広島市優良技能者表彰
月曜日、11月14日は 広島市優良技能者表彰式がありました。
当院の山縣看護師が 表彰されました。
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広島市優良技能表彰は、永く同一の職業に従事し、技能の錬磨や後進の育成などに努めておられる優秀な技能者を讃えることにより、技能の継承及び振興を図り、もって地域経済の活性化を図ることを目的としています。
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昔は、肝臓疾患の方に強ミノCの注射/点滴などが 頻回に行われておりました。
しかし、注射を繰り返すにつれ、しだいに血管が浮かなくなり、採血/注射/点滴は難しくなってきます。
当院の山縣看護師の採血/注射/点滴の腕前は抜群でありまして、
「病院では何度も失敗し、看護師が何人も交代して やっと注射するのに、ここでは一発でしてくれる」と
患者さんからの評判・信頼は非常に高いものがあります。
いまは、当院は在宅診療中心にシフトしているということもありますし、
少々のことでは点滴や注射はおこなわない時代となっておりますので
そんなに採血/注射/点滴が おこなわれることはありませんが、
当院を支えてきた、当院の誇る人材であることは 間違いありません。
このたび広島市優良技能表彰を受けたということを 当院一同 大変よろこばしく、誇らしく思っております。
さて、昨日の大ニュースは(私どもの業界にとって)
医療機関の集約検討 新病院構想 新たに「中電病院」も検討 広島
RCC 2022/11/15
https://news.yahoo.co.jp/articles/30c5d4a48eeb477551ce3cac3d941e3298862e49
というニュースでした。
県病院をエキキタに移転し、JR病院と合体した新病院とする、という構想は すでに発表されておりました。
それに 中電病院が加わる、
舟入病院や土谷総合病院の小児科機能も加わる、というものです。
当方は これまで 何度も 「広島の救急医療体制を整備するためには、中小病院の合併・大型化が必要である」と 主張してきております。
それに沿った展望ですので、 そうなって欲しいと願っているところです。
中国新聞が特ダネ報道したものですから、昨日の中電病院は ハチの巣をつついたような大騒ぎになっていたらしいですよ。
基本的な内容を3つ おさらいしておきます。
1:人数の少ない病院では 夜間・休日の救急を回すのは無理である、ということ。
たとえば 医師が3名しかいない病院で、救急医療に対応しようと思えば、1名あたり夜間救急当番を月10回 やることになります。
それは無理だ、と 御理解いただけますよね?
週40時間労働として計算すれば、どうやっても3人では不可能なんですよ。計算してみてください。
医師が15名いる病院だと、夜間救急当番は月2回ですみます、これなら可能かもしれないですね。
で、
内科系だけでなく、外科系の救急患者も来るかもしれません。
そうなると、 医師数は倍の30名必要となります。
緊急検査(胃カメラなど)、緊急手術などに対応できる「待機当番」も必要ですから
「充分な夜間救急体制」を組もうと思えば 最低でもこの倍、60名の医師は必要だ、ということになります。
私が勤務していた当時の広島総合病院では、内科系・外科系・救急科の3名体制で夜間救急対応をしておりました。
そうなると 最低90名は必要だ、ということになります。
実際にみてみると
広島総合病院は531床、医師数137名となっています。仮定どおりの数です。
医師数が15-20名程度の小規模・中規模病院が3-4個あっても 救急には役に立たない、ダメだ、ということなんです。
2:とくに産婦人科領域は崩壊している。
上記のように 夜間救急に対応しようと思えば、医師数が必要です。
産科医が2-3名しかいない病院では 夜間当番の負担が大きすぎて、無理なのです。
それが顕著なのが 産科と小児科です。
産科医師が減少してきたため、広島圏域では すでに産科の統合がすすみました。
出産可能な病院数をしぼりこみ、 そこに医師を集めたのです。(当ブログでも御紹介ずみ)
また、小児科もピンチです、小児科医も足りません。
出産病院であれば、未熟児や新生児に対応することも必要です。
産科と新生児センターをあわせもつ大型の基幹病院に機能を集約するのは 当然の流れです。
3:県病院は 現在の立地では 災害時に役立たない。
広島県が 東南海地震を想定して、津波高潮浸水想定図というのを 策定しました。
(ぜひ 御自分のおすまいを 検索してみてください)
それによると 県病院近辺は4メートル程度の浸水エリアとなっています。
浸水すれば 当然 停電します。
非常用電源があるにしても 何時間も何日も機能が発揮できるわけではありません。
また、海水による浸水・停電ですから、再通電は出来ません。
水が引き、新たな電源システムを構築するまでは 県病院は稼働できない、ということなのです。
県病院は「災害拠点病院」です。
大規模災害時の 最前線の働き、および最後の砦、という役割が期待されます。
ところが、浸水・停電で 「災害時に災害拠点病院が稼働できない」というブラックジョークのような状況下にあるのです。
ですから、何百億円かかろうと、県病院は 一日も早く「浸水予想区域の外」に移転せねばならないのです。
それがエキキタである、ということです。
エキキタならば 津波浸水は30㎝未満と予測されておりますので
コンセントの位置さえ配慮しておけば 停電にならずにすむ可能性が高いです。
本来であれば、エキキタ新病院に 逓信病院も合流すればよかったと思いますが、
すでに民間に売却されてしまいました。
郵政省による「損切り」がおこなわれたのです。
巨大民間病院グループの一員となりましたので、いまさらの合流はむずかしいでしょう。
先のニュース記事では
広島記念病院と吉島病院が統合、と書かれていました。
経営母体が同じなので、可能です(国家公務員共済組合連合会)。
でも、この2病院が統合したところで、中規模病院が増えるだけにすぎません。
この2つの病院とも エキキタ新病院に合流する、というのが 良いのではないか と個人的には思います。
金の牡蠣、銀の牡蠣。 贈答用によいです。
試食してみましたが、とてもオイシイ!
【業務連絡】医師募集
病院の合併・統合などは、 働く人間 個々の想いを超えた部分での話となります。
もう病院は辞めよう、と思われることがありましたなら
ぜひ当院にも御相談ください。
お話を聞かせてください。
在宅診療という 新しい世界で 一緒に働きませんか?
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