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緩和ケア医 本日のお勉強

2009年03月21日 ,

日本呼吸器学会雑誌 2009年2月号
FDG-PETで集積亢進を認めたM.intracellurare肺感染症の1例
福島県立医科大学 仲川奈緒子先生ほか

PET検査というのは、癌の分野では あたかも万能かのように
インターネット上で礼賛(宣伝?)されている場合があります。
しかし、PETで陽性(集積亢進)となる疾患は癌だけではなく、
肺については 肺結核や 非結核性抗酸菌症などがあります。
この論文でも、CT検査でもPET検査でも肺癌と区別が
困難であった非結核性抗酸菌症 という症例報告でした。

我々呼吸器専門医は、
PETが有用だったケース、あまり役立たなかったケースなど
数多く経験してきました。万能ではないことをよく知っています。
PET検査というのは非常に高額な検査です。
PET検査受けようかな、どうしようかな、とお考えであれば
一度当院で御相談ください。
保険が適用される対象疾患が限られていますし、
検査は予約制で 検査日時を予約することが必要ですので。

広島市内にPET検査可能な施設が2カ所ありますので
必要があれば (また、御希望があれば) 御紹介いたします。
当院から連絡して、検査日時の予約ができます。

吉島公園の桜 咲きました

2009年03月20日 ,

あたたかい日が続いています。
吉島公園の桜は 咲きました。まだ少しだけですが。

それより、花粉だけでなく黄砂も飛んでいるのがイヤですね。
医院内には空気清浄機が数台動いているのでよいのですが、
往診のため医院を一歩でると たちまち咳くしゃみ鼻水です。
もちろんマスクはしているのですが。
往診用の車も、すぐに汚れます。
黄砂はかんべんしてほしいですね。

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聖路加国際病院 緩和ケア研修

2009年03月19日 ,
3月18日(水)JA広島総合病院 で開催された
オープンカンファレンスに出席してきました。
オープンカンファレンスというのは、医療関係者ならば病院外の方でも
また、医師でなくても参加できる 公開型の勉強会のことです。
本日は、放射線治療科の岡部先生が、本年1月に2週間の
聖路加国際病院緩和ケア研修に行ってきた報告を聴きにいきました。(他に2題)
私も昨年度受けに行った緩和ケア研修です。

本年10月までに、緩和ケア外来を開設しないと、癌診療連携拠点病院の
基準を満たすことができなくなる、返上することになる、というお話でした。
次第に施設基準などハードルが高く設定されていきます。
人員配置など病院トップの判断が求められるところです。
しかし、聖路加国際病院の緩和ケア外来の仕組みは、
JA広島総合病院にすぐにそのまま適用するのは不可能です。
なにしろ、聖路加病院には緩和ケア科の常勤医師が5名いるのですから。
そして、緩和ケア病棟があるので、外来診療時間外は
病棟での電話受付が可能な状況なのですから。

当院は、在宅療養支援診療所として、
24時間電話連絡が可能・24時間往診可能な体制をとっています。
JA広島総合病院 でも、何とか体制作りをおこなって欲しいものです。

心筋梗塞とうつ-タバコが取り持つ仲?-

2009年03月18日 ,

3月17日(火)広島医師会館で開催された
一般臨床医のための“軽症うつ”診療講座
心筋梗塞とうつ-タバコが取り持つ仲?-
に参加してきました。
講師は広島大学 佐伯俊成先生です。

要旨(ごく一部のみ)
・喫煙により心筋梗塞発症のリスクは高まる。
男性3.6倍、女性2.9倍
・心筋梗塞発症1ヶ月後の大うつ病発症率15-30%
・心筋梗塞後のうつ病は、冠疾患再発・冠疾患死亡といった予後不良の予測因子
・喫煙と精神疾患は相互に関連
・心筋梗塞後に禁煙すれば、喫煙者に比べ死亡率が36%低下
・禁煙後に抑うつが改善する場合も悪化する場合もあるが
それは禁煙(ニコチン離脱)の結果ではない。

つまり、心筋梗塞の前であっても後であっても
禁煙が大切、うつの治療も大切である、ということですね。
当院では、禁煙治療をおこなっていますので 御相談ください。

今週の花

2009年03月17日

コチョウラン、サクラ、バラ他

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緩和ケア医 本日のお勉強

2009年03月16日 ,

日本内科学会雑誌 平成21年2月号
「緩和ケアの普及について
~すべての医師が基本的な緩和ケアを実施できるように~」
筑波大学 木澤義之先生

医師についての日本と世界の対比で、
緩和ケアに関する十分な教育を受けたか、という項目では
日本18%、欧米ではほぼ50%。
病状緩和に関する知識・技術は十分か、という項目では
日本31%、欧米では60-75%
となっています。

2007年実施された がん対策基本法の中で、
早期から緩和ケアが適切に導入されること の重要性が述べられています。
がん診療にかかわる全ての医師が、10年以内に
緩和ケアの知識を身につけること、という目標も掲げられました。
その後、社会からの要請を受け、
10年以内 という表現が 5年以内 に変わりました。
これを受けてJA広島総合病院では、全医師を対象にして
緩和ケア講習会をすでに実施、終了しております。
どうせやらねばならない講習なら、早くやってしまおう、との考えでした。
テキスト(ガイドブック)も全医師への数量を 病院予算で購入していただき
研修を実施しました。

医師に対する緩和ケア教育は まだはじまったばかりです。
緩和ケア普及に 積極的な病院とそうでない病院の温度差はかなりあります。
今後どんどんすすめていかねばなりませんね。

日本宇宙少年団東広島分団 結団式

2009年03月15日

薬剤師・衛生検査技師の高橋裕子です。
来年度4月に広島市立某中学校1~3年生全員対象の
「薬物の授業」依頼が来ました。
小学生であればタバコの話だけですみますが
中学生では違法薬物の話も必要となります。
時間は学校の1校時分です。
大麻や覚醒剤から自分を守れる人間になってもらえる、
そんな話をしたいと考えています。

知識のワクチン:正しい知識は自分と社会を守ります。

薬物の授業 中学校

2009年03月14日

薬剤師・衛生検査技師の高橋裕子です。
来年度4月に広島市立某中学校1~3年生全員対象の
「薬物の授業」依頼が来ました。
小学生であればタバコの話だけですみますが
中学生では違法薬物の話も必要となります。
時間は学校の1校時分です。
大麻や覚醒剤から自分を守れる人間になってもらえる、
そんな話をしたいと考えています。

知識のワクチン:正しい知識は自分と社会を守ります。

新型インフルエンザ実地研修会

2009年03月13日 ,,

3月12日、県立広島病院で開催された新型インフルエンザ実地研修会に参加しました。

本年2月に国の 新型インフルエンザ行動計画 が改定になりました。3月になり各ブロック(例:中国ブロック)にて厚生労働省からの説明会がおこなわれており、
広島では先週ブロック説明会、翌日県内関係機関(医療機関等)への伝達講習会、
今週は 県立広島病院にて新型インフルエンザ実地研修会が開催されているところです。
全国各地でも同じような動きになっていると思います。

これまでの行動計画との大きな変更点は2つ
1:国は、初期段階での封じ込めは困難である、大流行は避けられないと これまでの考えを改めた。(これまでは 初期段階での封じ込め対策が主であった)
今回の改定案では、いかに社会・経済を維持するか、に重点が置かれている。
そのため、行動案は厚生労働省だけでなく全省庁関与となっている。
2:WHOのパンデミック6段階区分をやめ、
5段階に区分して対策を記載している。

海外で新型インフルエンザが発生、流行が確認されると、日本への入国が制限されます。(海外との窓口は4空港3港に制限)
しかし、新型インフルエンザは潜伏期が2-5日と考えられており、空港での水際作戦をおこなっても、いずれ国内に入ってきます。
国内感染流行の初期は、感染症指定医療機関で入院あるいは隔離になりますが、広島県の場合 最初の20名程度で限界です。それ以降は、2次医療圏毎に設定されている協力医療機関で対応、そこもオーバーフローすれば全医療機関での対応、および自宅加療です。国内初発生から地方都市まで感染が拡大するのには8-14日程度と考えられています。

今回の国の行動計画案では、感染極期では労働者の欠勤率が約40%と想定されています。20%は感染により、残り20%は家族の看護介護などで勤務不能になると想定されています。
たとえば地域内で感染者が発生すれば、学校は全て休校になります。小学校低学年の子どもだけで留守番させるわけにいきませんので、保護者も休まざるをえない。
子どものいる看護師・薬剤師などの相当数は欠勤することになるでしょう。病院でも40%の職員が欠勤するとなると、病院機能は半減してしまいます。

今のところ私たちが提示できるのは、2週間分の水食糧、医薬品、日用品の備蓄をおこなうこと、季節型インフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチンの接種をすすめること くらいでしょうか。備蓄については2ヶ月分が目標という話もあります。(下痢対策としてスポーツドリンク等の備蓄も重要ですよ。粉末ならば長期保存可能です)

「新型インフルエンザって言っても、特効薬もあるだろうし病院に行けば何とかなるさ」、と思っていては いけませんよ。

☆公民館等での「新型インフルエンザ」についての講師
お引き受けいたします。
知識のワクチン=正しい知識が自分たちの生活と社会を守ります。

かかりつけ医認知症対応力向上研修会 後編

2009年03月12日 ,

3月11日、広島市 市民交流プラザで開催された
かかりつけ医認知症対応力向上研修会
に参加しました。
2月25日開催研修会の続編で
3:治療とケア編
4:連携編
今回は、後半の2パートの研修でした。
研修会終了後には修了証もいただきました。

連携編 のなかで、
認知症は病状が変化する(次第に悪化する)ものなので
介護保険の初回申請時と病状変化時・悪化時には
担当者(多職種)によるケアカンファレンスが必要であり、
この会議にはかかりつけ医の参加が求められている、
しかし実際には参加していただける医師は少ない、
という話でした。

当院は10名程度で会議ができるカンファレンス室を備えています。
こういったケアカンファレンスなどに ぜひ御活用ください。

082-241-6836(代表)

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