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インフルエンザはすぐ治らない

2011年01月26日  

先日の患者さん。
前の日に某医院でインフルエンザA型と診断され
治療薬を処方し治療を開始しています。
で、翌日になっても熱が下がらない治らない、
といって来院されました。

インフルエンザは、抗インフルエンザ薬を使用したから、といって
1日で治るような病気ではありません。
インフルエンザは4~5日間程度 高熱など症状が続きますが、
抗インフルエンザ薬の効果は発熱期間を1日程度短縮する、という程度です。
つまり
抗インフルエンザ薬の効果があったとしても、
2~3日は熱が続いてもそれは珍しくない、
というか 当たり前のことなんです。

インフルエンザの特効薬、という報道がなされていますが、
特効薬というからには一発でスカッと治る、
とは思わないでくださいね。

安静にして、水分をしっかりとって休んでください。
もし治療をしているにもかかわらず息苦しくなるとか、
顔色が悪くなる、などがあれば話は別で
重症化が疑われる場合には病院への受診が必要となります。
(重症化が疑われる場合にはクリニックでは無理です)

本日のお勉強は
癌患者に小腸転移・小腸穿孔があったら、どうなるか、というお話。

昨日は緩和ケア薬剤師の所属する合唱グループの
練習と新年会でした。
県民文化センター1階のイタリア料理 il vento
新しくオープンした店です。落合 務 プロデュース。
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★インフルエンザ情報
広島市では25日に中区で1校の学級閉鎖が出ています。
24日付けの南区で1校の学年閉鎖が遅れて報告されています。

本日のお勉強
当院における小腸穿孔症例の臨床的特徴
広島医学 2010年10月号
JA広島総合病院 外科 桒田 亜希 先生ほか
要点
4年間で消化管穿孔手術例は125例、
そのうち小腸穿孔は20例だった。
外因性(異物、交通外傷)4例、内因性(腸疾患、悪性腫瘍など)16例。
このうち5例が悪性腫瘍によるものであった。
(肺癌小腸転移が2例。私の担当した患者さんも含まれています)。
この5例が死亡退院となった。

癌(悪性腫瘍)の全身転移の一部として、小腸や周辺に転移することがあります。
腸管穿孔したら、腹膜炎をおこしてしまいますので
できるだけ早く緊急検査・緊急手術をする、というのが鉄則ですが、
もとが悪性腫瘍だと穿孔を手術しても結局は助からない。
一時的なQOLの改善は期待できますが
それでも人工肛門(小腸瘻)を作成するしかないことが多いようです。
これは精神的にもダメージは大きいです。
しかも回復し退院までもっていくことが難しい、
となれば、
手術したほうがよいのかどうか・・・。
でも、手術しないと腹膜炎をおこして数日以内に亡くなられるのはほぼ確実だし・・・。
判断はむずかしいということになりますね。

手術によって苦痛の時間を長くするだけではないのか・・・。
判断は、むずかしいです。

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