インフルエンザ新薬2
値上げ前に禁煙治療を開始された人がたくさんおられます。
次は
値上げ前に買いだめしたタバコがなくなるとき、
が 禁煙に踏み切る良い機会です。
買いだめタバコが残り数箱になったら
医療機関を受診して禁煙治療をはじめませんか?
(受診したその日から禁煙するわけではありません)
さてインフルエンザ新薬。
もう1種類のインフルエンザ新規治療薬は
ラピアクタ(R)、点滴です。
薬効はノイラミニダーゼ阻害薬であり
タミフル、リレンザ、イナビルと同じ、ということになります。
使用方法は、通常患者では300mg点滴1回。
重症患者では1日1回600mg、症状に応じ連日反復投与。
15分以上かけて点滴します。
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腎臓排泄の薬剤ですので、腎機能の悪い人は減量。
高齢者も腎機能が悪いことが多いので注意。
胎盤移行性、乳汁移行性あり(ラット等のデータ)。
新生児、乳幼児、小児への安全性は確立していない。
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以上から考えると
もし使用するとすれば一般成人(妊婦授乳婦をのぞく)ですが、
内服や吸入が可能な人は、そちらの薬が優先されるべきでしょう。
そうなると
・成人で内服・吸入の指示に従えない人
(=意識障害のある人、認知症のひどい人など)、
・重症で人工呼吸が開始されているような人
が対象となると考えます。
小児についても、入院を要する重症者のみが対象となりうるでしょう。
最後のとっておきの切りふだ、という位置づけになります。
一般の診療所、病院の外来受診で使用すべき状況になるとは思いません。
「1回ですむ点滴があるそうじゃないか、それを打ってくれ」
とは言わないようにお願いいたします。
(当院では、上記判断からラピアクタは常備しません。
不適切に薬剤を使用していると耐性ウィルスを作ってしまうことになりますので
せっかくの新薬剤の寿命が短くなります。)
点滴は最後の切り札、重症入院患者や集中治療室で使用するもの
と考えておいてください。