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癌終末期は 自宅のほうが生存期間が長い

2023年08月4日  

カープ、
見事な投手戦でした。
勝つチャンスも わずかにありそうでしたが、そこで代打をおくらなかったので ま、仕方ないですね。
今日は野村投手です、応援しましょう!

 

さて、癌の終末期のお話です。
食欲が落ちてきて、誰の目にも、あるいは本人の自覚にても
「そろそろ下り坂になってきたなあ」
という時期において。
自宅、あるいは 緩和ケア病棟で 寿命(生存期間)に違いが出るのかどうか。
どちらが寿命が長いと思います?
手厚い看護が受けられる緩和ケア病棟のほうが 寿命が長い、と 考えられますか?

結果は、自宅のほうが 寿命は長い、というものでした。

国内での 比較検討結果です。

進行がん患者が過ごす場所は生存期間にほとんど影響しない
TSUKUBA JOURNAL 2023.04.19
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20230419140000.html

同 プレスリリース
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/pdf/p20230419140000.pdf

 

結論を引用しますと、
生命予後が日単位(0~13日)、週単位(14~55日)、月単位(55日超)の3群に層別化し、各群において自宅群と緩和ケア病棟群の生存日数を比較した。

その結果、予後が月単位と見込まれる患者の生存期間は、緩和ケア病棟群の32日(95%CI 28.9〜35.4日)に対し自宅群では65日(同58.2~73.2日)と有意に⻑かった(P<0.001、図1)。

さらに予後が週単位と見込まれる患者においても、生存期間は緩和ケア病棟群の22日(95%CI 20.3〜22.9日)に対し自宅群は32日(同28.9〜35.4日間)と有意に⻑かった(P<0.001、図2)。

予後が日単位と見込まれる患者の生存期間は、緩和ケア病棟群が9日(95%CI 8.3〜10.4日)、自宅群が10日(同8.1〜11.8日)と、有意差は認められなかった(P=0.157)。
***

以上の3つのグラフで読み解くと、
「誰がどうみても あと数日程度」、という場合には 自宅でも緩和ケア病棟でも 生存期間に差はない。
しかし、それより長い生存期間が期待できる場合には 明らかに(有意に)自宅のほうが長い。
という結論です。

記事の見出しは 非常にミスリードなものだと思います。
生存期間にほとんど影響しない、というのは 予後が日単位の人であって、それ以外では 自宅のほうが 明らかに長い、と
自分たちで結論づけているじゃないですか。
あるいは 著者たちが 非常に謙虚すぎるのか。

 

私たち緩和ケア医は 「自宅の持つ力」という表現をしています。
自宅に帰れば 麻薬の使用量も減るし、食欲も出て睡眠もとれ、結果として生存期間が長くなる、
ということは 前々から 緩和ケア医は主張しておりますよ。

 

最近飲んだ日本酒。
福久錦(兵庫県加古川市) 純青 愛山 生酛純米吟醸。
いただきものです。

純青は 特約店でしか買えない、と 醸造元のホームページには書かれています。
ネットでは出ておりますけれど。(特約店が売りに出しているのかな?)

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