抗がん剤治療は 全身状態のよい人が受ける治療
昨日は涼しくなりましたね。
往診・訪問診療での車も、窓を開けるだけで 十分となりました。
昼にエアコンつけなくっても 大丈夫。
朝は涼しいので カゼひかないよう 用心しましょう。
さて、
最近 気になった記事です。
落語家の三遊亭円楽さん 肺がんで死去、72歳 脳梗塞から8月高座復帰も…がん治療再開した矢先に
スポニチアネックス 2022年9月30日
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/09/30/kiji/20220930s00041000433000c.html
円楽さんが闘病中であったのは テレビ等で 知っておりました。
私も落語ファンの一人ですので。
残念なことです。
で、今回の記事で気になったことは、ココ。
***
肺がんの治療を再開した矢先に、帰らぬ人となった。
***
詳細なことは 知るはずもありませんし、
ネット情報が どこまで正しいのか、わかりませんし。
でも
「抗がん剤の副作用で亡くなられた」と 思われる状況かと思います。
従来型の抗がん剤(=細胞障害性抗がん剤=細胞毒として細胞を殺す薬)は 正常細胞も やっつけます。
ですから、全身状態のよい状況の人しか 抗がん剤治療は おこないません。
パフォーマンスステータス、 Performance Status (PS) と 呼ばれるもので判断します。
国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/Performance_Status.html
従来型の抗がん剤治療は、PS 4は 対象外と考えることが多いと思います。
PS 3 は 適応になる場合もありますが、状況によるでしょう。
遺伝子変異の状況によっては、
「分子標的薬」、「免疫チェックポイント阻害薬」が 適用される場合があります。
これはPSが悪くても 使用できる場合もあります。
が、
全身状態が悪いときに使用すれば、やはり副作用は強く出ると考えられます。
「分子標的薬」「免疫チェックポイント阻害薬」の副作用は、
思わぬ副作用がでることがある、急速に悪化することがある、など
対応・改善・救命が難しいこともあります。
副作用死は おこりうる、ということです。
つまり
どの抗がん剤治療をおこなうにしても、「生きるか死ぬかの覚悟のうえで おこなう治療である」
といえると思います。
肺炎でヘロヘロの状態、おそらく栄養状態も良くなかった状態で
おこなうべき治療ではなかったのではないか。
とは思うのですが、
これ以上のことは 言えません。
抗がん剤治療というのは 「いい結果になるとは限らない」ということだけは
知っておいていただければ、と思います。
参考に:
おしえて 肺がんのコト
https://oshiete-gan.jp/lung/treatment/detail/factor.html
監修 東邦大学医療センター大森病院 呼吸器内科 教授 岸 一馬 先生
治療法を決める際には、治療によって期待できる効果と、治療に伴う副作用のバランスを考慮します。日常生活で、自分の力で歩き回ることができない、寝たきりの患者さんの場合には、たとえ手術ができる病期(ステージ)のがんであっても、体への負担を考え、手術が勧められないことがあります。
また、薬物療法が標準治療となる病期(ステージ)の患者さんの場合も、治療で1日でも長生きを目指すことよりも、治療の副作用で苦しみが増すことへの懸念から、薬物療法が勧められないこともあります。
こうした患者さんには、苦痛を取り除く治療(緩和ケア)が行われます。
***
瀬戸田のおみやげ タコ
以前に、耕三寺に来た時に 買って帰ったタコは ずいぶん大きかったと思います。
今はタコも不漁、という話ですし、小サイズのみになっているのでしょうかねえ。
小さくても値段はそれなりでしたので オオダコでしたら 買えなくなる価格になるかもしれないです。
お知らせです。
2022年9月25日の 春日キスヨ先生の講演録画を 公開しました。
応募したが落選した方、 講演会に出席したがもう一度聞いてみたいという方、
どうぞ録画を御確認ください。
1時間ちょっとの ユーチューブです。
12月27日までの期間限定公開です。
なお、無断ダウンロードは禁止します。
医療法人和平会 折口医院ホームページ → お知らせ から。
https://wahei.or.jp/info-wahei/220925_kasugakisuyo_kouenkai/
【業務連絡】医師募集。内科・外科・総合診療科・緩和ケア科に限りません。
新型コロナ対応をきっかけに
「医療の在り方」、「医療の目指すべきもの」について
考えを深めた方・考えを改めた方も多いと思います。
もし
「今は東京や大阪(等)で働いているが、地元広島に帰って働きたい」
とか
「病院勤務医よりも もっと患者に寄り添いたい」
「今の病院の勤務形態では 体を壊してしまうのではないか」
「これだけ命を張って働いているのに、むくわれないというのは、病院というのはおかしいのではないか」
など考えはじめた医師の方は どうぞ当院に御連絡ください。
「給料よりも 生きがい・働きがい」を求めている方、よろしくお願いいたします。
(「給料優先」という方は、イナカの病院なら「過疎地手当」が上乗せされますし、
医師求人サイトで探されると「高級優遇」のところは見つかると思います。
ただし、高級優遇で求人するということは、やりがいは少ない職場だ(やり手がいない)という覚悟は必要です。)
広島はコンパクトな街で、衣食住、そして働くにも子育てにも いい所だと太鼓判押せますよ。
当ブログを御覧になり、院長の理念に賛同された方、どうぞ御連絡よろしくお願い申し上げます。
在宅診療は楽しいですし、やりがいありますよ!
コメントを残す