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心に残る出会い87 皮膚科に何度もお世話になったSさん

2016年11月27日  

毎月、最終日曜日は心に残る出会いです。

Sさんは97歳。
大腿骨骨折をおこし手術を受けましたが
家に帰りたい一心でリハビリをがんばり、
ついに念願かない家に帰れることになりました。
御家族から訪問診療の依頼があって、当方のはじめての出会いです。

家に帰ってきて、食事もとれる、痛い所はない。
それは良かったですね。
でも、
全身を診察してみると
頭や足に フケのようなものがたくさん見られます。
(=落屑=らくせつ=と呼びます。)
とても痒いのだ、と。
足は水虫だと思いますが、頭にもあるので皮膚科に往診を依頼しましょう。

皮膚科の診察結果は、やはり足は水虫でした。
頭は水虫ではなく、別な塗り薬が処方されました。
治療の結果は、バッチリ!
どちらの病変も非常に良くなり、本人・御家族も喜んだことでした。

3ヶ月くらいすると、足にむくみが出てきました。
そのうち、動作で息切れも生じてきます。
おそらく心不全でしょう。
利尿剤などで治療を強化しても、なかなか改善がみられません。
病院の循環器科に1ヶ月ほど入院となり、診断はやはり心不全。
薬を調整していただき、しんどくない状態で退院することが出来ました。
目安はむくみと体重で、
体重が○kgを超えれば ただちに利尿剤を上乗せしてください、
そういう指導で家に帰ってきたのでした。

その後も むくみや体重は 増えたり減ったりで推移します。

100歳を超えると、むくみは悪化することが多くなりました。
利尿剤を増やしても、もうあまり改善がえられません。
息苦しさに対しては在宅酸素を導入します。
次第に食欲も落ちてきましたが、
本人も御家族も 入院は希望されません。
このまま家で、最期まで。

何か食べたい物はありませんか?
寿司が好き。
じゃあ、ということで御家族に用意していただき、
8カン食べられたこともありました。

徐々に血圧も低下しはじめ
それから1週間後 Sさんは静かに御自宅でお亡くなりになりました。

Sさん、湿疹をひっかいて悪化させたり、長引いたり。
あるいは血管腫が出現したり。
ずいぶん皮膚科の先生の往診に助けていただきましたね。

最近飲んだ日本酒
羽根屋 純米大吟醸50翼。富山のお酒です。
きめこまやかで、とてもおいしい。
P1050741.JPG広島ブログ
★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

大野和士、萩原麻未 夢の競演
12月3日(土)です。
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