとすると
何がビタミンEの抗がん活性なのか、
これがわかっていませんでした。
今回、Aktという酵素を阻害することがその機序である、
という報告が出たわけです。
機序が解明されたことで、
ビタミンEサプリメントを売る業界は勢いづく可能性がありますが
ちょっと待て、そううまくはいかないよ、
という指摘がされていますね。
サプリでは抗がん活性は期待できない、と
2つの理由が挙げられています。
ビタミンEでがん予防、
と宣伝しているサイトはたくさんあると思います。
信頼できるサイトかどうかを見分けるポイントは
1:抗酸化の効能を言っているサイトは信頼できない。
ビタミンEの抗がん作用は、抗酸化作用ではないのです。
2:ガンマ トコフェロールに言及していないサイトは信頼できない。
抗がん活性が期待できるのはアルファ トコフェロールではない、
ということなのです。
ま、
ビタミンEサプリでは癌は予防できない、
といのが結論なんです。
その理由も今回解明された、ということになります。
期待と逆に、ビタミンEで発がん率が上がる、という報告も出てきていますよ。
(癌の種類によりますが)
utn> alt=”広島ブログ” style=”border:0;width:150px;height:30px;”>
★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。
コメントを残す