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心にのこる出会い167 気が優しい夫と暮らしていたIさん 

2023年11月26日  

広島刑務所で 矯正展を開催しています。
25日・26日の2日間です。
当方は 応援の意味も込めて いくつか購入しました。
写真の整理がすんでいないので、写真は後日に。
お時間のある方は 矯正展ぜひよろしくお願いいたします。
パトカー、救急車、消防車などにも 乗れますよ。
https://www.city.hiroshima.lg.jp/soshiki/44/359480.html

吉島公園のイチョウと桜、だいぶ葉が落ちてきました。
紅葉のみごろは 今日までですかねー。
イチョウは 木によって 違うようです。
今が見ごろの木も まだあります。

100メートル道路、NHK西側のイチョウは 3本のうち1本は葉が落ちましたが(枯れた?)、
残りの2本は見ごろとなっています。

吉島公園では 鳥の声が よく聞こえます。
紅葉を見ながら ベンチで のんびりするのも いいですね。
ちなみに
高速道路をドライブしていても 山から鳥の声がきこえないことも多いです。
聞けても 1山で1羽くらい、とか。
どうなっているんでしょうね。

 

さて、毎月 最終日曜日は 心に残る出会いです。

Iさんは70歳。
夫とともに暮らしていました。
麦焼酎が大好きで、アルコール依存になっていました。
飲むと食事を摂らないため 何度も入院を繰り返すようになってしまいました。
入退院で足腰が弱って歩けなくなっても それでも焼酎はやめられません。
夫をおこったり、おだてたり、必死で拝んだり・・・。
夫は断り切れずに 焼酎を買ってくるのでした。
気の弱い、やさしい夫でした。

そのうちに 理解力・記憶力も低下してきて、アルコール性認知症との診断が下されたのでした。
リハビリが必要だったのですが、リハビリに取り組むことは出来なくなっておりました。

あるとき、訪問診療医の変更ということで、当院に依頼がありました。
御自宅で私たちのはじめての出会いです。

Iさんは体を動かさないため、下肢はすでに固まって 動かなくなっておりました。
そのため、褥瘡も出来ていました。
訪問看護さんに しっかり処置をしてもらいます。
しかし、その後も食事とらず、水分もあまり飲まず、リハビリすすまず。
これではキズは治りません、褥瘡は改善しません。

ちょっと入院して 処置してキレイにしてもらって帰ってきては どうでしょうか?
なんども本人意志の確認をおこないましたが、病院には死んでも行かない、最期まで家にいる、とIさんの意志は明確でブレがありません。
夫も 子供さんたち御家族もIさんの決定を受け入れられました。
対応は、自宅で出来る範囲のことだけで。

じょじょに衰弱していって、3ヶ月後にIさんは御自宅で永眠されたのでした。
Iさん、もし早い段階で断酒できていれば・・・、とは 思いましたよ。

 

【解説】
本人の欲しがる物を与える、というのが よい結果になるとは 限りません。
超高齢者で どのみち もう長くは期待できない、という場合には
お好きな物を楽しまれていいですよ、という場合もありますが、
若い人の場合には まだ先が長いですので。
でも 本人にせがまれると 断り切れずに買ってきてしまう、というのも わかりますよねえ。
何が妥当なのかは この御夫婦が長年かけて築いてきた関係性の上で 判断するしか ありません。
他人がどうこう言える部分ではない状況だったのでしょう。

いろんな御家族、いろんな御夫婦が おられますね。
在宅ってのは、なんでもアリですねえ。面白いです。

 

今週の花

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