ブログ

肝炎のお話その3 B型肝炎

2011年01月21日  

昨日は用事があって竜王公園付近に行きましたが、
道路や山に雪は残っていませんでした。
ビビリながら行ったのですが、良かった良かった。

B型肝炎ですが、
昨日のC型肝炎と少し違うことがあります。

C型肝炎と同じような内容としては
・血液を介して感染する
・輸血、針刺し事故、入れ墨ピアス麻薬覚醒剤の回し打ちが原因となりうる
・慢性肝炎から肝硬変・肝臓癌に進展することがある
・インターフェロン治療などがある

C型肝炎と違うことは、
・感染力が強いこと
・劇症化して死亡することがあること
・母子感染が重要であること
・ワクチンがあること
子宮頸がん予防ワクチンを推進している人の中には
初の癌予防ワクチン、なんて言っている人がいるそうですが
B型肝炎ワクチンは癌予防ワクチンであり、もう何十年も前から実用化されています。

母子感染については、
私は主治医ではなかったのですが、かつての勤務病院で経験した例は
40歳くらいの母親と15歳くらいの子どもさんが、ほぼ同時に肝臓癌になり
あっという間にほぼ同時に亡くなられた、というケースがありました。
母子ともに同じウィルスなので、同じ時に発がんスイッチが入ったのでしょう、
としか考えられない例でした。
こんな、悲しい例もあります。

感染力が強く、劇症肝炎になることがありますので
医療関係者はB型肝炎の検査をして
抗体のない人はワクチンを受けるようになっています。
従業員の健康管理ということで病院の全額費用負担です。
劇症肝炎がこわいので、該当者はほぼ全員ワクチンを受けていると思います。

感染力が強い、というのは
たとえば性感染症でもある、ということです。
B型肝炎が性感染症の一つであることは医師ならみんな知っています。
HIV感染(エイズウィルス)を疑うきっかけとしては
梅毒など性感染症患者であることが挙げられますが
B型肝炎を見れば疑いを持って問診をする、ということになります。
(HIV感染も早く見つけてあげることができれば本人のためになりますので)

C型肝炎は感染力が強くはないので
針刺し事故、入れ墨ピアス、麻薬覚醒剤の回し打ちなど
ウィルスに感染した血液が注射針で直接体内に入るくらいでないと感染しません。
もしそうしたことに思い当たらないならば
予防接種が原因でしょうかね・・・、ということになります。
予防接種が原因とすれば、患者が多発する地域があるはずですが、
実際に広島県内には
「あそこの地域にはC型肝炎多いよね~」
という地域があります。
患者ごとに注射針を替える、ということをしないのであれば
C型肝炎以外の病気も可能性があることになりますが、
実際にその地域では 関節結核 が多発したことがあります。
関節結核なんていうのは非常に珍しい病気なのですが、
関節注射を受けた人に多発しちゃったわけです。
あまりに珍しいので、あの地区、あの医院、あの医師、まで特定がすすみました。
注射針を替えないとどうなるか、ということの悲しい結果を体験してしまうことになりました。

でも、B型肝炎については、そのような話は明らかではない、と思います。
夫婦間でも、買春ツアーでも、同性間でも、感染することはありうる。
あるいは、どうにも感染経路が思い当たらない、という場合もありうる。
そう考えると
B型肝炎の原因が 予防接種の注射針が原因である、
と言い切ることは困難であることがわかります。
もちろん、予防接種が原因である方については、
大変お気の毒なことではあるのですが、
一人一人のB型肝炎の感染原因を探ることには 意味があるとは思えません。
どんな原因であれ、区別せず救済する方法を目指すべきでしょう。
そのためには、個別の補償金、和解金という方法がベストなのか??
感染経路によって差をつけることに意味があるのだろうか??

で、
違和感があるのは
B型肝炎訴訟原告のなかに
キャリアの方の心情を考慮して・・・・
という内容のことを言っている方がおられるようだからです。
要するに、もっと金額を増やせ、ということだろうと思います。
キャリアというのは、B型肝炎ウィルスを体内にずっと持ち続けている人のことです。
現在では、キャリアになるのは母子感染がほとんど、とされています。
つまり
対策として重要で急がれるのは
キャリアをいかに減らすか、
母子感染をいかに減らすか、
ということにあるのだと思います。
補償金という形で現在の患者・感染者に現金を支給するということを目標にするのではなく、
・医療費の補助(検査費用やインターフェロン治療などの医療費。原因は問わない。)
・B型ワクチンの無料化、新生児への全員接種
を政府に求めるべきではないのか?
と思っているのです。

とくにワクチンを知らない・受けていない人がないようにすべきです。
多くの国では、新生児にB型肝炎ワクチンをおこなっています。
和解がどうなるのか、注目したいと思っています。

全国B型肝炎 九州訴訟弁護団のホームページ
特に全国のお母さん方、これからお母さんになる方々、ぜひ関心をもってください。
知ることから、はじめましょう。
http://www.hbvq.info/index.html

新年会のビンゴで当たったマエケン3冠記念ユニフォーム レプリカ。
手に入れられなかった物で、うれしいです。
P1140148.JPG
★インフルエンザ情報
広島市で20日に学級閉鎖新たに2校出ています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です