救急車を受け入れてくれる病院
昨日は中区、西区でも雪が舞いました。
今朝は屋根の上に霜が降りています。
寒いです。
さて、
最近、私の身近な人が交通事故にあいました。
幸いに軽症、1泊入院ですんで、現在も通院中ですけれども。
救急車が来てから病院に運ばれるまで1時間かかったそうです。
本日のお勉強は 救急車を受け入れる病院
写真はサイオトに行く途中の 赤い橋。
王泊の水面が全面凍っています。見事です。
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本日のお勉強
救急車を受け入れてくれる病院
事故や急病のとき、
救急車で運ばないといけない場合があります。
でも、受け入れ先の病院が 「いいですよ、来て下さい」
と言わなければ、救急車はその病院に行けません。
勝手に行くわけにいかないのです。
そりゃ、そうですよね。
もし仮に、今すでに救急車が2台来て現場が手一杯であれば、
3台目の救急車依頼はお断りするしかないでしょうし、
話を聞くだけで「入院が必要だな」と思われる状況であれば
入院ベッドの空きがなければ引き受けできません。
(これに関しては、今では広島市の場合だと、
3カ所の救急受け入れ先に引き受け困難と回答されたなら、
広島市民病院が救急車をいったん引き受けて診察し、
入院が必要と判断されれば市民病院が入院先の病院を探す、
という方式になっています。
何十カ所も受け入れ困難、という状況がおこらない「はず」なのです。
でも、実際には救急隊が1時間近く受け入れ病院を探す状況は
私の身近でも発生していますけれども。)
そういうわけで
大きな病院だから救急車を引き受けてもらえるだろう、
とは簡単にはいかないのです。
救急車による入院患者数の全国実績が発表されています。
(DPC病院の統計。大病院の統計と考えていいです)。
2009年後半の6ヶ月間の統計ですが、
件数1位は福岡県 聖マリア病院で1818件(ベッド数1354床)
2位も福岡県で 飯塚病院 1734件(1116床)
福岡県はすごいですね。
このクラスの病院は、毎日、救急車で10人程度の入院がある、という計算になります。
中国地方ではTOP20に岡山県 倉敷中央病院が5位に顔を出しています。
1567件(1151床)。
20位までに広島県は出てきません。
救急車を受け入れるためには
集中治療室のベッドが空いていなければいけません。
ということは
集中治療室の患者が改善してくれば、早く一般病棟に移さなければいけません。
一般病棟に移すためには、一般病床の空きがなければいけません。
一般病床に空きを作る、ということは
1:入院期間を非常に短縮し、早く退院してもらう。
2:後方病院・リハビリ病院と連携し、早く転院してもらう。
の2つしか方法がありません。
この2つとも、簡単に出来ることではありません。
救急車を多く引き受ける病院は、それだけの努力をしている、ということです。
「だいぶ良くなってきたから、そろそろ退院しましょう」、
と言われた時に
「いや、まだ心配だからもう少し入院させてください」
と答えたくなりますが、
でも、入院ベッドを空けないと、次の救急車が受け入れできません。
また、
「急性期治療は終了ですが、リハビリが必要ですので転院しましょう」、
と言われることもあります。
やはりベッドを空けないと、次の人の入院ができません。
空きベッドがないと、救急車を断ることになるのです。
そろそろ退院を、とか、転院を、と言われたら
できるだけわがまま言わずに退院・転院をお願いします。
もうひとつの解決策は、急性期病院を大きくすることです。
「1つだけでいいので空きベッドがないか?」
という時に、
ベッド数の多い巨大病院のほうが空きを見つけやすいのです。
つまり、ベッド数の大きい病院のほうが救急車を受け入れられる可能性が高くなる。
実際に統計を見ても、
救急入院の上位には1000床以上の巨大病院がずらりと並んでいます。
救急医や看護師の24時間勤務ローテーションを組むのも
従業員数の多い病院のほうがやりやすい。
人数の少ない病院では、救急をやるのは無理があるのです。
広島でも1000床クラスの病院にすべきでしょう。
(広島市民病院や県病院で700床ちょっとです。)
中小病院は広島市民病院や県病院に統廃合するのが良策だと思われます。
救急医療に役立っていない中小規模の公立病院・公的病院が
広島市内に数カ所あるのです。
1000床規模の病院が1つでもあれば、広島の救急事情はかなり改善しますよ。
今回の文献:救急統計2009 済生会熊本病院発行
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