ブログ

心に残る出会い61 たまちゃん大好きだったSさん

2014年09月28日  

カープ、マエケンに勝ちをつけてやりたかったですね。
マエケンが投げるのはあと1回、最終戦でしょうか。
これで地元でのマエケン見納めとなるかも、ですね。
2位でCS進出すれば まだマエケン見られるでしょう。
2位確保にむけて応援しましょう!


さて、
毎月最終日曜日は心に残る出会いです。

Sさんは91歳。
肝臓癌で近所の医院から往診を受けていましたが
いよいよ末期となり、
在宅緩和ケアを専門とする当院が引き継いで担当することになりました。
ベッドに寝たきりの状態で初顔合わせです。

むくみ(浮腫)があり、
仙骨部に じょくそう も出来ています。
認知症のためか、腹部の診察は嫌がって
お腹の診察は充分にさせてもらえません。

これまで、多くの薬が出ていましたが
もう食事量も減り、飲み込みも難しくなってきています。
そこで
緩和ケア薬剤師の出番です。
介護をおもに担当しているお孫さんに説明しながら
処方せんに載せる薬の意図を説明し調整していきます。
のみ薬の整理をしました。
お薬カレンダーを導入し、一包化指示を出し、
朝・昼・夕・寝る前の薬が一目でわかるようにしました。
御家族はそれまで
多くの薬を自分たちで管理しなければならない状況で
お薬を飲ませることは「時間と手間がかかること」だったので、
お薬カレンダーの便利さに感謝されていました。

認知症のSさんが正しく受け答えできるのは数秒程度で、
そのあとは会話が成立しません。
そんな時Sさんが口にする言葉は
「たーまちゃーん!」。
ネコの名前だったのですね。
たまちゃんは、いつもSさんのベッドの上にいました。

Sさんの生活のなかで たまちゃんの占める割合はとても大きいものでした。
入院したら、たまちゃんと暮らすことは出来ませんから
御家族も「最期は入院で」、とは考えられない状況でした。

病状は、急速に悪くなります。
食べることが出来なくなり、眠る時間が長くなりました。

出会いから3週間すぎた ある日、
血圧が100を下回り、意識レベルも下がりました。
もうそろそろお別れですよ、
ということで御家族に連絡をしていただき、
私たちは また明日もおうかがいしましょう、
ということになりました。

翌日、多くの親族が集まっておられたので
「亡くなるときには、呼吸はこんなふうに変化していきますよ、
けっして本人が苦しいことはありませんよ」
という説明をおこなったのですが
まさに ちょうどその時に
Sさんは静かにお亡くなりになりました。
同じ部屋にいた ある親族の方は
息を引き取ったことに気づかないくらいに静かな最期でした。
こんなに静かな最期があるなんて、
ありがとうございました、
と感謝されていました。

Sさんを支えた中心になったのは
ひとりはお孫さん。
インターネットで調べたり、医師にいろいろ質問して
良いと思われることは何でも取り入れ、実行していただきました。
Sさんは、これでずいぶん楽にすごせたと思います。
そして 
たまちゃんでした。
たまちゃんそっくりな ぬいぐるみが
ベッドの脇に飾ってあったのですが
これがもう本当にそっくり。
黒ぶち模様の大きさも位置も同じなのですが
手作り品ではなく市販のぬいぐるみというので
もっとびっくりでした。
Sさんとたまちゃんと一緒に写真を撮らせてもらっておけばよかったなあ、
と今でも思い出します。



【公開講演会のお知らせ】
講師:石飛幸三 先生(平穏死のすすめ 著者)
講演:家族と迎える「平穏死」
  ~迷った時に大切にしたいこと~
日時:平成26年10月19日(日)14時~16時予定
会場:広島YMCA 国際文化ホール
入場:無料 申込先着280名(要事前申込)
主催:在宅・施設医療ネットワーク広島(事務局 折口内科医院)
後援:広島市
申込方法:往復はがきで。1通で3名まで申込できます
 往信面表:730-0822広島市中区吉島東1-4-16
     折口内科医院内
     在宅・施設医療ネットワーク広島 宛
  往信面裏:10月19日講演会申込
       氏名(3名まで。全員の氏名をご記入ください)
       代表者住所
       代表者連絡先(電話番号)
 返信面表:申込代表者の住所・氏名をお書きください
  返信面裏:何も記入しないでください。
★御注意★
 はがきは52円です。
 50円はがきでは受取せず返送とさせていただきますので
 古い往復はがきでないかどうか、ご確認ください。
★ネットでの応募★
 近日中に在宅・施設医療ネットワーク広島ホームページに
 ネット申込できるように情報をアップしますが
 おそらくそれまでに定員に達すると思います。
 御希望のかたは往復はがきでお申し込みをお願いいたします。

「平穏死」という言葉を生み出され、
「平穏死のすすめ」が ベストセラーとなった
石飛幸三先生の講演会です。
ぜひ御参加ください。

14092700.JPG
14092701.JPG

★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

コメントは受け付けていません。