重症喘息の新しい治療薬
今回御紹介するのは重症喘息に対する注射薬です。
本日のお勉強
喘息の最新治療 3:抗IgE療法
アレルギーの臨床 2009年11月号
帝京大学医学部 呼吸器・アレルギー 山口正雄 先生
要点
1型アレルギーで、抗原を結合するIgEを治療標的とする考え方は理解しやすい。
生物学的製剤 抗IgE抗体が欧米に続き日本でも使用可能となった。
重症喘息の治療で重要な位置づけになると期待される。
生物学的製剤、とくに抗体による治療法は、
すでにリウマチや一部の悪性腫瘍で実用化されています。
これが喘息分野でも開発されてきた、ということです。
平成21年7月から保険適用となりました。
商品名は ゾレア です。
適用は重症の気管支喘息に限られます。
(アトピー性皮膚炎や花粉症は対象ではありません)。
副作用としてはアナフィラキシー(0.2%程度)など。
また、寄生虫感染発症リスクが少し高まる可能性があるようです。
重症喘息、なおりにくい喘息の人は
呼吸器内科またはアレルギー専門医を受診して御相談ください。
当院院長は日本呼吸器学会専門医・日本アレルギー学会専門医です。
(適用となる条件は細かく決められていて、
重症喘息の全員が対象となるわけではありません)
ハローキティ展、広島そごうで開催中。
2月8日まで(? 記憶が確かでありません)です。
★新型インフルエンザ情報
目立つニュースはないので、新型インフルエンザのおさらいをします。
これまで新型インフルエンザとしては、
高病原性トリインフルエンザH5N1が変異してヒトに流行するものが想定されており、
これは非常に死亡率の高いものである。
各種マニュアルも、この死亡率の高い新型インフルを想定していた。
2009年3月くらいから全世界で流行中のものは、
新型インフルと呼ばれているが、このH5N1とはまったく別物である。
(ここをちゃんと理解していない人が混乱の原因となった)。
確かに新型のH1N1であり、小児などへの大流行はおこすが、
病原性の強さは季節性並みと考えられる。
ただし、高齢者や持病のある人は重症化、死亡の危険性は高い。
新型である以上、人口の大半に感染し終わるまでは流行が続くと思われる。
・その後は定着し、季節性インフルの1種となる可能性が高い。
・同じH1N1(これまでのAソ連型)を駆逐する可能性がある。
(Aソ連型は、ほぼ全部がタミフル耐性となっていたので、
人類にとっては新型H1N1の出現のほうが良いことかもしれない)
・これまでのインフルエンザと違い、気温が少し高めのほうが流行しやすい可能性がある。
(流行季節が冬とは限らない可能性がある)
・毒性が強くなるかも、という説には 今のところ証拠がない。
高病原性トリインフルエンザH5N1は、
インド、イスラエル、ベトナムほかでトリの間で発生(大量死)が続いている。
現在もエジプト、インドネシアなどでトリ→ヒトへの感染が続いている。
エジプトでの死亡率は低くなっているが、他の国では死亡率は相変わらず高い。
いつ新型インフルが発生してもおかしくない、そうなると大変、万全の準備が必要だ、
なんて言っていたけど、
新型っていってもたいしたことなかったね、
というのは間違いだ。
H5N1は消滅してはおらず、病原性も弱くなっていはいない。
専門家は、高病原性トリインフルエンザH5N1への監視をゆるめてはいない。
そこから新型インフルが発生する危険性は減ってはいない。
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