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医学部の地域枠、16大学定員割れ…読売調査

2010年08月21日  

初盆やら広島星まつりやらで忙しかったため
「本日のお勉強」が停滞しておりました。
一息ついてきたので、お勉強再開です。

地方の医療崩壊の解消策として
地元に残ってくれる医師を増やそう、という目的で
地元出身高校生の合格枠を別に用意し奨学金制度も用意、
そのかわり卒業後 数年の地域勤務を義務づける、
というのが地域枠です。
これだけ至れり尽くせりの制度を用意しても
地域枠が欠員になる大学がみられている、という記事です。
(じつは、あまり至れり尽くせり、というほどの内容ではないので
そのため人気がない、とも言えるのですが
それについては また別の日に)。

以下、記事を紹介します。
***
地域の医師不足解消を目的に、ここ数年急増した医学部の地域枠が、16大学で2010年度、定員割れだったことが読売新聞の調べでわかった。
地域枠全体の定員から見ると9割以上確保できたが、地域によって明暗が分かれた。

地域枠は主に、地元出身者を対象に推薦などで選抜し、奨学金と引き換えに一定期間の地域勤務を義務づける場合が多い。
(中略)
長崎大では5人の地域枠に3人しか志願がなく、合格者はゼロ。
宮崎大では10人の枠に24人が志願したが、センター試験の成績が合格ラインに達せず、合格者は2人だった。
定員通りの合格者を出したが、入学を辞退され結果としてゼロという大学があったほか、定員には達したものの、合格後に奨学金を辞退した例のあった大学が複数あった。

入学定員(約110人)の半分近くを地域枠に充てている旭川医大は、募集50人に合格者は22人だった。吉田晃敏学長は「地域枠は、地元の学生を大切にしているメッセージとして意義がある。今後も続けたい」と、11年度から合格基準を引き下げて確保に努める考えだ。
(以下、略)
(2010年8月17日 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=29485
***引用終わり***

以上の記事からは2つ、大きな問題が指摘できます。
1:合格後に奨学金辞退、というのは、
合格点の低い地域枠を「合格」のためだけに利用している者がいる、ということです。
最初から地域医療をおこなうつもりは全くない。
合格のためなら何でもやる、そういう考えの者が医師としてふさわしいとは思えません。
奨学金を辞退した時点で、さかのぼって入学取り消し、
あるいは受験取り消し(出願規定違反ですから)とすべきでしょう。
こんな人間には医師になってもらわないほうが社会のためです。
でも、入学してしまえば、本人が話さないかぎり
誰が地域枠で誰が地域枠辞退組か、などというのは
誰にもわからないんですよ。

2:地域枠の合格点が低い、
ということも問題がありますが、
それをさらに引き下げるという動きがあるのも問題です。
なにも学業成績、ペーパーテストだけが医師の適性試験とは思いませんが、
成績の悪い者は国家試験不合格という結果が待っていることになります。
国家試験合格率が低い大学は、受験生に敬遠されることになります。
つまり、入学ラインを一度下げると、めぐりめぐって悪循環に陥る可能性があります。
結局、不人気大学になってしまうでしょうし、
地域医療レベルそのものが低下してくることも懸念されます。

 

もっと魅力ある大学、
もっと魅力ある地域になれば
自然に解消される問題だと考えます。
しっかりした研修ができる環境を整えること、
実力ある医師を養成するプログラムを整えること、
そして中堅クラス・指導者クラスになれば
それに見合うだけの働きがいのある職場環境を整えること。

これにつきると思うんですけどね。

昨日の写真説明が間違っていました。
昨日は フィアット 500
映画「ルパン3世 カリオストロの城」(1979)
申し訳ございませんでした。
本日の写真がシトロエン2CVです。
P1120769.JPG
★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

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