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心に残る出会い103 薬を飲み込めなくなったNさん

2018年03月25日  

暖かいですね。
数日前 つぼみしかなかった吉島公園の桜が
昨日はもう2分咲きになっていました。
花見している人もいました。
今日も公園に行きましょうかね。
花粉症対策はしっかりしていきましょう。
スベスベ素材(薄手のウインドブレーカー等)がいいですよ。

毎月 最終日曜日は 心に残る出会いです。

Nさんは75歳。
肺癌でH病院で治療を受けていましたが、
癌が食道に浸潤し、食べること、薬を飲むことが全く出来なくなりました。
高カロリー輸液用のポートを埋込みして退院です。
退院後に御自宅で私たちのはじめての出会いです。
病院への定期通院は続け、そこで検査は受けますが
症状への対応は訪問診療のほうがきめ細かくできますので
薬の処方や変更は当院が担当します。
病院に通いながら在宅医療も受ける、ということも 可能です。
在宅医療だと病院とは縁が切れる、どちらかを選びなさい、ということではないのです。

高カロリー輸液は、毎日夕方 訪問看護さんが接続に来て、
朝になったら御家族がはずす、という やり方となりました。
これだと点滴につながれずに昼は自由に動けます。

お部屋に、山で撮影した写真が飾ってありました。
会社では 工作機械の神様と言われるくらいの腕前で
定年後もあちこち指導を頼まれて出かけた。
海外にも指導に出かけた。
山が好きで、登ったり写真を撮ったりしてきた。
まだ技術指導も頼まれているんだけど、もう行けないなあ・・・。

内服薬が使えませんので、
治療は貼り薬、坐薬、注射で何とか工夫します。
時に血痰が出ることもあり、止血剤も注射薬で使用します。

ある日、高熱が出てきました。
あまりに高い熱ですので、高カロリー輸液用のポート・チューブによる細菌感染症かもしれません。
もし そうであれば、ポート等の抜去をしなければいけない可能性もあります。
強力な治療や詳しい検査が必要です。
その場でH病院に連絡したところ、すぐ来て下さい、と。
緊急で入院していただきました。
Nさんが言うには
入院手配したところまでは覚えているが、あとの数日間は記憶がない、と。
よほどしんどかったんですね。

2週間ほどで退院して また御自宅に戻られました。
やはり時々は発熱、血痰。そして痛みのコントロールが続きます。
Nさんは、最初の退院の段階では緩和ケア病棟に申込をして退院していたのですが
いまでは もう入院の意思はありません。
おそれていたような痛みで苦しむことは ないからです。
在宅酸素の状態になっても、もう入院ではなくずっと家にいる、と希望されました。

出会いからおよそ5ヶ月。
Nさんは静かに御自宅で亡くなられました。

Nさん、あちこちで指導した技術が 受け継がれ発展しているといいですね。

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