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降圧剤と肺炎

2011年10月11日 ,

昨日、よい天気だったので
蒲刈方面で海を見てのんびりしてきました。

写真など御紹介したいところですが
帰ってから急な往診などもありバタバタ忙しく
写真の整理が出来ていません。
明日アップしますね。

本日のお勉強は 降圧剤と肺炎 です。

今週の花 ざくろ
konsyu zakro.jpg
★インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

本日のお勉強
KL-6が高値を呈したバルサルタンによる薬剤性肺炎の1例
日本呼吸器学会雑誌 2011年7月号
北里大学呼吸器内科学 高倉 晃 先生ほか
要点
高血圧でバルサルタン内服を開始2ヶ月後に、咳・労作時息切れが出現。
下肺野の浸潤影、CTではびまん性すりガラス陰影と浸潤影。
KL-6は7360 U/ml と著明に増加。
リンパ球刺激試験が陽性。
ステロイド治療で軽快した。
バルサルタンを含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬の使用頻度が増加しており
薬剤性肺炎合併の可能性は常に考慮すべきである。
KL-6高値の薬剤性肺炎ではステロイド治療を検討すべきである。
***

高血圧で使用される薬のなかで
ARBと呼ばれる一群の薬の使用が増えています。
作用機序の理屈としては、非常にすぐれた降圧剤なのですね。
これまでARBは副作用は少ない、とされてきましたが、
使用患者数が増えれば副作用についての情報も増えてきます。
薬剤性肺炎というのは、どんな薬でも頭に置いておく必要はありますね。

多くは休薬だけで改善していきますが、
ステロイド治療が必要となる場合もあります。
KL-6高値が、ステロイド使用の目安になりそうだ、ということです。

今回報告された症例のKL-6は、べらぼうに高いので
これだとやっぱりステロイドが必要になるでしょうね。
(正常範囲は500以下)
CT画像の異常所見は、1年後にようやく消失したそうです。
長い経過追跡が必要なんですよ。

ルマン優勝車 広島初走行

昨夜は広島市医師会夜間急病センターで勤務でした。
受診された人数は夏場より少し増えた程度でしたが、
けっこう判断に迷う症状の方がおられ、
一人ひとりの診察には時間がかかってしまい忙しかったです。

山口県でインフルエンザ患者が出ていますので
38℃以上の高熱、頭痛関節痛をともなう人にインフルエンザ検査を
数名におこなってみましたが、
今の所 陽性に出ている人はまだいないようです。

中日もヤクルトもサヨナラ勝ち、強いですねえ。
サヨナラ打の福地「外野も結構前に来たので、芯に当たれば抜けると思った」。
9回2死からカープ外野陣が極端な前進守備をして
頭の上を越されて敗戦、というストーリーを
今シーズン何度見たことか。
9回2死の守備位置は、定位置でいいのですよ、補球すれば3アウトなのですから。
福地の当たりは大きかったのですが定位置なら捕れていたと思います。

肺炎で戦線離脱した時のチームリーダー宮本は
以下の書置きを宿舎に残していたそうです。
「一球一打を記憶しながらやっていこう。それが野球人としての血となり、肉となり、チームを成長させてくれるはずだから…」
サンケイスポーツ10月9日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111009-00000525-sanspo-base

ヤクルトの選手や監督は、一球一打を思い出せるでしょう。
カープの選手は、集中しているだろうか、一球一打を思い出せるだろうか。
打ったこと、失敗したことを覚えているだろうか。
集中せずダラダラやったのでは来季につながるものは得られない。
外野前進守備を指示して何度も同じパターンのサヨナラ負けを喫している指揮官は
一球一打を記憶しているとは とても思えない。
今のままでは、来季の采配が向上するとは、とても思えないです。

今は若手にしっかりチャンスを与えて欲しい。
外人野手は要りません。
豊田などは引退試合を決めて日程を公表する時期にきています。

昨日、なにげなく交通科学館を訪づれると
モーターフェスティバルの何と当日ではないですか。
ルマン優勝車 マツダ787B 55号車が広島初のデモ走行する、と。
それは行くしかない、ということでマリーナホップへ急ぎました。
http://www.vehicle.city.hiroshima.jp/VEHICLE_HP/Contents/01_home/0102_kikaku/thomasyotei.html

787B 55号車は、優勝直後にマツダ販売店で凱旋巡回展示しており
私たちは五日市店(だったと思う)で見つけて記念撮影をしています。
走る姿を直接見るのは今回がはじめて。

デモ走行後にドライバーの寺田陽次郎さんが語っていましたように
マツダは数々の困難の乗り越えてきた。
ロータリーは必ず復活すると信じて待ちたいと思います。
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★インフルエンザ情報
ちょっと気づくのが遅れましたが、
9月に隣の山口県で集団感染が出ていました。A型です。
インフルエンザ:今季初の学級閉鎖 周南の幼稚園で集団感染 /山口
毎日新聞 9月29日(木)15時10分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110929-00000193-mailo-l35

映画ひろしま

2011年10月9日

昨日は、歯の治療。
治りは順調で、抜糸できました。
まだもう少し腫れと痛みはありますが、日常生活は完全復旧です。

歯科治療の後、八丁座に映画 ひろしま を見に行きました。
1953年制作。
すごい映画です。
何度も涙をぬぐいながら見ました。
3週間の限定上映だそうですから、ぜひ御覧ください。
市民約9万人がエキストラ等で協力したというのも驚き、
広島市民の思いがこもった映画です。

上映スケジュール等 序破急ホームページ
http://www.saloncinema-cinetwin.jp/theater/
映画の紹介については、上記サイトの
「今月のおすすめ」サロンシネマ&シネツイン支配人 住岡正明さんの
記事をぜひご覧ください。

この映画、被爆前後の状況が描かれています。
私の世代以上であれば注釈の必要なく理解が出来ると思いますが、
若い世代には「予習」が必要かもしれない、と思いました。
まずは「はだしのゲン」などを読んだうえで映画を見なければ
若い人たちには理解不能な場面が多いかも、と。
(それは若い世代に対して失礼な考え方かもしれないのですが)

マンガや絵や文学・音楽などで原爆を題材にするものも多いですが
映画だと画像として頭に入ってきますので
圧倒されます、しばらくは言葉も出ません。
映像の力は、すごいです。

原爆について、ぜひ全世界の人々に知って欲しいのですが、
その前にまずは日本国民に知ってもらうべきでしょうし、
さらにまずは広島の人に知ってもらうべきだと思いました。

どうすれば原爆について多くの市民に知ってもらうことができるのか?
どうすれば、多くの市民や子供たちに見てもらうことができるか?

私どもには伝える効果的な能力や手段、場面はありません。
広く伝える仕事のお手伝いはしよう、と思いますので
「寄付のお願い」について、以下にお知らせします。
***
映画ひろしま のフィルムプリントは2本しか現存せず
1本は近代美術館フィルムセンター所蔵、
もう1本は広島市所蔵だそうです。
フィルムはかなり傷んでおり、
キズの修復や音声ノイズ除去など
デジタルリマスター作業を要する状態です。

DVDに英語字幕をつけ、世界各国首脳あてに送付する計画
というのはすでに報道されています。
中国新聞 2011年1月26日
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/mediacenter/article.php?story=20110126115804157_ja
デジタルリマスターのための費用の寄付を受け付けています。
ゆうちょ銀行
記号14150
72951451
口座名 「黒潮物語」元気な子の会ひろしま英語版制作
一口個人3000円、団体1万円。何口でも。
(八丁座の前に寄付お願いのチラシが置いてあります。
口座番号など転記間違いがあってはいけませんので
できればチラシを受け取りに八丁座に足を運んでください。
そのまま うまいもの大会会場に行けます。)

八丁堀福屋 秋の全国うまいもの大会
551蓬莱 の豚まん4個入り
16時頃には大行列していましたが、
映画の終わった後の19時頃には行列ありませんでした。
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★インフルエンザ情報
茨城県では今シーズン早くも学年閉鎖が出ています。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20111005/CK2011100502000070.html

すべての人に緩和ケアを

2011年10月8日

昨夜は久しぶりに走ってみました。
まだアゴは腫れていて、当たると痛いのですが
食事はだいぶ普通の料理が食べられるようになってきましたので。
走ることでズキンズキン痛むと困るな~、と心配しつつ
4kmだけ走ったのですが、今のところ問題なし。安心しました。
まだ禁酒は続いていますが、それもそろそろ解禁ですかね。
カープが勝てば飲むことにしましょうか。

2011年の「ホスピス緩和ケア週間」は、10月2日(日)~8日(土)です。
本日で終わりというわけですが、
とくに何か大きなイベントをするということもありません。
ポスター掲示、チラシ配布をした程度です。

今年のテーマは
「すべての人に緩和ケアを」 です。

緩和ケアというと、
癌の末期に限定されたイメージを持っておられる方も多いでしょう。
でも
癌の初期から緩和ケアを並行して受けておくことが望ましいです。
癌治療と緩和ケアは車の両輪、とお考えください。
たとえば抗がん剤副作用による吐き気、食欲不振なども
緩和ケアチームが担当する仕事のひとつです。
緩和ケア医・緩和ケアチームに、早い段階から御相談ください。
治療医・治療チームは治療が終わればあなたのもとを去っていきますが、
緩和ケア医・緩和ケアチームは最期まであなたのそばにいます。

ホスピス、緩和ケア病棟というものは
現時点では末期がん患者と末期エイズ患者しか利用することができません。
現在では、そういう取り決めで運用されています。
癌と癌以外は明確に線引きをされているのです。(エイズは別)

しかし、
癌以外の病気であっても
痛みなどで苦しみ続けたくはないですよね。
癌以外であっても苦痛は出来るだけ軽くしてあげるべきだと思うし
緩和ケア医・緩和ケアチームは その力を発揮できるはずです。
そこで現在では
非癌患者の緩和ケア もおこなおう、おこなうべきだ、
という考え方が出てきています。

私たち在宅緩和ケアチームは、癌と癌以外を区別しません。
すべての人に緩和ケアを。
痛い、苦しい、という人は
できるだけ早い段階で緩和ケア医・緩和ケアチームに御相談ください。
私たちは、あなたが最期まで自分らしく生きることを支援します。

布野のアイス屋さん。カップアイスもあります。
定番のバニラ。おいしいです。
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巨大津波 その時ひとはどう動いたか

2011年10月7日

最近、熱と咳で受診される方が増えています。
こどもにRSウィルス、マイコプラズマ感染が増えているようで、
成人にも感染することがあるようです。
うがい手洗いをしっかり心がけましょう。
症状のある人は外に出歩かないようにし、
どうしても出る場合にはマスクをしてください。

10月2日、NHKスペシャル 巨大津波
その時ひとはどう動いたか を見ました。
***番組表から引用
「津波が来るかもしれない」という時、人は何を考えどう行動し、何が生死を分けるのか。
(中略)
住民5600人の詳細な安否情報を落とし込んだ色分けデータ「被災マップ」、津波が来るまでの間に何を考えどう行動したのかを聞き取りした「行動心理マップ」を作成した。そこからは、私たちが災害などの非常時に陥りがちな「心の罠」が生死を分ける大きな鍵を握っていることが分ってきた。(以下 略)
***引用終わり

再放送があります。
ぜひ御覧ください。
2011年10月13日(木)  午前0時15分~1時04分 総合 (12日深夜)
http://www.nhk.or.jp/special/rerun/index.html

そのなかで、
浮かび上がってきたキーワードが3つありました。
・正常性バイアス
・愛他行動
・同調性バイアス

正常性バイアス、というのは
ここまでは津波は来ないだろう、
そんなに大きな被害は出ないだろう、
避難せずこのままいつもの生活していて大丈夫だろう、
という方向に働くものです。
日々の生活の中で、小さい異変にいちいち反応していては
ストレスで体を壊してしまいますので
「異変を受け流す」という 生きていくための体の反応なのですね。
結果として避難行動をとらず自宅で亡くなられた方が多い
ということになりました。

愛他行動は置いておくとして。

同調性バイアスというのは
他の人と同じ行動をとっていれば安心する、
大勢の人と同じ行動をとろうとする、というものです。
公民館に避難していたおおぜいの人たちが
「大きな津波が来るから、もっと高台に逃げなさい」と
誰かから情報がもたらされても
避難者同士でのんびり立ち話を続けることはあっても
次の迅速な避難行動にうつろうとはしなかったのです。

医療の世界に置き換えて考えました。
なぜ癌検診を受ける人が少なく、
(若くして)がんで死ぬという悲劇が減らないのか?

・正常性バイアス
例:私は癌にはならないだろう、
検診なんか受けなくても大丈夫だろう、
がんになっても(手術を受ければ)大丈夫だろう、
・同調性バイアス
例:友人のAさんもBさんもがん検診は受けていない
と言っていたから(私も受けなくていいだろう・・・)。

たとえば乳がん検診や子宮ガン検診では、
がん検診の受診率は日本では20-25%程度のものです。
まわりには癌検診を受けていない人のほうが多いので
同調性バイアスが悪いほうに働いてしまうのですね。
受診を見送る方向に働きます。
これに対し
欧米では70-80%の受診率があります。
周囲を見渡せば癌検診を受診している人のほうが多いので
同調性バイアスは受診を促す方向に働きます。

NHKスペシャル、いい番組でした。
ぜひ再放送をご覧ください。
そして、
がん検診を受けていないことについて
わが身をふりかえって考えてみていただければ、と思います。
ぜひがん検診を受けましょう。

道の駅ふの 抹茶アイスクリーム
ここはアイスが有名です。
外で食べるアイスはとてもおいしい。
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インフルエンザワクチンは予約を

2011年10月6日 ,

カープ、出足よく先取点は取るのですけど。
そのあとの攻撃がとても淡泊。
先取点を取った後は早打ちをやめて、
粘って粘って球数を投げさせるように
攻撃意識を変えていったほうがいいと思います。
球数が増えれば、先発投手を早い回にマウンドから引きずり降ろせる
ということになるのですけどね。

今年のインフルエンザワクチン、
小児への接種量が増量となった、という話は
すでに御紹介しました。(9月25日)
3歳以上は、成人と同じ量0.5mlです。
例年と同じ生産量であれば、
接種できる人数は減ってしまうわけですね。
そこにきて
第一三共のワクチンの出荷量が減ることが発表されました。
2011年9月22日プレスリリース
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/004169.html

そういうわけで、
今年のシーズン当初はインフルエンザワクチンが品薄になる可能性があります。
接種希望者数予測にくらべ供給予測がおよそ100万人程度 不足です。
このため、
医療機関のワクチンの初回注文量も、
「昨年の納入実績を越えないこと」、
という縛りがあります。
日本経済新聞9月23日
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E0E0E2E19F8DE0E0E2EBE0E2E3E39180EAE2E2E2

患者数が安定している医療機関はよいのですが、
当院は開院して3年。
患者数が右肩上がりで増加しているところですので
昨年と同量しか入荷しなければ少し不足する可能性があるのです。

そういうわけで
今年のインフルエンザワクチンは、
予約されることをおすすめします。
当院では15歳以上を対象とさせていただいております。
65歳以上の方への接種は10月15日から開始です。

現在、追加製造をおこなっているそうで、
うまくいけば11月下旬頃には追加分が出回るのではないか、
と予測されています。
かかりつけ患者さん以外で、ワクチンだけ希望される方については
・11月終わりか12月になるかもしれない
・もしかしたら入荷しないかもしれない
という条件を御了承くだされば予約をお受けいたしますので
窓口に来院のうえ御相談ください。

小児ではワクチン量が増量になっていますので
接種料金が昨年よりも値上がりする可能性もあるでしょう。
量から考えると、年齢によっては料金が倍以上になる可能性もありそうです。
予約のときに価格も確認されたほうが良いと思います。

三越の北海道展。
いつも購入するもの。
ししゃもオス。
オスのほうが安くておいしい、と思います。お買い得。
釣りをやる人間としては、卵を抱えた母魚を捕獲するのは
なんだかな~、違うよな~ と思います。
産卵期は禁漁にして魚資源を増やすようにしてほしいのですけどね・・・。
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放射線の正しい知識

2011年10月5日

カープ、何も言うことはありません。
ラジオで聞いていると、
今の打球で本塁突入は無理、みすみすアウトになるような走塁をして。
これを繰り返していたのでは勝てるはずない。
というように解説者に酷評されていました。
昔はスキをつく果敢な走塁がカープの持ち味だったのですが、
今は走塁が下手なチームになり下がってしまったのです。
それは認めなければならない。
走塁やバント、エンドラン、ゴロゴーの地道な練習をするしかないでしょう。
思い切って、足の遅い選手は出番を減らしていくしかないでしょう。
若手育成のため俊足の2軍選手をどんどん上に抜擢してきましょう。
これが来季に続く道だと思います。

さて
当院では毎週勉強会をおこなっています。
昨日は、
「知っておきたい 放射線の正しい知識」
という冊子をもとに勉強会をおこないました。
今年9月おわりに配布されたばかりの新しい冊子です。

我々は、放射線ゼロの世界に住んでいるわけではありません。
自然放射線と呼ばれるものを、ずっと受け続けています。
レントゲンや医療用CTを受け、放射線を浴びたとしても
自然放射線が高い地域に住んでいる人よりは まだ少ない量です。
1年間に1回CT検査を受ける程度であれば
そんなに恐れるものではないことがわかります。
世界平均での自然放射線は年間2.4ミリシーベルト、
胸部レントゲン1回 0.05ミリシーベルト、
胸部CT検査1回  6.9ミリシーベルト。
ブラジルや中国など一部地域での自然放射線10ミリシーベルトです。

半減期には、
物理学的半減期、生物学的半減期、実効半減期があります。
セシウム137の半減期は30年ですが、
これが体に入ったとしても70日程度で半分になります。
(尿や便になって排出されていきます:生物学的半減期)。
500ベクレル/kgのセシウム137を含む食品を1kg食べた場合の人体影響は
0.0065ミリシーベルトです。
レントゲン1回の、10分の1程度の影響でしかありません。
つまり
たまたま1回だけ少量のセシウムを摂取してしまった(食べた飲んだ)としても
そうあわてるようなことはない、
ということがわかります。
仮にこのレベルの食品を1年間、毎日取り続けたとしても
自然放射線量と同量程度にしかなりません。
(もちろん、
よけいな放射線は浴びないことが大事。
放射性物質を含む食品も日常的に摂らないようにすることが大事です。)

福島で作られた花火を打ち上げない、とか
福島の木を送り火に使用しない、とか
こういう反応は科学的には全く意味がないことが理解できると思います。

なぜ「福島の花火を使わない」ということになるのか。
それは、
国や電力会社が「原発は安全だ、事故はありえない、安心だ」
と言い続けてきたからなのです。
住民や国民を「無知」にするよう何十年もかけて国が教育してきた結果なのです。

絶対もうかりますよ、という出資話にだまされる人の記事をみると
「馬鹿だな~、ぜったいもうかるなんて あるはずないのに」
と誰もが思いますよね。
また、そういう話をアヤシイと感じ近づかない、という教育は
子どもの時から必要ですよね。

原発に関して
絶対安全ですよ、という話を信じた・信じている人というのは
出資サギ話にだまされた人と同じことなのです。

ものごとには、二面性あるいは多様性があります。
「絶対××」、という時には
裏には隠しておきたい事が必ずある。
ちがう角度・ちがう距離から見れば違った景色が見える。
そこに気づく、考えをめぐらせる能力を育てる教育が必要だと思います。

福島出身者に対して、
放射線がうつるから あっちへ行け、
なんてイジメが各地で起きています。
はだしのゲンの時代から、いったい国の教育は何をおこなってきたのでしょうか。
まずはきちんと学びましょう。

また、
××菌をまけば放射能物質が消える、とか
放射能が消える、なんていうことはありません。
不安に乗じて人をだましてもうけよう、という人が出ますから
そこを見破る力も必要です。
教育の力がとても重要なのです。

この小冊子、
県医師会にお願いすれば分けてもらえるかもしれません。
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がっかりなノーベル医学生理学賞

2011年10月4日

緩和ケア医は、歯の治療の影響で
顔がしたぶくれ状態になっています。
がきデカのこまわり君状態ですね。
笑えます。
笑いたい方は早めに顔を見にいらしてください。
本人はいたって元気で、早く走りたい(現在運動禁止)と
思っております。

さて、
今回のノーベル医学生理学賞。
外国の科学者が3名でしたね。
そのニュースが何か?
というとですね、
ノーベル賞確実と思われていた日本人が受賞を逃した、
ということを意味する、
とてもがっかりなニュースだったのです。

自然免疫 という分野に功績のある人を表彰する回でしたから
今後 同じ分野で受賞することはもうないでしょう。

昨夜、どのテレビも伝えませんでしたが、
産経新聞は、このことを伝えています。
***
自然免疫研究、ノーベル賞逃す 審良教授「3人」の壁
産経新聞 10月4日(火)7時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111004-00000091-san-soci
***

同じ分野で3人なら入ったのでしょうが
一人別な分野の研究者が入ったので
審良教授が受賞3名のなかに入れなかったようなのです。

本当に残念なことでした。
ノーベル賞確実だ、と私たちヒトの免疫を勉強する人間は
思っていたのですけれどね。

このあたりの分野、日進月歩です。
日本も先端を走っています。
研究予算をしっかりつけて欲しい、と思います。

そごう宮城県の物産と観光展 宮城の寿司
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伊能忠敬の寸劇

2011年10月3日

土曜日に歯の治療を受け、小切開に縫合。
しばらく運動禁止、アルコール禁止、熱い風呂禁止です。
安静にしておかねばなりません。
じっとしているのも退屈ですし、布野へ出かけました。

昨日は 道の駅ふの の 15周年だったそうで
イベントが開催されておりました。
地図好きの緩和ケア薬剤師は、なんとしてもこのイベントに行きたい、と
いうことで行ってまいりました。

伊能忠敬が測量のため布野に立ち寄って
ちょうど200年たつのだそうです。
神楽や歌などのイベントの合間に、
伊能忠敬を知ってもらうための寸劇がおこなわれました。
伊能忠敬は海岸線を測量したのは教科書で知っていましたが、
山の中も測量で歩いていたのですね、知りませんでした。
そういうことを知ると、急に身近に感じられます。
もっと広く知られていいことでしょうね。

伊能忠敬役は柿 辰丸さん
http://aku0008.blog86.fc2.com/
企画はなんでも辛口さん
http://blog.goo.ne.jp/h-masui_1944/e/bcd8af10063e64861fb2d76132c59ef3?fm=rss
200年後の現代にタイムワープしてしまった伊能忠敬一行の物語でした。

抽選で伊能忠敬弁当が緩和ケア薬剤師に当選、
ありがとうございました。

出待ちのなんでも辛口さん。
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同じく出待ちの柿さん
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寸劇の様子。カープ侍の兜も登場しました。
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緩和ケア薬剤師のもらった抽選券
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終了後の控室でスタッフと緩和ケア薬剤師。
辛口さんは別な場所でテレビのインタビュー中。
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当選した伊能忠敬弁当
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弁当の中身はこれ
残されている当時の記録に基づいて再現された弁当だそうです。
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心に残る出会い25 胃がんのMさん

2011年10月2日

毎月の月末日曜日には心に残る出会いをアップしていましたが
先週は月末ということを忘れていました。
1週間遅れで申し訳ありません。

Mさんは64歳、女性。
10年前に胃がん手術を受け、その後は順調だったのですが、
7年後に腸閉塞をおこし入院。
開腹手術の結果、胃がんの腹腔内再発転移と判明しました。
手術後5年以上 再発転移なく無事に過ごしてきましたので
治癒した、と皆が思っていたところだったのです。

抗がん剤治療が開始されましたが、かなり体にこたえたので
それ以降は抗がん剤を希望されず、
標準治療でない治療法を各種こころみてきました。
温熱療法、フコイダン(?)、ナントカ還元水などなど。
自営業で金銭的に裕福であり、また夫や家族の理解があって
そのような治療法を続けることが出来ていたのでした。
たとえば温熱療法には夫と一緒に関西の病院に通院される、というように。

しかし、そのような治療法で癌を消失させることは実際には困難です。
腹腔内転移の数も、大きさもどんどん悪化していきます。
皮膚にもあちこち転移し、それもどんどん悪化していきました。

頼りにしていた温熱療法などの治療法に効果がないことを悟り、
ふたたび病院で抗がん剤治療を受けることとなりました。
当院では、抗がん剤治療の副作用対策を中心におこなってきました。
吐き気、全身倦怠、しびれなどについては、
病院担当医の前ではがまんして あまり症状を告げていなかったようでした。
漢方薬などで副作用症状をおさえていきます。

抗がん剤でも効果はみられず、転移は次第に大きくなっていきます。
体力も目に見えて落ちてきました。
当方が、「まだ抗がん剤やるんですか!?」と言うような状況になっても
病院では抗がん剤点滴が続けられたのでした。
緩和ケア病棟のこともおすすめしたのですが、
緩和ケア病棟に入ったら二度と出られないから、といって
申込は同意されませんでした。

よく誤解されるところですが、
「緩和ケアは最後の最後」、ではありません。
緩和ケア病棟を希望されるのであれば、
ぎりぎりまで待ってから考えるのではなく
早い段階で希望を表明され手続きにはいったほうがよいでしょう。
緩和ケア病棟を希望される人が増えていますので、
ベッドが空くまで1ヶ月近く待つ状況も珍しいことではなくなっていますから。
いったん緩和ケア病棟に入院しても、
外出外泊もできますし、
体調が落ち着けば退院してまた自宅で生活できます。
場合によっては旅行などができることもあります。
緩和ケア病棟と自宅(在宅療養)を何度も行ったり来たり
繰り返す人も多くなってきています。
けして、「緩和ケア病棟に入ったら二度と出られない」、ということはないのです。

2ヶ月くらい経過したある日、御家族が当院を訪れ相談されました。
いよいよしんどくなり少し前から病院に入院している。
やはりK病院の緩和ケア病棟に入れてやりたいと思う、と。
でも、その希望は病棟の担当医や看護師にはまだお話されていませんでした。
そこで、病棟の看護師や担当医にその希望を伝えて手続きをすすめてもらうように
アドバイスをおこないました。
当方からK病院にも問い合わせしましたが、もちろん満床で
順番待ちがたくさんおられる状況でした。
飛び込みの申し込み患者を緩和ケア病棟に入ってもらうことは
できなかったのです。
Mさんは、その2日後に亡くなられました。

宮城県の物産と観光展で
海鮮弁当
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082-241-6836(代表)

和平会・診療についてのお問い合わせはこちら
平日午後(診療時間内14:30~18:00)