ブログ

DAS28 によるリウマチ診療

2009年02月9日

2月4日(水)DAS28 が電子カルテで動くようになりました。

関節リウマチの診療では、
患者さんの状態(病気の活動性がどの程度か)についての評価が
とても重要になります。
病気の活動性が高ければ薬を強化しないといけませんし、
安定していれば減量だってできるかもしれません。
関節所見や血液検査所見などを組み合わせて評価する
DAS28 という方式が現在よく利用されています。
しかし、これまでは電子カルテでは難しかったのです。
紙に書いたものをPDFで取り込む、という程度でした。

このたび、広島在住の内科医師 山下郡司先生の開発された
医療用ファイリングシステム「RS_Base」 にて
DAS28が稼働するようになりました。
リウマチを診療している私どもにとっては、大変な福音です。
RS_Base
http://rsbase.net/

ちなみに、電子カルテ「ダイナミクス」を開発されたのも
やはり広島出身の 吉原正彦 先生です。
ダイナミクス
http://www.med-dyna.co.jp/product/dyna1.html

ですから、当院の電子システム ダイナミクス+RS_Base
というのは、いわば広島産・広島育ちとも言えますね。
ダイナミクス、 RS_Base を ぜひ応援してください。

東京工業大学出張セミナーに参加しました

2009年02月7日

2月3日(火)「東京工業大学出張セミナー」に参加しました。

テーマ「科学技術コミュニケーションを社会の中でどう実現していくか」
話題提供 東京工業大学 統合研究院 教授 西條 美紀 氏
東京工業大学 理工学研究科 特任助教 川本 思心 氏
ファシリテーター 科学技術市民カウンセラー 林 武広 氏
主 催  広島市
協 力  国立大学法人東京工業大学

広島市科学技術市民カウンセラー としての立場からの参加です。
http://www.city.hiroshima.jp/www/contents/0000000000000/1228976380566/index.html

私たちの活動の特徴や課題をあきらかにする、等の課題を考えることを通じて、多くのメンバー、違った立場・経歴の方々と意思疎通が図れ、たいへん面白く有意義な会でした。あらためて、何事も最後は face to face、
人と人とのつながりだ、
と再認識しました。
(東京工業大学の方々には、
この後 広島の地酒とカキ料理などを堪能していただきました。)

ちなみに、医師や薬剤師というのは、
職業として「科学技術を社会に伝える」役割を持っているのですが、
残念ながら その自覚に乏しい人、
スキルに乏しい人・スキルアップに関心のない人 もいるようです。
このあたりの話もまた後日。

レセプトオンライン請求しました

2009年02月6日
2月5日(木)レセプトオンライン請求しました。

2008年9月に当院をリニューアルしました。
それを機に電子カルテ「ダイナミクス」を導入したのですが、
その目的の一つに レセプトオンライン請求に対応していく
というものがありました。

先月の申請から、当院ではオンライン請求としています。
時間はほんの数分程度で終わり。
実に簡単にレセプト請求できるようになりました。

しかし、このオンライン請求が、医療崩壊に悪影響を
及ぼす、崩壊を加速する という見方もあります。
どういうことなのでしょうか?
このお話はまた近日。

comments(0) , trackbacks(0)この記事を編集する

広島市の救急医療

2009年02月5日

2月2日(月)中消防署との意見交換会に出席しました。

具体的データのうち、代表的なものだけ御紹介します。

広島市の救急の現状について
○救急出動件数は年々増加している。
・昭和33年の全出動件数 471件(年間)
・平成19年 5万件を突破
・平成20年は「救急車適正利用キャンペーン」をおこない
はじめて出動件数が減少した。
・しかし平成21年は現時点では、昨年同期を上回る数となっている。
○救急隊の現場到着時間(平成19年度)
・全国平均では7分、広島市は4.6分

広島市の救急隊・救急病院は大変がんばっている、
広島市民は他都市にくらべ恵まれている、と言えるでしょう。
こうした現状、ご存じでしたか?

しかし、このまま件数が増加し続けたのでは 救急医療は崩壊します。
救急医療制度は「市民全体の貴重な財産」なのですから、
大切に守っていかねばなりません。
本当に救急車が必要ですか?
本当に今(夜間、休日に)救急病院の受診が必要ですか?
→日曜や夜間に「通常どおり」診療している医療機関もありますよ。
救急病院へのコンビニ受診は ぜったいにやめましょう。
(「コンビニ受診」 については、また後日のブログで)

今シーズンのインフルエンザワクチン接種 終了

2009年02月4日

今シーズンのインフルエンザワクチン接種 終了です。

例年11月から1月にかけてワクチン接種をおこなっています。

今年は1月末日にも 数名の方が来られました。
例年ならば1月中旬以降に接種に来られる方は非常に少ないのですが、
今年はテレビ、新聞等でインフルエンザに関する情報が たくさん流れたためでしょうか。

今シーズンはインフルエンザの流行開始時期が 例年よりかなり早くなっています。
来シーズンは、もっと早く流行がはじまるかもしれません。
できましたら来シーズンは 11月中、遅くても12月中旬までのワクチン接種を
おすすめします。
ワクチンは、接種してすぐ効く、というものではないのです。

サイエンスカフェにしく に院長が登場

2009年02月2日

今朝のニュースでの話

中国で今年8人目のH5N1型インフルエンザ患者が確認された。
そのうち5人すでに亡くなられている。
とのこと。

多くの専門家は、新型インフルエンザが発生するのは
間違いなく、時間の問題だ、と考えています。
私たちはどうすればよいのでしょうか?

そこで サイエンスカフェにしく のテーマは
「あなたの家族が新型インフルエンザにかかったらどうしますか!」
で開催します。
2月14日(土)14−16時
広島市西区 南観音公民館
講師は 広島市科学技術市民カウンセラー 高橋浩一
対象は 高校生以上 20名
参加費 200円(お茶代)
申込・問い合わせ 草津公民館082-271-2576

気になることを気軽に質問しながら
いっしょに考えてみませんか?
ぜひお申し込みください。

オバマ大統領の医療政策

2009年02月1日

オバマ大統領は、就任演説の中で医療についても数カ所で触れています。
みなさん、アメリカの医療は進んでいる、と思っているかもしれませんが、
「医学」は確かに世界の先端かもしれませんが「医療」は失敗しています。
貧富の差が激しいため、保険料を払えない無保険者が4600万人もいます。
保険のなかにも低所得者用の保険と、一般用、さらには高所得者向けに分かれます。
医療費が高すぎ、よい保険に入っていないと まともな医療は受けられません。
患者が病院にくると、「医療保険に加入しているか、その保険は?」ということを
まず聞かれます。あとは保険のカバーする範囲に応じた医療が割り当てられるのです。
よい医療保険のある人には普通の医療、そうでない人は応急処置程度で終わり。
海外旅行に行くのに、オプションで医療保険加入を求められるのは そのためです。
(盲腸の手術でも支払い金額は100万円は軽く超えます。低所得者・無保険者は
心臓手術など受けることすらできません、たとえ善良なアメリカ国民であっても。
WHOは日本の医療が世界一と認定しています。これはまたいずれ御紹介しましょう。)

オバマ氏は、国民皆保険を目指し、医療費も安くしようとしています。
就任演説の全文(日本語訳)は、各メディアが伝えましたが、私は神戸新聞の
ウェブサイトで見つけた訳が出来がよいと思いました。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001665585.shtml

私が問題かな、よくわからないな、と思うのは、次の部分です。

We’ll restore science to its rightful place, and wield technology’s
wonders to raise health care’s quality and lower its cost.
後段の、技術によって医療の質を高め、医療費は安くする。
という部分は容易に理解できる内容です。
問題は前段。 「われわれは科学をあるべき姿に回復させ」です。
科学が進歩することにより医療費が安くなれば良いのですが、それは違います。
たとえば、関節リウマチの治療や癌の治療。新しい薬や技術が開発されればされるほど
医療費は高額になっていくのです。開発費がかかるのですから、当然のことです。
では、「われわれは科学をあるべき姿に回復させ」というのは、どういうことなのでしょうか?
こうした高額医療、高額医薬品を安く入手できるようにする、ということでしょうか。
それとも新薬や新技術の開発にはもうあまり金を使わないように、ということでしょうか。

科学を進歩させる、ということと、医療費を安くする、ということは両立しない
と私は懸念しているのです。
オバマ大統領の今後に、注目したいと思っています。期待を込めて。

三遊亭歌之介 独演会

2009年01月30日
ブログ掲載の日程が少し前後する場合がありますが、御容赦ください。

1月24日(土)、広島県医師会産業医研修会
「メンタルヘルス」実地研修 を受講してきました。

自殺が年間3万人を超えており、
とくに働き盛りの自殺が増加している状況ですので、事態は深刻です。

研修会参加希望者が予想よりかなり多かったため、
予定のグループワークができず(部屋が狭いため)、
全体での講習会に変更となりました。
昨日の佐伯先生の後半部分に、抗うつ薬や抗不安薬などのお話がだいぶ出てきていましたので、2日連続しての講習会を受けているような内容でもありました。
それだけメンタルヘルスというものが重視されているということでもありますし、
「癌だから」、 「職場だから」、
といって ことさら分ける必要もない という印象を受けました。

三遊亭歌之介 独演会

2009年01月29日

このブログでは硬軟おりまぜていきたいと思っています。
で、今日は落語の話。

院長略歴で御紹介したとおり、落語が好きです。
東京へ学会や研究会で出張した時には、夜は落語を
ききにいく、というのが楽しみとなっています。
いつもは新宿末広亭か上野鈴本演芸場にでかけています。
でも開業したからには、東京に行くチャンスは少なくなるでしょう。

さて、1月29日(木)は三遊亭歌之介独演会に行ってきました。
たいていの落語会や演奏会は18:30開演ですので、私の場合には
土日祝日か木曜日しか 確実に間に合う日はありません。
他の日の公演は、遅れる可能性が高いため申し込めないのです。
ですから木曜日の公演というのは非常にありがたいチャンスなのです。

歌之介さんの落語を聞かれたことがありますか?
もしなければ、ぜひ一度 足をお運びください。
私の妻の言うことにゃ、「どこまでが本当で、どこまでがネタか
わからない、すごい話芸」。誰にもマネできない独特のものがあります。
「平成の爆笑王」という称号も さもありなん。
本日も爆笑の渦のなか、中入りなしのぶっとおしで
2席演じました。
1席目は「てんしき」。歌之介の話芸と下ネタは、
非常によくマッチして抜群の面白さとなりました。
2席目の演目は伏せておきましょう、全部紹介すると
ネタばれで楽しみがなくなる人がいるといけませんので。
その中でエピソード(ハプニング?)を一つ。
爆笑の合間の、とてもしんみり、涙もろい人なら涙目になる、
という静かな場面で、会場に携帯呼び出し音が5回、6回と・・・。
その人が携帯を切るためポケットかカバンから携帯を
取り出す時に音量は最大になり、会場に響きわたってしまいました。
その携帯音を歌之介さんが演目にからめて見事にフォロー。
その見事な即興に会場拍手喝采のうちにクライマックスへ。
明日からも笑って生きていこう、健康に気をつけよう、そして
親孝行をしよう。そう思った楽しいひとときでした。
三遊亭歌之介、オススメです。
(携帯は切るか、せめてマナーモードにしましょうね、みなさん)

がん患者と家族を支える心のケアの基本技術 研修会

2009年01月29日
1月23日(金) 県立広島病院で開催された
「がん患者と家族を支える心のケアの基本技術」
~コミュニケーションスキルと向精神薬処方のあり方~
という研修会に参加しました。
講師は広島大学准教授 佐伯俊成先生です。
佐伯先生の講座を受講するのは本年度だけで3回目ですが、
毎回新たな感動があります、すばらしい!
佐伯先生の講演に参加する機会があるならば、ぜひご参加ください。オススメの先生です。
全部はご紹介できませんので、ごくごく一部のみ まとめます。
がん患者さんへの情報開示は、「悪い知らせ」のことが多い。
同じ情報を伝えるにしても、伝え方が大切である。
コミュニケーション能力が問題なのである。
これらに関連するさまざまな内容が展開されていきます。

とくに若い先生、研修医の先生などに聞いて欲しい内容です。
詳しい講演内容は佐伯先生の講演会でお聞きになってくださいね。
なお、私どもは こうした医療者向け講演・講習会のみでなく
一般市民に科学技術をわかりやすく伝えるための
日本科学未来館 科学コミュニケーターの養成講座も修了しております。
http://www.miraikan.jst.go.jp/linkage/training/
先端医療・医学・薬学も、科学の一分野といえます。
こうしたトレーニングは今も日々おこなっておりますので、
わからないことは何でも遠慮なく質問してくださいね。
(院長略歴を御参照ください)

082-241-6836(代表)

和平会・診療についてのお問い合わせはこちら
平日午後(診療時間内14:30~18:00)