黄砂は南方に行く、と思っていましたが
九州の一部には 来るようです。
26日21時頃には 大分あたりに飛散予想が出ています。
広島にも少しは来るのではないか、と思います。
不要な外出は控える時期がきているようです。
さて、
毎月 最終日曜日は 心に残る出会いです。
Sさんは97歳。
ある認知症グループホームに10年以上 住んでおり
ほとんどの職員よりも長くそのホームに在籍しておりました。
食事はみんなと同じテーブルを囲み
同じ物を欲しがって食べていました。
一人だけオカユ、などというのは できない状況でした。
ある日、誤嚥性肺炎をおこし入院しました。
入院の担当医は、もう口から食事するのは無理でしょう、と。
絶飲食で、1日点滴3本となっておりました。
手足や体にむくみが生じています。
肺炎が治ったので、施設に帰る時期ではあるのですが
口から食べられそうにはないので どうするか。
胃瘻やチューブ栄養、高カロリー輸液の希望はなく
おそらくチューブを自分で引っこ抜いてしまうでしょう。
それよりも、
聞き取りにくいですが 何やかやワーワー常にしゃべっています。
これだけしゃべれるのなら、口も顎も動く。
食べるのも少しなら何とかなるでしょう。
そのグループホームでは、
これまで看取りをおこなったことがありませんでした。
Sさんが退院して戻ってくるとしたら、看取り前提ということになります。
予定された訪問看護ステーションが事前にグループホーム職員に看取り教育をおこなって
受け入れ準備を整えてからの退院となりました。
退院し、グループホームに帰ってから、Sさんに聞いてみます。
何か食べたい物、飲みたい物はないですか?
「コーヒー」
わかりました、しっかり聞き取れましたよ。
サラサラの液体はムセやすい。
普通のコーヒーを飲むのは、実際はちょっと難しい。
じゃあ、コーヒーは入れたての香りを楽しむだけにして。
口にするのはコーヒー味のエンシュアリキッドと、
コーヒーゼリーで試みてみましょう。
Sさんは食堂では他の人と同じ物を欲しがるはずです、と職員。
いいんじゃないですか、と私たち。
欲しがるようなら同じ物を。軟らかくしてほんの少しずつ。
こうして口からの摂取も再開し
点滴を1日1本に減らしたことで
むくみも次第に解消されていきました。
ゼロゼロも言わなくなり、痰やツバの吸引も必要なくなりました。
退院して4日後。
昼間に、みんなと同じ場所で いつものように過ごしたのですが
どうも呼びかけへの反応が悪くなってきたね、
もうそろそろかね、と職員で話をしていたそうです。
その夜、Sさんは いつもの職員に囲まれて静かに亡くなられました。
Sさん、最期にいつもの生活に戻れ
いつもの場所ですごせて よかったですね。
コーヒーも味わえてよかったですね。
コメダコーヒー サンドイッチ、コーヒー
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