心に残る出会い138 最後に桜を見ることが出来たIさん
カープ、打撃は好調ですけどね。
今日はネバラスカス投手です、知らない投手ですね、応援しましょう!
さて、毎月 最終日曜日は 心に残る出会いです。
Iさんは66歳。
あるとき、食欲がなくなり、病院で精密検査を受けたところ 進行胃癌と判明し、抗癌剤治療が開始となりました。
1年ほど通院治療を継続した段階で、大量の吐血をおこしてしまいました。
緊急入院して胃カメラによる止血処置、輸血、絶食、止血剤の持続点滴投与です。
吐血の原因は癌の進行で、体力も相当 消耗し、衰弱が目立つ状況となってきました。
これ以上の抗がん剤治療は もう無理です。
新型コロナの状況下ですので、入院では御家族のお見舞い・付き添いが出来ません。
本人は「家に帰りたい、口から食べたい、一家団欒ですごしたい」、
御家族も「家でみてやりたい、本人の思うようにしてやりたい」、と希望されました。
そこで在宅医として当方に依頼があり、退院前カンファレンスで私たちの初めての出会いです。
食べると それが刺激になり、また出血するかもしれない。
現状についての説明が 病院担当医からおこなわれました。
しかし、本人・御家族の希望は 変わりありません。
翌日の退院決定、点滴終了。そして三分粥を試みることとなりました。
三分粥を食べても吐血はおこらず、無事に退院して御自宅に帰られました。
そこからは在宅チームが動きます。
食べたい、という希望については、夫が料理を担当しました。
三分粥では食べた気がしません。
ふつうの御飯(軟らかめ)にしてみましたが、大丈夫でした。
いろいろなおかずも食べてみることにして。
刺激物(辛い物、油こい物)だけは控えるように指導したのでした。
その次の訪問診療日。
おいしくて食べ過ぎて吐いちゃったのよ、とIさん。
3食にこだわらず、少量ずつ 何度も食べることにしていただきました。
一家団欒については。
子供さんが二人おられますが、毎日のように家で食卓を囲むことが出来ました。
仕事で夜おそく帰ってくることもありましたが、それでも お茶を飲んで話をしたり。
一家団欒ですごす時間をもつという希望も 実現できました。
さあ、ほかに やりたいことは?
Iさんは、家の回りを散歩したい、と言いました。
さっそくケアマネに伝えて、訪問リハビリを導入することにしました。
室内をつかまり歩行するのがやっと、という状態です。
Iさんに残された時間は少ないので、とりあえず 車いすで家のまわりを夫と散歩してもらうことにして、それは実現できました。
春でした。
Iさんたちは、近くの小学校の裏にある桜を 毎年 楽しみにしていました。
Iさんは すでに 座っているのもしんどくなってきていましたが、
夫が車いすを押して連れて行き、満開の桜を見ることが 出来ました。
その3日後、Iさんは御自宅で永眠されたのでした。
Iさん、一家団欒の時間がもてて、花見もできましたね。
子供さん達とも しっかり話が出来たでしょうか。
【解説】
「癌の末期なんて、家で看るなんて無理」、と言われる御家族もあります。
本人が いくら自宅生活を希望されても、家族が拒絶すれば 退院は不可能となってしまいます。
家に帰りたい、と言いながら亡くなられる方も いまだにおられます。
御家族が、「いいよ、帰りたいなら帰ろう」と言ってくれさえすれば 最期の時間を御自宅ですごすことは可能です。
「一家団欒の時間」というのは 何ものにも代えがたいものだろうと思います。
こころ穏やかにすごすのが 本人にも御家族にも いちばんよいと思うのです。
食事については、御自宅で、残された時間が少ない状況であれば
あれこれ制限する意味はないだろうと 私たちは考えます。
ほんの少量でも、「おいしい」、と笑顔で召し上がっていただければ幸せです。
セブンイレブン 苺のパフェ
コンビニのデザート、いいですね。
一般市民向け。
広島市 新型コロナウイルスワクチン接種会場・予約方法
https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/korona/217375.html
接種を受けるには接種券、および事前に予約が必要です。
広島市 新型コロナワクチン予約コールセンター
050-3644-7513
9時から17時。土日祝日も対応
***
どうしても電話で相談、という方は、相談窓口に電話してください。
医療機関に電話をかけないでください。
相談窓口(コールセンター)
新型コロナウイルスワクチンに関するお問合せは
広島県新型コロナウイルスワクチン接種コールセンター
082-513-2847
全日 24時間対応
・屋内ではマスクを着ける
・3密を避ける(特に職場での休憩時間や会食)
・こまめに手洗い・消毒をする
・換気をする
といった、基本的な感染対策について徹底しましょう。
よろしくお願い申し上げます。
新型コロナウィルス感染症に心で負けない行動を!
http://www.pref.kagoshima.jp/ab16/kurashi-kankyo/jinken/jinkenkeihatu/documents/80057_20200709172544-1.pdf
鹿児島県の呼びかけですが、とてもすばらしい! ぜひお読みください。
COVID-19 Japan 都道府県別感染者予測
最悪の状態 を 具体的数値で知ることができます。
https://www.stopcovid19.jp/forecast.html
最善を期待し最悪に備えましょう。
広島市の診療体制のお知らせ。
広島市の救急医療体制は、例年と違いますので、確認しましょう!
医療機関は、できるだけ昼間に受診しましょう。
熱や咳で受診される場合には、事前に医療機関に電話してください。
受診の時刻や、受付窓口など 調整が必要なことがありますので。
院外処方箋を薬局に持参する時にも、熱や咳がある場合には 薬局に事前に電話してください。
https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/holidaymedicalcare/
大事なものを守ろう。
みんな、生きよう、生きのびよう。必ず!
【業務連絡】医師募集。内科・外科・総合診療科・緩和ケア科に限りません。
新型コロナ対応をきっかけに
「医療の在り方」、「医療の目指すべきもの」について
考えを深めた方・考えを改めた方も多いと思います。
もし
「今は東京や大阪(等)で働いているが、地元広島に帰って働きたい」
とか
「病院勤務医よりも もっと患者に寄り添いたい」
「今の病院の勤務形態では 体を壊してしまうのではないか」
「これだけ命を張って働いているのに、ボーナスが減額とは 病院というのはおかしいのではないか」
など考えはじめた医師の方は どうぞ当院に御連絡ください。
ただし若い医師を優先させていただきます、30歳代・40歳代の人がありがたいです。
「給料よりも 生きがい・働きがい」を求めている方、よろしくお願いいたします。
(「給料優先」という方は、イナカの病院なら「過疎地手当」が上乗せされますし、
医師求人サイトで探されると「高級優遇」のところは見つかると思います。)
広島はコンパクトな街で、衣食住、そして働くにも子育てにも いい所だと太鼓判押せますよ。
当ブログを御覧になり、院長の理念に賛同された方、どうぞ御連絡よろしくお願い申し上げます。
在宅診療は楽しいですし、やりがいありますよ!
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