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心に残る出会い107 パチンコに行けたKさん

2018年07月29日  

台風は広島エリア直撃です。
18時には北九州付近に抜けるようです。
その頃までには風は弱まると思いますが
雨はどれだけ降るか予測が難しいので
用心しましょう

さて、
毎月最終日曜日は心に残る出会いです。

Kさんは67歳。
腸の癌で手術を受けたのですが、
その後 リンパ節転移や腹膜転移が生じてきました。
抗癌剤の効果がなくなり、腸閉塞となったため腸にステントを入れたりしておりました。
しかしステントの前後で癌による閉塞が生じてきたため
経口摂取はあきらめ中心静脈栄養となったのでした。

Kさんは、パチンコが趣味でした。
退院したい。
どうしてもパチンコに行きたい。
そのためには、自宅で輸液バッグを交換したりせねばなりません。
奥さんは気が弱く、ただオロオロされているだけ、でしたので
Kさんの在宅療養の力には なれそうにありません。
そのため、必要と思われる手技は Kさんが御自分で習い、身につけての退院です。
帰れるのは今しかない、退院は急がねばなりません。
退院前カンファレンスで 私たちのはじめての出会いです。
訪問看護師などといっしょに、入浴の手順・手配、
点滴ルート交換の手順などを確認しての退院です。

輸液は、夕方から朝にかけて、つまり夜間におこなうこととなりました。
これだと昼間に近くのパチンコ屋に行くことが出来ます。
入浴する時には針を抜けば、肩まで入浴することも出来ます。
こういうやり方も 希望されれば可能です。

ステント部分は 完全に閉塞してしまったわけではないので
しばらくは自宅で生活できるでしょう。
しかし、近いうちに完全閉塞してしまうと 入院するしかないでしょう。
病院の担当医からそのように説明され、御本人も覚悟しての在宅生活でした。
その日は、思ったより早く来ました。
退院から10日後に、腹痛と 繰り返す嘔吐です。
Kさんは病院に再入院し、イレウス管を装着となりましたが
それから2週間後に 病院でお亡くなりになりました。

Kさん、後日 退院支援部門の方とも話をしたのですが、
短い時間ではあっても 家に帰ってパチンコも出来て よかったですね。

高カロリー輸液は、ポンプを使ってゆっくりと点滴することが基本です。
通常でしたら、24時間かけて点滴し、交換していきます。
でも、24時間 チューブにつながれっぱなし、というのは イヤですよね。
夜はチューブをはずして ゆっくり眠りたい、という御希望の方もおられるでしょう。
逆に、昼は点滴をはずして動きたい外出したい、夜寝ている時間帯に点滴してほしい、という御希望の方もおられるでしょう。
入浴は点滴をはずして肩までしっかりつかりたい、という方もおられるでしょう。
どうぞ御希望を私たち在宅チームにお伝えください。
御希望にそった解決策を みんなで考えていくことが出来ますよ。

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トミカ
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