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胃瘻を勧める医療機関は金儲け主義か

2012年10月1日  

この土日はとても忙しかったです。
土曜日は診療のあと午後は己斐公民館で
在宅緩和ケア・在宅見取りについて講演。
その後、広島県地域包括ケア推進センターの研修会に参加。
日曜日は10時から夕方まで産業医研修会で座学。
6時間の座学は、腰痛持ちにはつらい。
くたびれました。
内容は明日御紹介します。

さて、
胃瘻を勧める医療機関は金儲け主義。
これは、アメリカでの研究の結果です。
ああやっぱりね、ということですが、
日本の研究結果ではありませんので、念のため。

調査したのは
Endoscopic or surgical insertion of a gastrostomy tube.
とありますから、胃瘻のことです。

進行した認知症患者でナーシングホーム
(日本では老人施設と読み替えていいと思います)
に入っている患者が急性期病院に入院したときに、
患者の状態をほぼ調整して比較してみたところ、
入院中の胃瘻作成の比率が高い病院は
・利益追求型の病院
・規模が大きな病院
・ICU利用が多い病院
であった、と結論されています。

利益追求型の病院、 for-profit ownership
っていうのは
要するに金儲け主義の病院、ということですね。
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=185354
JAMA. 2010;303(6):544-550.
英語です。
アメリカの病院というのは、日本と違って医療費が非常に高額であることは
すでに御存知のとおりです。
アメリカでは病院のグループ化や買収(売却)は日常茶飯事で
経営を黒字にするためにどこも必死、
そういう背景は知っておいた上で解釈してください。
ただし日本でも
売り上げの少ない科は院長や事務サイドから
売り上げを上げるよう圧力をかけられます。
公立病院、公的病院でも「売上圧力」を受けるのは同じです。

胃瘻は、胃に穴をあける手術です。
小さい手術ではありますが、手術は手術。
ですから
病院としては それなりに利益を上げることが出来ます。

利益追求型の病院である場合、
胃瘻作成のメリットは強調するが
デメリットはあまり説明しない可能性はありえます。
それが御家族の意思決定に関与している可能性があります。

9月16日の中国新聞に胃ろう記事が出ましたが、
一部引用しておきましょう。
胃ろう使用へ理解深める 広島で集会
http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An201209160116.html
***
胃ろう選択時の説明の在り方を話し合ったシンポジウムでは、
メリットだけでなく、デメリットも伝える取り組みを看護師が発表。
胃ろうを付けないで亡くなる割合が増えたという。
***
これはつまり、
デメリットの説明がこれまで不十分であった、
ということを意味しています。
しかも、自分たちでも説明不足であることはわかっていたらしい
ということになります。
(記事を素直に読めば)

私は、病院の医師に対して、
「胃瘻を作成しない という選択肢もある」
ということも同時に説明していただけるよう
お願いしています。
まだまだ、ですね。

これまでにも御紹介してきましたように
胃瘻を作っても誤嚥性肺炎は予防できません。
誤嚥性肺炎の予防目的での胃瘻は推奨されない、
というガイドラインが
アメリカでなく日本ですでに発表されています。
胃瘻のメリットだけでなくデメリットもよく考えて
判断するようにしましょう。
胃瘻については、近日また続けます。

9月30日、月見団子ですが
あんころもちを食べました。
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とくに新しい情報はありません。

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