昨日は 広島・キューバ展に行ってきました。
旧日本銀行広島支店で、無料。
開催は24日までです。
広島・キューバ展
チェ・ゲバラの視点を通して
https://www.facebook.com/1959guevara/
さて、毎月最終日曜日は心に残る出会いです。
Mさんは81歳。
数年前に前立腺癌がみつかり、あちこちの骨に転移していました。
ある夏、熱中症・脱水にて病院に入院。
脱水は点滴で改善したのですが、
痛みのため 元々のかかりつけ医院への通院がもう無理、ということになり、
退院を機会に当院の訪問診療が開始となりました。
肺気腫で在宅酸素中であり、「癌の痛みと呼吸器疾患とを同時に診ることの出来る医師で」、
とのことでした。
退院後の御自宅で 私たちのはじめての出会いです。
Mさんは これまで自分の思うとおりに生きてきた方で
生活パターンを変えることは考えていません。
これまで週2回、点滴をしてもらっていた、これからも点滴してほしい。
脱水で入院されたことでもあり、
訪問看護と連携し、御自宅で点滴を継続します。
実は心臓もだいぶ悪く、秋には心不全で入院です。
浮腫(=むくみ)も続きますので、
さすがに冬からは 点滴は週1回に減らそう、となりました。
Mさんは、病名が告知されていませんでした。
ですから、自分の骨の痛みがなぜなのか、わかりません。
そのため近所の整形外科のクリニックにも受診をされており、
通院困難となってからは 整形外科からの在宅医療も受けておられました。
在宅医療の制度的な話をしておきますと
「訪問診療」は 1カ所の医療機関からしか 受けることが出来ない、
という決まりになっています。
2カ所以上の医療機関が在宅医療に関与することも もちろんあります。
多くの場合、内科が全身管理をする「訪問診療」、
皮膚科など必要があれば そのつど「往診」で対応する、ということになります。
「往診」と「訪問診療」は別物、「訪問診療」は1カ所だけ、
という制度規定なのですが
そんなこと一般の方には わからないですよね。
しかし、実際にはMさんのように
内科も重要、他科も重要、という方もおられます。
2カ所(以上)の医療機関の「訪問診療」を認めよう、ということが
現在ようやく検討されている段階です。
春になり、Mさんは食欲が落ちて再度の入院です。
痛みはオピオイド(=医療用麻薬)で軽減したものの
食欲不振と貧血は改善がみられません。
Mさん本人は「家に帰りたい」、病院側も「家に帰せるとしたら今しかない」。
意見が一致し、自宅での看取りと覚悟を決めての退院となりました。
食事の工夫などをおこない、入院中よりは食べられるようになりましたが、
それでも数さじ程度のものです。
何度か評価を繰り返しましたが、
苦しさはなく、本人の自宅希望も変わらず、
そのため在宅看取りの方針のまま継続 となりました。
退院から2週間。
Mさんは静かに御自宅で永眠されました。
Mさん、マイペースにすごせる自宅に帰れて よかったですね。
広島・キューバ展
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