ブログ

緩和ケア医 本日のお勉強

2009年03月16日 , 

日本内科学会雑誌 平成21年2月号
「緩和ケアの普及について
~すべての医師が基本的な緩和ケアを実施できるように~」
筑波大学 木澤義之先生

医師についての日本と世界の対比で、
緩和ケアに関する十分な教育を受けたか、という項目では
日本18%、欧米ではほぼ50%。
病状緩和に関する知識・技術は十分か、という項目では
日本31%、欧米では60-75%
となっています。

2007年実施された がん対策基本法の中で、
早期から緩和ケアが適切に導入されること の重要性が述べられています。
がん診療にかかわる全ての医師が、10年以内に
緩和ケアの知識を身につけること、という目標も掲げられました。
その後、社会からの要請を受け、
10年以内 という表現が 5年以内 に変わりました。
これを受けてJA広島総合病院では、全医師を対象にして
緩和ケア講習会をすでに実施、終了しております。
どうせやらねばならない講習なら、早くやってしまおう、との考えでした。
テキスト(ガイドブック)も全医師への数量を 病院予算で購入していただき
研修を実施しました。

医師に対する緩和ケア教育は まだはじまったばかりです。
緩和ケア普及に 積極的な病院とそうでない病院の温度差はかなりあります。
今後どんどんすすめていかねばなりませんね。

日本宇宙少年団東広島分団 結団式

2009年03月15日  

薬剤師・衛生検査技師の高橋裕子です。
来年度4月に広島市立某中学校1~3年生全員対象の
「薬物の授業」依頼が来ました。
小学生であればタバコの話だけですみますが
中学生では違法薬物の話も必要となります。
時間は学校の1校時分です。
大麻や覚醒剤から自分を守れる人間になってもらえる、
そんな話をしたいと考えています。

知識のワクチン:正しい知識は自分と社会を守ります。

薬物の授業 中学校

2009年03月14日  

薬剤師・衛生検査技師の高橋裕子です。
来年度4月に広島市立某中学校1~3年生全員対象の
「薬物の授業」依頼が来ました。
小学生であればタバコの話だけですみますが
中学生では違法薬物の話も必要となります。
時間は学校の1校時分です。
大麻や覚醒剤から自分を守れる人間になってもらえる、
そんな話をしたいと考えています。

知識のワクチン:正しい知識は自分と社会を守ります。

新型インフルエンザ実地研修会

2009年03月13日 ,, 

3月12日、県立広島病院で開催された新型インフルエンザ実地研修会に参加しました。

本年2月に国の 新型インフルエンザ行動計画 が改定になりました。3月になり各ブロック(例:中国ブロック)にて厚生労働省からの説明会がおこなわれており、
広島では先週ブロック説明会、翌日県内関係機関(医療機関等)への伝達講習会、
今週は 県立広島病院にて新型インフルエンザ実地研修会が開催されているところです。
全国各地でも同じような動きになっていると思います。

これまでの行動計画との大きな変更点は2つ
1:国は、初期段階での封じ込めは困難である、大流行は避けられないと これまでの考えを改めた。(これまでは 初期段階での封じ込め対策が主であった)
今回の改定案では、いかに社会・経済を維持するか、に重点が置かれている。
そのため、行動案は厚生労働省だけでなく全省庁関与となっている。
2:WHOのパンデミック6段階区分をやめ、
5段階に区分して対策を記載している。

海外で新型インフルエンザが発生、流行が確認されると、日本への入国が制限されます。(海外との窓口は4空港3港に制限)
しかし、新型インフルエンザは潜伏期が2-5日と考えられており、空港での水際作戦をおこなっても、いずれ国内に入ってきます。
国内感染流行の初期は、感染症指定医療機関で入院あるいは隔離になりますが、広島県の場合 最初の20名程度で限界です。それ以降は、2次医療圏毎に設定されている協力医療機関で対応、そこもオーバーフローすれば全医療機関での対応、および自宅加療です。国内初発生から地方都市まで感染が拡大するのには8-14日程度と考えられています。

今回の国の行動計画案では、感染極期では労働者の欠勤率が約40%と想定されています。20%は感染により、残り20%は家族の看護介護などで勤務不能になると想定されています。
たとえば地域内で感染者が発生すれば、学校は全て休校になります。小学校低学年の子どもだけで留守番させるわけにいきませんので、保護者も休まざるをえない。
子どものいる看護師・薬剤師などの相当数は欠勤することになるでしょう。病院でも40%の職員が欠勤するとなると、病院機能は半減してしまいます。

今のところ私たちが提示できるのは、2週間分の水食糧、医薬品、日用品の備蓄をおこなうこと、季節型インフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチンの接種をすすめること くらいでしょうか。備蓄については2ヶ月分が目標という話もあります。(下痢対策としてスポーツドリンク等の備蓄も重要ですよ。粉末ならば長期保存可能です)

「新型インフルエンザって言っても、特効薬もあるだろうし病院に行けば何とかなるさ」、と思っていては いけませんよ。

☆公民館等での「新型インフルエンザ」についての講師
お引き受けいたします。
知識のワクチン=正しい知識が自分たちの生活と社会を守ります。

かかりつけ医認知症対応力向上研修会 後編

2009年03月12日 , 

3月11日、広島市 市民交流プラザで開催された
かかりつけ医認知症対応力向上研修会
に参加しました。
2月25日開催研修会の続編で
3:治療とケア編
4:連携編
今回は、後半の2パートの研修でした。
研修会終了後には修了証もいただきました。

連携編 のなかで、
認知症は病状が変化する(次第に悪化する)ものなので
介護保険の初回申請時と病状変化時・悪化時には
担当者(多職種)によるケアカンファレンスが必要であり、
この会議にはかかりつけ医の参加が求められている、
しかし実際には参加していただける医師は少ない、
という話でした。

当院は10名程度で会議ができるカンファレンス室を備えています。
こういったケアカンファレンスなどに ぜひ御活用ください。

今週の花

2009年03月11日  

今週の花
トルコキキョウ、シンビジウム、ドラセナ

DVC00019 20090310

緩和ケア医 本日のお勉強

3月6日広島医師会館で開催された感染症講習会に参加しました。
講師と演題は
1:新型インフルエンザ行動計画(国)の改訂の概要
広島県健康福祉局健康対策課 積山 宝 氏
2:新型インフルエンザの医学的知見
県立広島病院呼吸器内科診療部長 桑原正雄 氏 でした。

国は、このたび 新型インフルエンザ対策行動計画を改定しました。
これまでは、発生段階での感染封じ込めを主な目標としていましたが、
今回の改訂では、流行時の社会機能の維持 が主な目標となっています。
つまり、国は、新型インフルエンザが発生した場合に封じ込めは
できない、困難だ、という認識に立ったというわけです。
そこで、これまで対策は厚生労働省が中心であったものが、
全省庁の加わるものとなっています。
感染は防げない、せめて社会機能のマヒは避けよう、ということです。

感染のピーク時には、労働者の欠勤率が40%となると推定されています。
その状態でも最低限の機能を維持できるような対策の立案を
企業や自治体に求めていくことになっています。

40%が欠勤したとき、社会機能はどこまで維持可能でしょうか?
もちろん病院など医療機関の能力も大きく低下することとなります。
国民においては、水食糧や日用品、医薬品の備蓄も求められています。

☆公民館等での「新型インフルエンザ」についての講師
お引き受けいたします。
知識のワクチン=正しい知識が自分たちの生活と社会を守ります。

感染症講習会

2009年03月9日 ,, 

3月6日広島医師会館で開催された感染症講習会に参加しました。
講師と演題は
1:新型インフルエンザ行動計画(国)の改訂の概要
広島県健康福祉局健康対策課 積山 宝 氏
2:新型インフルエンザの医学的知見
県立広島病院呼吸器内科診療部長 桑原正雄 氏 でした。

国は、このたび 新型インフルエンザ対策行動計画を改定しました。
これまでは、発生段階での感染封じ込めを主な目標としていましたが、
今回の改訂では、流行時の社会機能の維持 が主な目標となっています。
つまり、国は、新型インフルエンザが発生した場合に封じ込めは
できない、困難だ、という認識に立ったというわけです。
そこで、これまで対策は厚生労働省が中心であったものが、
全省庁の加わるものとなっています。
感染は防げない、せめて社会機能のマヒは避けよう、ということです。

感染のピーク時には、労働者の欠勤率が40%となると推定されています。
その状態でも最低限の機能を維持できるような対策の立案を
企業や自治体に求めていくことになっています。

40%が欠勤したとき、社会機能はどこまで維持可能でしょうか?
もちろん病院など医療機関の能力も大きく低下することとなります。
国民においては、水食糧や日用品、医薬品の備蓄も求められています。

☆公民館等での「新型インフルエンザ」についての講師
お引き受けいたします。
知識のワクチン=正しい知識が自分たちの生活と社会を守ります。

宇宙科学インターナショナル・ワークショップ

2009年03月8日  

3月5日広島大学で開催された宇宙科学インターナショナル・ワークショップ
に参加してきました。
「日本の宇宙医学生物学研究」 というJAXA泉龍太郎博士の講演を
聞くのが主な目的でした。

宇宙に行けば、いわゆる無重力状態のため、
自分で体重を支える必要がなくなります。
このため、体重を支える筋肉が弱ったり、
骨からカルシウムが溶け出したりしますので
「筋骨をいかに保つか」、というのが大問題になります。
そのため宇宙飛行士は毎日2時間の運動・筋力トレーニングが
義務付けられています。
そうしないと、地上に戻ったときに自力で歩けなくなるほどです。

今回、日本人宇宙飛行士の宇宙ステーション長期滞在をきっかけに
骨粗鬆症薬の効果をみる実験なども始まるそうです。

若田宇宙飛行士がおこなう各種の宇宙実験とともに、
こうした宇宙医学生物学実験にも注目したいと思っています。

ケナコルト 自主回収

2009年03月7日 , 

皆さんは、花粉症や関節リウマチなどで
「一発筋肉注射をするだけで すっきりよくなる注射」
というウワサを聞いたことがありませんか?
その注射は、ケナコルト という筋肉注射です。

このたび そのケナコルトが自主回収になりました。
http://www.wic-net.com/search/search1011-4.html

ケナコルトは、ステロイド薬であり、
1:ステロイド量がものすごく多い
2:筋肉注射であり効果が長く続く
という特徴があり、いったん注射してしまうと取り消しができません。
つまり、ステロイドの副作用が非常に強く出る薬なのです。
たとえば、高血圧、胃潰瘍、心筋梗塞後、糖尿病、骨粗鬆症などの
人には使用を避けるべき薬なのです。

昔は、田舎の、あまり勉強熱心でない医師(高齢医師)のなかには
この注射を多用している人が各地にいたようです。
なにしろ すぐ効く、よく効く ということは間違いないのですから。
でもその結果、患者さんはステロイド漬け状態となり、いろいろな
副作用が生じ生涯苦しんだり、骨粗鬆症、骨折などでの寝たきりにもなり
大きな問題となりました。
こういった問題医師は、医師会が諭して現役を引退して
いただいたりしていた、という話はあちこちで耳にしました。

今では、いろいろな薬が進歩してきました。
アレルギー疾患でも、関節リウマチでも、良い治療法があります。
大量ステロイド筋肉注射という治療法は
現在では 通常「やってはいけない」治療 と考えられます。
このため、ステロイド治療に精通している我々専門医でも
ごく限られた特殊な条件の患者にしか使用しません。
専門医でない医師が安易に使用しては 問題が生じる危険があります。

患者さんの側でも
「よく効く注射を一発うって下さい」なんていうのは
非常に危険なのだ、ということを御理解ください。
ケナコルト自主回収を機会に、そうした「注射一発」という考えが
消えてゆくことを願っています。

082-241-6836(代表)

和平会・診療についてのお問い合わせはこちら
平日午後(診療時間内14:30~18:00)