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医療観光都市

2012年05月22日 , 
日本の医療レベルは世界有数です。
おまけに、誰でも、どこの医療機関にかかることも出来ます。
これは世界的には非常に珍しいことで、
多くの国では 最初に受診すべき医療機関は決められおり、
自分で自由に医療機関を選び受診するなんていうことは
保険制度では出来ないことになっています。
日本と言うのは、ほんとうにいい国ですね。

この特徴を生かし
医療と観光で外国からの客を呼べばいいのではないか、
というアイデアは昔から提唱されているのですが、
もたもたしている間に隣の国に先をこされたようです。

「医療観光都市」大邱市 外国人患者22%増
聯合ニュース 5月21日(月)21時42分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120521-00000039-yonh-kr
***一部引用
大邱市保健福祉部は21日、同市内で昨年治療を受けた外国人患者数は5494人で、前年(4493人)を22.3%上回ったと明らかにした。外国人患者誘致が本格的にスタートした2009年は2816人で、毎年順調に増加している。
(中略)
同市や医療機関が医療観光を高付加価値産業と定め、インフラ整備や海外市場の開拓などに積極的に取り組んだことが奏功した。(以下略)
***引用終わり

広島には世界遺産が2つあります。
福山の鞆の浦も、ぜひ景観を保存し
世界から観光客を呼べる決着をしてほしいです。
で、医療のほうでは、
広島県にはPETという検査設備を保有する医療機関が増えます。
これまでは広島市の2か所(中電病院、平和クリニック)だけ
だったのですが、
広島大学病院、三原市医師会病院、広島西医療センター(大竹市)にも
導入され5か所となります。
県内にこんなに多くのPETは不要だろう、と
個人的には思うのですが、
今後まだ増えるでしょうね。

これを活用して医療観光で外国富裕層を誘致、
というのは
知名度の高い広島では十分成立すると思うのですがね。

本日のお勉強は肺癌とPET

ひまちゃんを囲む会の鍋
P1000382.JPG
★インフルエンザ情報
先週の広島県内では
三次庄原地区の定点あたり患者数が3.0でした。
ちなみに、流行入りと判断するのが1.0、
注意報を出すのが10.0、
警報レベルが30.0です。
県北はまだ軽い流行あり、と考えて用心し、
うがい手洗い咳エチケットよろしくお願いしますね。

本日のお勉強
肺腺癌・扁平上皮癌におけるFDG-PETの予後因子としての意義
広島医学2012年2月号
広島大学原爆放射線医科学研究所腫瘍外科 津谷 康大 先生ほか
要点
PET検査での取り込み(SUVmax)と肺癌の組織型別悪性度を検討した
対象は278例。
腺癌においてはSUVmaxの再発予測の意義はあり、
カットオフ値は3.0だった。
腺癌においては高SUVmax群では腫瘍径が大きく、リンパ節転移・リンパ管浸潤・脈管浸潤・再発が高頻度だった。
腺癌の無再発生存期間はSUVmax高値群で有意に不良であった。
扁平上皮癌においてはSUVmaxは腫瘍径のみと相関した。
SUVmax値の高低と無再発生存期間について有意差は認められなかった。
***

PET検査は、癌かどうかの推定、
リンパ節転移の有無の確認に
非常に有力な検査です。
しかし、取り込みの強さと予後については
関係があるかどうか はっきりしていませんでした。
今回の報告では
肺腺癌については取り込みの強い群の予後はよくない、
ということが示されました。
肺扁平上皮癌については取り込みは単に大きさと関連するのみ でした。
(まあ、一般論として大きいほうが悪いとは言えそうに思いますが)

腺癌というのは、ほんとうにやっかいですね。
今後はSUVmax値についても注目しておきたいと思います。

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