心に残る出会い142 緩和ケア病棟に短期入院したOさん
カープ、
高橋昂也投手に勝利がついて、よかったですね。
中継ぎ陣もすばらしい。
大盛選手も林選手も 四球を選んでいるのが いいですね。
今日は森下投手です、応援しましょう!
ところで。
広島ブログで、3日間連続して1位となりました。
みなさま、ありがとうございます。
(きっと本日9月26日からは1位ではないと思いますが・・・。予約投稿です。)
当ブログの読者層は、医療・看護・介護業界の方、市民公開講演会などで知って下さった市民の方々が多いです。
ナナパパのオフ会で知り合った方々も多く、ナナパパはじめ みなさんに感謝です。
しかし、しかし。意外に思われるかもしれませんが、当ブログの愛読者には
基幹病院の内科の先生方(部長・副部長クラスの方が多い)、マスコミ(新聞など)、公務員の方なども けっこう多いのです。
医師会などの講演会・研究会・勉強会などで 「ブログ読んでいるよ」と声をかけていただくことも多く、驚くとともに、責任も感じます。
これからも ちょっと違った視点で お役に立つ情報をお届けできれば、と思っております。
日記がわり、備忘録がわり、という時も 多いんですけどね。
引き続き応援よろしくお願いいたします、はげみになります!
さて、毎月最終日曜日は 心に残る出会いです。
Oさんは82歳。
胆管癌で手術を受けたのですが、再発・転移をおこしてしまいました。
抗癌剤治療を1年間 受けましたが、体力を消耗し、肺炎をおこしてしまったため、積極的治療は終了となりました。
その数ヶ月後、高熱で入院したのですが、食欲も低下し、腹水・黄疸もあり、ほとんど動けなくなってしまいました。
腹水でお腹がパンパンで、真上を向いて寝られないほどでした。
それでもOさんは、自宅への退院を強く希望されたのでした。
外科の主治医は、家では難しい時期が来るであろう、そこまで在宅緩和ケアをおこなってもらい、さいごは緩和ケア病棟で、と考えておられました。
家ですごせるのは ごく短期間の見込み、とのことで退院し、御自宅にて私たちのはじめての出会いです。
黄疸の痒みもあり、あまりよく眠れません。
夜中に何度も奥さんを呼んで、ときには尿の世話をしてもらうこともありました。
奥さんも、ごくごく短期間と思っておられましたので、がんばってお世話をされてきましたが・・・。
睡眠不足も心労もあり、奥さんがヘバッてしまったのです。
「1週間だけの入院でいいので、Oさんの入院先をさがしてもらえませんか?」
と 奥さんから相談がありました。
Oさんは、その病院の緩和ケア病棟には まだ入院も相談もしたことはありませんでした。
当方から緩和ケア病棟の担当医にお願いし、入院を引き受けていただくことが出来ました。
本人は入院をいやがっていたのですが、1週間だけの約束で 納得されました。
奥さんは1週間のあいだに体調を戻し、在宅でお世話をする体勢をととのえることが出来ました。
入院中、Oさんはさみしくて 1日に何度も何度も奥さんに電話をかけてきて、帰りたい帰りたいと言ったそうです。
そうしてOさんは また御自宅に戻られたのでした。
もう病院には行かない、最期まで家で。Oさんも御家族も そのつもりです。
Oさんは、ほどなく食事も水分も ほとんど口に出来なくなりました。
下肢のむくみもとれ、腹水もなくなり、お腹はぺったんこになりました。
腹の膨満がなくなったので、呼吸も楽です。
まったく痛みもなく、苦しいこともなく、Oさんは静かに旅立たれました。
亡くなられる前日まで、奥さんの姿が見えないと すぐ「おーい」と言って 奥さんを呼んでいた、とのことでした。
Oさん、奥さんと一緒にいたかったんですね。
最期まで一緒にすごすことが出来て、よかったですね。
【解説】
緩和ケア病棟は、最後の最後、だけの入院場所ではありません。
痛みなどのコントロールが難しくなれば 入院して治療薬の種類や量を再設定していただき また自宅に帰る、という利用方法もあります。
またOさんのように、御家族側の事情で短期で入院利用する、という方法もあるのです。
御家族が体調不良で入院・手術を受ける、とか、
冠婚葬祭で1~2日 出かけなければならない状況となったり、とか。
そういう入院を 「レスパイト入院」 と呼びます。
御家族が健康を保てなければ 在宅医療の継続をギブアップしてしまうことになりかねません。
緩和ケアの領域では、レスパイト入院というのは 早くから取り組まれてきております。
在宅緩和ケア医にとっても、緩和ケア病棟の担当医にとっても、レスパイト入院は ごく日常のことなんです。
今は 地域包括支援病棟というのが あちこちの急性期病院に設置され、レスパイト入院も受け入れが出来るようになっています。
「特別な用件」がなくても、 御家族の心身のリフレッシュでもよいのです。
たとえば 友達と温泉旅行、とか、ちょっと数日 帰省してくる、とかの利用でも いいのです。
無理に無理を続け、「もう出来ません!」となる前に
早めにリフレッシュをはかるようにしましょう。
早めにケアマネージャや担当医に御相談ください。
広島市 新型コロナウイルスワクチン接種会場・予約方法
https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/korona/217375.html#shuudannkaizyou
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県や市のホームページで最新情報を確認しましょう。
・屋内ではマスクを着ける(不織布マスクを推奨)
・3密を避ける(特に職場での休憩時間や会食)
・こまめに手洗い・消毒をする
・換気をする
といった、基本的な感染対策について徹底しましょう。
よろしくお願い申し上げます。
広島市の診療体制のお知らせ。
広島市の救急医療体制は、例年と違いますので、確認しましょう!
医療機関は、できるだけ昼間に受診しましょう。
熱や咳で受診される場合には、事前に医療機関に電話してください。
受診の時刻や、受付窓口など 調整が必要なことがありますので。
院外処方箋を薬局に持参する時にも、熱や咳がある場合には 薬局に事前に電話してください。
https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/holidaymedicalcare/
【業務連絡】医師募集。 内科・外科・総合診療科・緩和ケア科に限りません。
新型コロナ対応をきっかけに
「医療の在り方」、「医療の目指すべきもの」について
考えを深めた方・考えを改めた方も多いと思います。
もし
「今は東京や大阪(等)で働いているが、地元広島に帰って働きたい」
とか
「病院勤務医よりも もっと患者に寄り添いたい」
「今の病院の勤務形態では 体を壊してしまうのではないか」
「これだけ命を張って働いているのに、ボーナスが減額とは 病院というのはおかしいのではないか」
など考えはじめた医師の方は どうぞ当院に御連絡ください。
ただし若い医師を優先させていただきます、30歳代・40歳代の人がありがたいです。
「給料よりも 生きがい・働きがい」を求めている方、よろしくお願いいたします。
(「給料優先」という方は、イナカの病院なら「過疎地手当」が上乗せされますし、
医師求人サイトで探されると「高級優遇」のところは見つかると思います。)
広島はコンパクトな街で、衣食住、そして働くにも子育てにも いい所だと太鼓判押せますよ。
当ブログを御覧になり、院長の理念に賛同された方、どうぞ御連絡よろしくお願い申し上げます。
在宅診療は楽しいですし、やりがいありますよ!
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