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平成の歩き方14 くつ

2010年04月10日  

木曜日の100メートル道路は、
花吹雪の中の運転でした。
この土日が桜の花見のラストですね。

花見の終わった翌日、
大量のゴミが残っているそうです。
ゴミは持ち帰りませんか?
来た時よりも美しく。

くつについては、特別な状況もありえます。
リウマチによる足関節の変形、女性に多い外反母趾など
普通の足型のくつでは はけない、はくと痛い方がおられます。
また、脳卒中後の半身マヒなど、くつの着脱が大変だ、
あるいはすぐに脱げてしまって危険だ、
という場合もあります。

こういう時には、2つの方法があります。
1つは、くつ専門店に行って相談することです。
シューフィッターという、足に合わせてくつを選ぶ専門家が
配置されているくつ店も増えてきています。
足の形にあわせて中敷きを上手にかませたりすると
足の痛みをなくして歩きやすくなるかもしれません。

もう1つは、病院の理学療法(リハビリ)部門に相談することです。
リウマチや半身マヒの方のためのくつ選びの
相談にのってくれますし、
変形がひどい方の場合だと
リハビリ用装具としてセミオーダー
のような形で自分専用のものが作ってもらえる場合もあります。

痛いようでは、歩くことがきらい・苦手になってしまいます。
歩くために足元をまずしっかりする、というのは基本です。
誰に相談したらよいのか わからない、という方は、
お店のシューフィッター、
あるいは かかりつけ医、ケアマネージャー、(病院の)相談室 などで
まず御相談ください。

だっこしてもらって花見のジャムくん
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★新型インフルエンザ情報
インフルで「休校・学年・学級閉鎖」ゼロに
4月7日21時12分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100407-00001205-yom-soci

3月末~4月はじめにかけての1週間で
休校や学級閉鎖・学年閉鎖の措置をとった学校がゼロ
であることを厚生労働省が発表しました。
昨年のこの時期は、B型インフルエンザが流行しており
休校などの措置をとっていた学校もあったようです。

現在はA型だけでなくB型インフルエンザも少なく、
落ち着いた春になっています。

例年、5月連休頃まではB型がポツポツ出ていますので
今年もまだ安心はできません。
ウガイ手洗いはしっかりおこないましょう。
もう習慣になりましたか?

肺炎予防推進プロジェクト「怖いぞ、肺炎! 予防が大事」キャンペーン

広島市 日本脳炎ワクチン全額負担へ

2010年04月9日 , 

中国新聞 4月9日
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201004090001.html

一部抜粋します。
***
日本脳炎ワクチンをめぐっては2005年に旧ワクチン接種後に重い副作用の発症事例があり、
国は積極的な接種勧奨をやめた。
市は財政事情に加え、全額公費負担は接種勧奨につながるとして、
生活保護世帯などを除き1回で790円の自己負担を求めてきた。
一方、国は昨年6月に新型ワクチンの1期接種を認可した。
(中略)
現状を受け、市は全額負担を決めた。
これで広島県内全23市町が全額負担をすることになった。
市によると、国も近く新型ワクチン1期の接種勧奨をする見通し。
定期接種1期は6カ月~7歳半の子どもが対象。
日本脳炎ワクチンは1期に3回、2期(9~12歳)に1回の計4回接種が必要とされる。
***

良いニュースですね。
ワクチンの公費負担は、やろうと思えばできます。
他のワクチンについても 公費負担をすすめてもらいたいものです。
それにしても
広島市の決定で県内全市町が・・・
ということは、
広島市が県内最後ということですねえ。
最後尾ではなく先頭を走ってもらいたいものです。

肺炎予防のための肺炎球菌ワクチンもぜひ公費負担で。

今週の花 イチハツ、ボケ。
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★新型インフルエンザ情報
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くも膜下出血を防ぐには

2010年04月8日  

巨人のコーチ、というよりも
我々カープファンにとっては 「カープの木村拓也さん」、
37歳とは、残念なことです。

くも膜下出血は、死亡率も高く、非常に重篤になりやすい病気です。
出血が大量であれば、短期間で死亡されることもあります。
再出血や脳梗塞をおこすこともあり、非常にやっかいです。
また、一命をとりとめても重い後遺障害が残ることも多いです。
いったん出血がおこれば、もとどおりの回復は非常に困難な病気なのです。

そこで、
予防が大変重要になります。
私が書いても信頼性に乏しいでしょうから、
千葉大学大学院 公衆衛生学 の予防法HPを御紹介します。
http://www.genome-sci.jp/kumomaku/prevention/index1.html

くも膜下出血は脳血管の動脈瘤が破裂して生じることが多いです。
しかし脳動脈瘤があっても、破裂するまでは何の症状もないことがふつうです。
自覚症状では、動脈瘤の有無はわかりません。
ですから、
中高年の方は一度は脳検査(脳MRI検査)を受けておくことをおすすめします。
かかりつけ医に御相談ください。
かかりつけ医がいない場合には脳ドックを受けるとよいでしょう。
脳検査で脳動脈瘤が見つかれば、事前に予防手段を講じることができる
かもしれません。
(脳動脈瘤の全員に予防手段がおこなわれるわけではありませんが
日常生活で注意する点など きめ細かい指導は受けられるでしょう。)

日常生活の注意としては
・血圧を低くコントロールすること。
・適量を超えるアルコールは控えること。
・タバコはやめること。
とくに、
高血圧の人はしっかり治療を受け、
ふだんから血圧を良好な水準に下げて保っておくことが大切です。

くも膜下出血をおこした場合、
典型的な症状として 「これまで経験したことのない激しい頭痛」
が みられることがあります。
バットで殴られたような頭痛、という表現をされることもあります。
こうした時は、がまんせず、早めに脳検査ができる病院を受診して検査を受けて下さい。
(ただし、全員が激しい頭痛を感じるわけではありません。)

みなさん、
病気を予防しましょう、
検診を受けましょう。

ジャムくんはヘロヘロですが、それでも散歩に出ると喜びます。
いつものオシッコポイント2つ目まではしっぽを振って歩いていきますが、
そこから後はしんどくて立ち止まってしまいます。
こんな状態でもやっぱり外が大好きなんですねえ。
立ち止まっているジャムくん。
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子宮頚癌予防ワクチン 小学校集団接種へ

2010年04月7日  

昨夜のカープ、勝ってよかった~。
とくに守備がすばらしかった。
ほれぼれします。
あの守備を見せられて、試合を負けるわけにはいかないですものね。

昨夜のNHKニュースです。
http://www.nhk.or.jp/news/
地方ニュースのリンクは以下
http://www.nhk.or.jp/utsunomiya/lnews/1006403931.html

うまく記事にリンクできるか、わかりませんでしたので
以下に全文引用しておきます。
(NHKさん、良いニュースだったので、引用させてくださいね。)

以下、全国ニュースから引用
***
小学校6年生の女子児童を対象に子宮けいがんのワクチンを学校で集団接種する取り組みが全国で初めて栃木県大田原市で来月から始まることになりました。若い女性に増えている子宮けいがんを減らす取り組みとして注目されます。

子宮けいがんのワクチンを小学校で集団接種する取り組みを始めるのは、
栃木県の大田原市で 6日、小学校の校長を対象に説明会が開かれました。
毎年2500人が死亡している子宮けいがんは、
主に性交渉によるウイルス感染が原因で起きるもので、
10代前半でワクチンの接種を受ければ、発病の7割を防げますが、
国がこのワクチンを任意での接種としていることや、
保護者の間で十分認知されていないことなどから、普及が進んでいません。
このため大田原市では、ワクチンの効果を保護者に知ってもらい、
子どもを医療機関まで連れて行く負担もなくすことで接種を受けやすくしようと、小学校での集団接種を実施することにしました。
接種は市内の小学校6年生の女子児童340人余りを対象に来月から始め、
4万5000円の接種費用は全額公費で負担するということです。
厚生労働省によりますと、小学校で集団接種を行うのは大田原市が全国で初めてです。
子宮けいがんに詳しい自治医科大学の鈴木光明教授は
「イギリスやオーストラリアなど接種率が高い国は学校での集団接種を行っている。
ワクチンを広めるためには集団接種と公費負担が2本柱で、
国として取り組む必要がある」と指摘しています。

***
引用終わり

小さい都市で、少ない人数だから可能なのかもしれませんが、
「やればできる!」
ということを示しました。
素晴らしいですね。

広島市、広島県でも
すべての12歳女子児童に無料で集団接種をおこなうよう
市長、県知事に要望していく必要がありますね。
みなさん、各市町で声を上げていきましょう。

広島でも子宮頚癌予防ワクチンを公費負担で集団接種を!!!

もちろん、国に対しても声を上げていくことが必要です。
ちなみに
この子宮頚癌予防ワクチンは
45歳までは費用対効果の点で推奨できる、とのことです。
(それ以上の年齢の方が打ってもかまわないです)。
子ども専用のワクチン、というわけではありません。
このあたり、また後日、解説が必要でしょうか。

もし希望される方は、当院でも接種できますので
御相談ください。(予約制です)

癌は、治療というのも大切な問題ですが、
予防できるものは予防する、ということのほうがもっと大切です。

今週の花 フリージア
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平成の歩き方13 くつ

2010年04月6日  

おすすめの靴、もう一つはスニーカーです。

スニーカーの価格はピンからキリまであります。
あまり安いものは、やめておきましょう。
商品選びのポイントは、靴底のクッション性です。
あまりに安いもの、大特価980円なんていうのは、底が非常に薄いのです。
実際に十分な性能のものは5000円台程度、
うまく安売りに出会えば3500円程度でしょうか。

逆に、1万円以上もするような高額なスニーカーは
若者がファッションとして楽しむためのもので、
私たちが日常的にウォーキングに使うべきものではありません。
高ければよい、というものではないのですね。

よくわからない場合は、店員に相談すると良いです。
クッション性を持たせるために、
エアーとかゲルとか各種素材が工夫され出回っています。
また靴の型がメーカーによって違います。
フィットするものを探して下さい。
私についていえば、
若者に人気のN社エアーなんとかのブランドとか
Pブランドのものは足に合いません。
別なN社、あるいは国内大手M社のものをよく使用しています。
(国産M社のものは、ときにバーゲンで3500円程度になりますので
予備のためにも常時何足か持っています。)

運動不足ですが持病はありません、という方には
ちょっとしたランニングにも対応できるものが便利でしょう。
広島平和マラソンに出たい等と思う人にもいいですね。

写真はシニア向けランニング入門用のシューズです。
ゆっくり走る人のために開発されました。
どこに工夫があるか、わかりますか?
かかとの接地する部分がとても広くなっています。
着地のショックをやわらげるのと、
着地時に足を変な角度にひねらないようになっているのです。
当方は膝の痛みという弱点を持っていますので、
最近はずっとこのシューズを愛用しており
広島平和マラソン10kmにもこれで出場しました。

数ヶ月前の写真なので、まだ元気なジャムくん。
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スーパードクターが医療を崩壊させる2

2010年04月5日  

昨日のカープ、永川が大敗しているタイミングで出てきました。
調整登板ということだったのでしょうが。
先発が崩れていくので、どうしようもありません。
永川は敗戦中継ぎ登板ではなく、先発転向すべきだと思いますが、
いかがでしょうか。

スーパードクターが医療を崩壊させるという点について、
もう一つ、別な観点で考えています。
スーパードクターと呼ばれる人たちは、
現場で診療するのではなく、
教育者になり後進を育てる立場になるべきだ、と。

「エキスパートシステム」
という言葉を、御存知でしょうか?
およそ30年前、
私が大学生として大学のコンピュータクラブで遊んでいた頃の用語です。
名人・達人、いわゆるエキスパートと言われている人たちの
やっていること、考えていることを
コンピュータのプログラムに落とし込む(組み込む)ことができれば
良い結果が出せるシステム(プログラム)が出来るのではないか、
というものです。
(理解しやすいように、すごく簡略化して説明しました)

個人でパソコンを持つという時代が始まる頃の話です。
大学祭用に大学のコンピュータでオセロゲームのソフトを作り
私の頭の中にある「勝利の方程式」を
何週間もかかってプログラムに落とし込んでいたものです。

エキスパートシステムでは、
名人達人の話す内容をうまく拾い上げプログラム化すれば
8割程度は組み込めるのではないか、と言われていました。
大学などで試験の合格点は60点のことが多いですね。
つまり、
80点をとる優秀な人の思考経路をうまくプログラミングすれば
80×0.8=64点 取れることになり、
合格点が与えられるものができることになります。
医学の世界でも
正しい病名・診断名をコンピュータが出す「診断ソフト」は
可能ではないか、と思っていました。
平均的な医師の上をいく「コンピュータ診断ソフト」は可能だろう、と。
(現在ではエキスパートシステムとは全く別な方式の
コンピュータ診断ソフトが開発されています)

このエキスパートシステム診断ソフトが
合格点をとるためには、
80点以上を獲得している名人の存在が不可欠となります。
では、80点以上をあげることができる医師は実際にいるのか?

東京大学医学部の沖中重雄教授は1964年、定年退官の最終講義で
「私の誤診率は14.2%だった」と報告したそうです。
一般の人は、東大教授でも誤診が「そんなに多い」のか、と驚き、
医師たちは、さすが東大教授、誤診が「そんなに少ない」のかと驚いたそうです。
沖中教授が超第一級の名医であったことは間違いないでしょう。
それでも正診率(正しく診断する率)は86%ということです。

この話から私が考えたのは、
(超とまではいかないまでも)
第一級の名医であれば80%の正解率は越えると考えられます。
スーパードクターと言ってもよいでしょう。
こういう名医、スーパードクターは
自分で直接患者を診療するのではなく
教育者になるべきだ、ということです。
さきほどのエキスパートシステムというのは
コンピュータのソフトに叡智を落とし込む、というものでした。
これは医学部の学生教育に置き換えて考えることもできると思っています。
そうして
自分の研鑽してきた知識・経験・考え方・取り組み方を
次の世代に伝え育成することによって
結果として より多くの患者を救えることになるのではないか、と。

スーパードクターが自分で直接患者を診断・治療していたのでは
一生のうちに救える患者の数というのは限られてしまいます。
もちろん、スーパードクターとして活躍すれば
好きなこと(診療、手術)が思う存分できて、
名声も、お金も ついてくることでしょう。
地位も名誉も独占的に手にすることができるでしょう。
しかし、
自分の成績がどうやら80点を超えたな、
名人・達人の領域に達してきたな、と
他の人が認めてきたならば、
直接の診療の場面からは身を引き、
後進を育てるという次のステップにすすむべきである、と思います。
診断の名人は診断学で、
検査の名人は検査学で、
治療・手術の名人は治療学で、
大学の教授になって後進を育てるべきであろうと思うのです。
(こうした真の名人は、自分で自分のことを名人だ達人だ、
と思う(うぬぼれる)ことはありませんので
あくまで他の人からの評価でなければなりませんが。
自分で 自分は優れている、と思っている人にはロクな人はいない。)

だから、
スーパードクター紹介の番組に出てもらえませんか、
という交渉が来たならば、
その時点で後進育成に方針を転換すべきだ、ということになります。
スーパードクターが寝る間も惜しんで手術をしている、
という内容の番組は
どこかおかしいぞ、と いつも思っています。
スーパードクターが1人2人を助けるのではなく
100人の次世代を育成すれば
助けることのできる人数は100人200人になり、
さらに次々世代の育成までいけば
助けることのできる人数は1万人2万人になるのですから。

へそまがりな意見かもしれません。
でも
エキスパートシステムというコンピュータのソフト開発(のまねごと)をおこない、
教育病院で研修医の教育、院内職員の教育、地域医療関係者の教育に取り組んできた、
という経験から
スーパードクターはいらない、ブラックジャックはいらない、
と思っています。

まとめ
私の考える医師像は
・まず全ての医師は合格点以上(60点以上)は必要だ。
合格点以下では お話にならないことは明らかです。
→ 広い範囲の生涯学習が必要。
・60点以上の医師は、次は80点を目指すべきだ。
名人、達人の領域を目指し努力すべきでしょう。
→ きびしい自己研鑽が必要。
そして
・80点以上に到達した医師は次世代育成を仕事にすべきである。
いつまでも名医・スーパードクターという「個人レベル」に留まらず、
多くの人々を救うことを目標に取り組むべきでありましょう。

長文におつきあいいただき、ありがとうございました。

ジャムくん。老犬です。
朝がきても丸くなって寝ています。
寝ている時間が長くなり、ほとんど動き回らなくなりました。
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スーパードクターが医療を崩壊させる1

2010年04月4日  

先日、テレビで
スーパードクターを紹介する番組をやっていました。
年間数回は同じような番組があるようです。
とても困難な手術を成功させた、
新しい技術を開発して患者を救った・・・などなど。
なるほど結構なことですね、
と 思う人も多いことでしょう。

しかし、
私は違った主張をこれまでずっとしてきました。
医療の現場にブラックジャックは要らない、
スーパードクターは要らない、
大切なのは、チーム全員の実力を向上させることだ、と。

研修医にも、看護学校でも同じ主張で教育してきました。
(賛同が得られているかどうかは 確信がありませんが)

単純にいえば、
医療はチームでおこなうものでありチームワークが大切なのであって
スーパーエース、4番打者で主戦投手 だけを称賛するというのは
チーム編成、チーム育成にとってマイナスでしかない、
というのが これまでの私の主張(の入門編)です。
他にもいろんな点で 「ブラックジャックはイラナイ」 と
言い続けてきたのですが、
最近になり 同じ様な考えの医師も増えてきたようです。

「スーパー名医が医療を壊す」  村田 幸生 (著)
http://www.yomiuri.co.jp/book/paperback/20100121bk05.htm
まだ書評でしか読んだことはありませんが。
それを見るかぎり、問題点の認識は私と同じように感じられました。

人間は、皆いつか死にます。
現代の標準的な医療を受けても助からないことはあります。
医学の限界、というのは あるのです。
大学病院などは、その限界を越えていく方法を編み出すことが使命の一つです。

ところが
テレビで ××という疾患が某大学病院では助かるというのをやっていた、
○○という状態で手術を受けた患者が元気に復帰しているのをテレビでみた、
としたら どうでしょう。
見ている人には、
その病気、その手術は、治るもの助かるものだ、という
イメージが植え付けられると思います。
そうなると、
標準的医療で標準的な結果となった場合でも
手術がうまくいかなかった(助からなかった、後遺症が残った)のは
おかしいのではないか、
医療ミスではないのか、
他の医師だったなら他の病院だったなら・・・と
不満と後悔が残ることになります。

「現在の医療水準で標準的な結果となったことが不満」、
になるのです。
「標準的な結果だったら 仕方がない」、とは ならないのです。
標準的な病院、標準的な医師に担当してもらうことが
不幸なこと悔やまれることになるのです。

スーパードクターに診てもらえる人、手術してもらえる人は
いったい何人いるでしょうか?
そのスーパードクターは、生涯で何人を診ることができるでしょうか?
それ以外の全ての人が、
私たちは不幸だ不満だ、
という感想を持つのです。

標準的な医師、標準的な病院、標準的な医療の結果が
不平不満となる。
つまり、多くの国民が現在うけている医療、置かれている現状が
不平不満となる。
これって、国民全体にとって 不幸なことではないでしょうか。
スーパードクターを賛美する番組は
国民にとって不幸なだけの番組ではないでしょうか。

地味だけども
タバコをやめよう、検診を受けよう、ワクチンを受けよう、
標準的な診断方法はこうですよ、標準的な治療法はこうですよ、
という番組のほうが
よほど国民に役立ち、
マスコミにも求められているのではないでしょうか。

ジャムくん、老犬です。
餌を食べられなくなってきました。
体脂肪を使いきって、筋肉を消費しています。
肩甲骨も骨盤も簡単に触れることができるほどやせてきました。
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★新型インフルエンザ情報
【キブンの時代】第2部 危険はどこに(1)新型インフル「偏執病」
4月4日7時56分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100404-00000017-san-soci

問題点はどこにあるのか、どこにあったのか。
今後の我々の生き方、社会のありよう について考えさせられる
よくまとまった記事です。
少し長い記事なので、お時間のある時にどうぞ。

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どう向き合う? がん“代替療法”

吉島公園の桜、木によっては満開です。
きれいです。
昨夜もいくつかのグループが花見宴会をしていました。
ただ、
当方はちょっと用心しています。
黄砂が少し飛んでいるような気がしています。

NHK総合テレビ 追跡! A to Z にて
どう向き合う? がん“代替療法”
が放映されました。
タレントの山田邦子さんも乳がん体験者として出演されていました。
2010年 3月20日 土曜 午後10時〜でした。
(私は最初の部分は見逃しました)
NHKが代替療法、ニセ医学について取り上げたのは
画期的なことだと思いました。

再放送の予定は書かれていません。
希望が多ければ再放送もあると思いますので
ぜひ御意見を番組にお寄せください。
http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/file/list/100320.html

私どもは当ブログでニセ医学問題の紹介を続けています。
がんや難病の患者をカモにしよう、と
ニセ科学・ニセ医学が 常に狙っています。

標準的治療を離れたものを代替医療と呼びますが、
なかには非常にインチキなものがある、
そして標準的治療を受ける機会を失い、
結果として患者は手遅れになり死亡してしまうことがある、
ということが番組で取り上げられていました。

対策として、
たとえば
○○で末期××がんが治癒した!
という体験談は信用しないこと。
それは、体験談そのものが ねつ造された可能性があり、
実際に体験談をでっちあげて書くライター(作家)がいる、ということも
取材されていました。

代替療法 を受ける患者の6割は
担当医師に相談していないそうです。
もっと相談をすること、
悪質な業者はビシビシ取り締まること、
が 最低限必要なことだと思います。

しかし、医師の中には
代替医療を選ぶのは患者の勝手であり関知しない、
という態度の人もいるようです。
代替医療について、あまり良く知らない医師が多い、というのが
本当のところでしょう。

がんについて、
がん治療について、
がん代替療法について
御心配なこと、不明なことがあれば
当院を受診して御相談ください。
(がん無料相談電話 をやっているわけではないので
お電話での相談ではなく、
受診して診察を受け御相談ください。
話が長くなりそうであれば受診日時を電話でまず御予約ください。)

広島市役所の しだれ桜。満開です。
撮影している人も多かったです。
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★新型インフルエンザ情報
3月26日厚生労働省発表です。
サーベイランスシステムについて。
3月26日23時14分配信 医療介護CBニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100326-00000016-cbn-soci

2009A/H1の流行が終息してきたので
クラスターサーベイランスは休止。(廃止ではない、とのこと)
重症サーベイランスに移行する。
発熱外来システムなどは各都道府県で考えて下さい、と。

国の指示を待たず すでに自分で考えて行動している県あり(滋賀県など)、
県独自では判断できず国からの指示待ちの県もあり(多くの県)、
県職員の実力の差が今回の新型インフルエンザ騒動で
はっきり見えてきたようです。
きたるべき本番、H5N1新型インフルエンザにそなえ
県の担当者の実力アップを図らなければなりませんね。
もちろん県だけでなく市町村レベルでも。

子宮頸がん予防ワクチンの公費助成を推進する署名募集

2010年04月2日 , 

ようやく日本で認可された子宮頸がんワクチンですが、
任意接種=自費=であり、非常に高額です。
署名運動がはじまっていますので、引用して御紹介します。

子宮頸がん予防ワクチンの公費助成を推進する署名運動について、
ご協力をお願いします。

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)感染を原因とする癌であり、
日本でも毎年約1万5千人の方が発症し、
約3千500人の方がお亡くなりになっています。
HPVは、すべての女性の約80%が一生に一度は感染し、
多くの場合性交渉によって感染するため、
性行動のあるすべての女性が子宮頸がんになる可能性を持っています。
近年、子宮頸がん予防HPVワクチンが開発され、
ワクチン接種によりウイルス感染を予防し、
将来的な子宮頸がんの発症数を減らすことが期待されるようになりました。
このHPVワクチンが本邦でもようやく承認されたところですが、
現時点では任意接種であり、
3回の接種に合計で約5万円前後の費用が必要となります。
より多くの女性での接種が可能となるように、
諸外国では国のワクチン政策に組み入れることが推奨されており、
ほとんどの先進国では、
接種が推奨される11~14歳の女児の接種費用に対し
公費助成がなされています。
本運動は、
我が国においてもより多くの日本女性の健康を守るために、
子宮頸がん予防HPVワクチンの公費助成による負担軽減を求めるものです。

去る3月2日(火)、
「子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成推進実行委員会」が
発足しました。
共同代表は、女優の仁科亜季子さんと、国立がんセンター中央病院土屋了介院長
です。

子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成推進実行委員会
http://hpv.umin.jp/contents04.html

当院でも子宮頸がん予防ワクチンの接種に対応しています。
御希望の方は、御相談ください。

それにしても、
12歳前後の全女性に公費でワクチンを接種する、
というのが世界の流れです。
癌を防げることがわかっているのです。
日本もそうあるべきでしょう。
日本のワクチン行政は また世界に遅れをとってしまうのでしょうか。
いえ、世界の先端を目指さねばならないと思います。
マスコミも、国民の癌予防に、世論を盛り上げて欲しいと思います。

縮景園の桜
今週末は見頃でしょうね。
P1120035.JPG
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とくに新しい情報はありません。

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4月1日から医療費が変わります2

2010年04月1日 , 

カープ、連日6点取られたのでは勝てませんねえ。
攻撃陣はそこそこ点は取っているのですが。
ルイス、大竹と、2本の柱が抜けているのでは、いかにもつらい。
先発陣にがんばってもらうしかありません。
そこで
永川に先発転向してもらうというのは どうでしょうか。
先発が6-7回を3点くらいに抑えなければ勝てそうにありません。
力のある投手を先発にまわす、というほうが
今のカープにはよいのではないかな。

4月から保険証が変わる人も多いです。
毎月のはじめに、忘れずに保険証を医療機関窓口に提示してくださいね。

さて、
今回の診療報酬改定の問題点その2は、
地域医療貢献加算
という項目が設定されたことです。
24時間365日、電話対応などの患者対応をしている医療機関に
わずかですが報酬を出しましょう、というものです。
軽症患者が夜間や休日に大病院に押し寄せて、
これが病院勤務医の疲弊を招いているため、
勤務医の負担を減らそう、という目的です。
電話相談くらいですむ内容であれば、
病院を受診しないですみますから。

当院は 在宅療養支援診療所 ですので、
これまでも24時間365日の対応をしてきました。
ですから、当院はこれまでと全く変わりません。

しかし、多くの診療所、
とくに自宅と診療所が離れている「ビル開業」などの場合は
この24時間365日対応 をするか、しないか、で
頭を悩ませているようです。
24時間電話を受けないといけないのでは 体がもたないなあ、と。

誤解があるといけませんので、書いておきます。
これはあくまで
「かかりつけ患者さんからの電話」 は受けましょう、
というものです。
全く見ず知らずの方から電話相談を受ける制度ではありません。
地域医療貢献加算 というのは、初診料ではなく再診料に加算されるもの
ということが それを示しています。

また、
電話であっても費用はかかります。電話再診料が必要なのです。
休日や時間外であれば、その費用も加算されます。
電話相談の翌日に医療機関に出向いて費用を精算していただくことが必要なものなのです。

無料電話相談サービスではない、ということを御理解ください。

もし迷惑電話や無神経な電話(深夜や休日に、急ぎでない相談電話)が
あまりに多くなるようだと、
多くの医師は夜間の電話をとらなくなるかもしれません。
そうなると
地域医療の崩壊を防ぐ目的の地域医療貢献加算 のはずが、
逆に地域医療崩壊加算 になってしまう、
ということも ありえます。

この冬、日曜日や夜間、早朝に
「インフルエンザのワクチンありますか?」
という電話が実際に何本もありました。
今、医院は休みに決まっているだろう!! という時間に、です。
自分の都合ばかり考える患者・家族が多ければ
地域医療はさらに崩壊が加速していくことになります。

みなさん、節度ある電話、良識ある電話 で お願いしますね。
厚生労働省も、準夜時間帯を想定した制度である、
と解説しています。
具体的には、おおむね夜10時頃まで、です。

縮景園の源平枝垂れ桃
紅白が同じ木に咲いています。
4月中旬までが見頃、と解説板に書いてありますが、
実際には今週いっぱいくらいでしょうか。
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