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心に残る出会い120 好きなことだけやってきたNさん

2019年11月24日  

毎月、最終 日曜日は 心に残る出会いです。

Nさんは70歳。
脊柱管狭窄症や腰椎ヘルニアで ほとんど歩けなくなっていました。
肺癌の手術を受けていたのですが、その後 再発し、
放射線治療を受けましたが、癌を制御することは出来ませんでした。

放射線肺臓炎をおこし 在宅酸素も必要な状態となっておりました。
そのため、通院などで外出するためには エレベータが必要です。
ところが
生活保護費が減額になり、もとのアパートには住めなくなり
担当者が探して探して、当院の近所にようやくエレベーター付きの転居先が決まったのでした。
御自宅で私たちのはじめての出会いです。

Nさんは、これまで好きなことだけやってきた、好きなように生きてきた、
と語っておられました。
どれくらい好きなように生きてきたか、というと。
御家族には全員 縁を切られています。
入院しても入院ルールを守ることはしません。
そのため同室者やその御家族としばしばケンカになりますし、
病院職員の言うことも守らず、
ついに病院からは 二度と入院は出来ませんよ、と念をおされて退院しているのでした。
御本人も、もう何かあっても病院には行かない、最期までここで、と希望されているのでした。

癌はしだいに進行していきます。
痛みに対してはオピオイドでコントロールは良好でした。
しかし、息切れがどんどん悪化していきます。
酸素吸入の必要量が増えていき、
酸素濃縮器が3リットル機、5リットル機、そして7リットル機に
変更になっていきました。

じつは小心者でもあったNさん。
濃縮機は7リットルまでしか ないんじゃろ?
と不安を口にされました。
いやいや、酸素チューブのほかに酸素マスク、リザーバー付きマスクというのもあり
まだまだ酸素供給の限界ということではありませんよ。
トイレ時など 酸素量をいったん最大まで増量していいですからね。

しかしNさんは
(酸素量に)「もうこの上はない」と思い込まれて、
上限まで流量を上げようとはされません。
これ以上が必要になった時に困るじゃろ、と。
息切れがしても がまんをしておられたのです。
その状態で無理して動くと、いつ倒れても不思議ではありませんよ。
と説明はしますが、
しかし人の言うことは もちろん聞いてはくれません。

ある日、ヘルパーさんが訪室してみると
トイレから出た状態で Nさんは倒れて冷たくなっている状況で発見されました。
当方が呼ばれて、御自宅での死亡確認となったのでした。

Nさん、本当に 思うように生きられたのでしょうね。
まあ、そういうのもアリでしょうかね。

 

【酸素についての解説】
心臓や肺が悪い場合、体を動かすと息切れがします。
酸素吸入をすれば楽に動ける場合もあります。
(息切れの全員が 酸素吸入の適用になるとは限りません。)
酸素を増やしてよい疾患が多いですが、
なかにはCOPDなど 「ここまでしか増やしてはいけない」と制限される疾患もあります。
そこは医師の指示をしっかり守ることが必要です。
放射線肺臓炎というのは、酸素量は必要であればどこまでも増やしてよい疾患です。

酸素量が不足している状態で動くと
じつは心臓に大きな負担が生じます。
心臓が限界を超えると、急死・突然死となってしまいます。
トイレというのは かなり体への負担が大きいので
「トイレに移動する前から 酸素をしっかり吸ってください、酸素量を一時的に上げておいてください。落ち着いてから元の量に戻せばいいですから。」と指導する場合も多いです。
しかし、その指導を守ってくれる人ばかりではありません。
酸素を吸わずに(酸素チューブをはずして)トイレに行ったりする方も多いです。
トイレに行き、下着をおろしたままの状態で倒れ、発見される、
という事例は 実は珍しくないのです。

酸素については、過度に心配することなく、かといって過度に安心することなく、
担当医の指示をよく守ること、が基本なんです。

 

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