間質性肺炎とは
新型インフルA(H1N1)は目新しい情報ありません。
そこで、久しぶりに「本日のお勉強」
間質性肺炎、という病名を聞いたことはありますか?
あまり耳慣れない病名だと思います。
肺炎といっても、細菌などによる肺炎とは違い、
アレルギー・免疫の機序により生じるものが多いです。
薬剤性の間質性肺炎というのも よく遭遇します。
私の専門分野が、呼吸器疾患、免疫・アレルギー疾患ですので、
間質性肺炎患者を多く経験してきました。
咳、息切れの続く方は、呼吸器内科を受診してください。
緩和ケア医 本日のお勉強
間質性肺炎合併肺癌の診断におけるFDG-PETの有用性の検討
日本呼吸器学会雑誌 2009年4月
東邦大学医療センター大森病院 磯部和順先生ほか
要点
間質性肺炎には高率に肺癌を合併する(10-30%)。
CTでも肺癌の早期発見が困難な場合がある。
そこでPETを検討したが、高分化腺癌と間質性肺炎の区別は困難であった。
間質性肺炎は急激に悪化し致死率が高いものから、
じょじょに進行して死に至るものまで さまざまなタイプがあります。
困ったことに、
間質性肺炎には肺癌の合併率が高いことも知られています。
かりに癌が見つかっても、肺機能が悪いので手術になりにくく、
また放射線肺炎をおこしやすいので放射線治療の対象にもなりにくい。
抗癌剤は間質性肺炎を起こしやすい薬剤であり、
間質性肺炎があると使えない・使いにくいものが多い。
このように、治療選択にたいへん困った状況となることが多いのです。
そして何より肺癌を見つけるのがむつかしい。
癌が発見された時には、すでに緩和ケアしか選択肢の残されていないこともしばしばあります。
間質性肺炎の自覚症状は 動いたときの息切れ です。
咳や発熱がみられることもありますが、他に特別な症状はありません。
間質性肺炎は専門知識・経験がないと管理がむつかしい病気のひとつです。
息切れがする方は、早めに呼吸器内科を受診しましょう。
間質性肺炎が進行した状態である肺線維症には、新しい薬が使用できるようになりました。
これについては、また別の機会に御紹介します。