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心に残る出会い138 最後に桜を見ることが出来たIさん

2021年05月30日  

カープ、打撃は好調ですけどね。
今日はネバラスカス投手です、知らない投手ですね、応援しましょう!

 

さて、毎月 最終日曜日は 心に残る出会いです。

Iさんは66歳。
あるとき、食欲がなくなり、病院で精密検査を受けたところ 進行胃癌と判明し、抗癌剤治療が開始となりました。
1年ほど通院治療を継続した段階で、大量の吐血をおこしてしまいました。
緊急入院して胃カメラによる止血処置、輸血、絶食、止血剤の持続点滴投与です。
吐血の原因は癌の進行で、体力も相当 消耗し、衰弱が目立つ状況となってきました。
これ以上の抗がん剤治療は もう無理です。

新型コロナの状況下ですので、入院では御家族のお見舞い・付き添いが出来ません。
本人は「家に帰りたい、口から食べたい、一家団欒ですごしたい」、
御家族も「家でみてやりたい、本人の思うようにしてやりたい」、と希望されました。
そこで在宅医として当方に依頼があり、退院前カンファレンスで私たちの初めての出会いです。

食べると それが刺激になり、また出血するかもしれない。
現状についての説明が 病院担当医からおこなわれました。
しかし、本人・御家族の希望は 変わりありません。
翌日の退院決定、点滴終了。そして三分粥を試みることとなりました。

三分粥を食べても吐血はおこらず、無事に退院して御自宅に帰られました。
そこからは在宅チームが動きます。

 

食べたい、という希望については、夫が料理を担当しました。
三分粥では食べた気がしません。
ふつうの御飯(軟らかめ)にしてみましたが、大丈夫でした。
いろいろなおかずも食べてみることにして。
刺激物(辛い物、油こい物)だけは控えるように指導したのでした。
その次の訪問診療日。
おいしくて食べ過ぎて吐いちゃったのよ、とIさん。
3食にこだわらず、少量ずつ 何度も食べることにしていただきました。

一家団欒については。
子供さんが二人おられますが、毎日のように家で食卓を囲むことが出来ました。
仕事で夜おそく帰ってくることもありましたが、それでも お茶を飲んで話をしたり。
一家団欒ですごす時間をもつという希望も 実現できました。

さあ、ほかに やりたいことは?
Iさんは、家の回りを散歩したい、と言いました。
さっそくケアマネに伝えて、訪問リハビリを導入することにしました。
室内をつかまり歩行するのがやっと、という状態です。
Iさんに残された時間は少ないので、とりあえず 車いすで家のまわりを夫と散歩してもらうことにして、それは実現できました。

春でした。
Iさんたちは、近くの小学校の裏にある桜を 毎年 楽しみにしていました。
Iさんは すでに 座っているのもしんどくなってきていましたが、
夫が車いすを押して連れて行き、満開の桜を見ることが 出来ました。

その3日後、Iさんは御自宅で永眠されたのでした。
Iさん、一家団欒の時間がもてて、花見もできましたね。
子供さん達とも しっかり話が出来たでしょうか。

 

【解説】
「癌の末期なんて、家で看るなんて無理」、と言われる御家族もあります。
本人が いくら自宅生活を希望されても、家族が拒絶すれば 退院は不可能となってしまいます。
家に帰りたい、と言いながら亡くなられる方も いまだにおられます。
御家族が、「いいよ、帰りたいなら帰ろう」と言ってくれさえすれば 最期の時間を御自宅ですごすことは可能です。
「一家団欒の時間」というのは 何ものにも代えがたいものだろうと思います。
こころ穏やかにすごすのが 本人にも御家族にも いちばんよいと思うのです。

食事については、御自宅で、残された時間が少ない状況であれば
あれこれ制限する意味はないだろうと 私たちは考えます。
ほんの少量でも、「おいしい」、と笑顔で召し上がっていただければ幸せです。

 

セブンイレブン 苺のパフェ
コンビニのデザート、いいですね。

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