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教科書を疑え

2010年04月16日  

昨日から、とある専門学校で
臨床医学の講義をはじめました。
木曜日午後なら、ということでお引き受けしたものです。
これまでにも介護福祉士や看護の専門学校で講義してきたことが
ありますから、講義の経験はありますが、
やっぱり準備に時間はかかり、緊張もします。
第1回の講義が無事終わり、昨夜は祝杯でした。

数年前に書かれた教科書をテキストとして使用するのですが、
けっして古い教科書でもないのに
すでに現実と乖離した内容があります。
医学の進歩は、すごく早いのです。

最新の知識、新しい考え方も講義で紹介していきますが、
それとて数年後には 古い知識 になっていきます。

教科書を疑え
先生を疑え

医療・医学に従事する者は、一生が勉強です。
みなさんといっしょに、がんばっていきましょう。

緩和ケア について
知っている、聞いたことがある、という人は
クラスで2-3割というところでした。
知名度はまだまだですね。
講義のなかで緩和ケアのお話も 少し紹介していきます。

ぼたん  きれいに咲きました。いい香りです。
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

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B型インフルエンザ 散発

2010年04月15日 , 

一昨日は午前2時すぎに在宅で看取り。
夜は、広島市医師会夜間急病センターで勤務してきました。
そのため睡眠不足で、昨夜参加したかった勉強会は欠席。
体力回復までに時間がかかります。

夜間急病センターは、胃腸炎患者も少なく、
来院患者さんの数そのものは少なかったです。
しかし、このなかに
「同室者がB型インフルエンザと診断された」、
ということで数名が受診されていました。
簡易検査してみましたが、インフルエンザは全員陰性でした。

広島市では、B型インフルエンザが散発的に出ています。
3月下旬から 9名のB型インフルエンザが確認されているようです。
また、A香港型が今シーズンはじめて確認されています。
http://www.city.hiroshima.lg.jp/shakai/eiken/kan_center/syh_graph/influ_new/inf_new.htm

A香港は症状が重いことが多いので、今後の動向に要注意です。

今週の花 コデマリ、フリージア、アイリス
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平成の歩き方15 正しい歩き方

2010年04月14日  

申込締切日の関係で、
平成の歩き方くつシリーズの途中ですが 歩き方教室の御紹介。

歩くのに、正しいとか正しくないとか、あるの?
と思われるかもしれません。
でも、あるんですよ。
歩行中や、その日の夜、あるいは翌日になって
足、膝、腰などに痛みが出るようだと
どこか正しくない、あるいは どこか健康ではない、と
考えたほうがよいでしょう。

正しい歩き方を文章で伝えるのはむずかしいです。
そこで
健康科学館の教室を紹介しますね。

お話と実技
健康は足元から
正しい歩き方をマスターしよう!
4月24日(土)13:30-15:00 広島市健康科学館
講師:広島市スポーツ協会 体育主事 舘野美栄子 氏
申込:4月15日から電話で先着50人
082-246-9100

ぜひお申し込みください。

いただいた花 アルストロメリア
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★新型インフルエンザ情報
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胃ろう は幸せか? その2

2010年04月13日  

昨日のブログで
栄養補給をおこなわなければ死に向かうので
チューブ栄養をしないという選択肢は選ばれにくい、と書きました。
では、栄養補給をしても効果がない、としたら、どうでしょう?

アメリカでの研究になりますが、
重度認知症患者への栄養チューブ導入(胃ろうも含まれます)は、
生存率の改善や誤嚥性肺炎の予防、じょくそうの治癒および予防、他の臨床アウトカムの改善に無効である、ということが発表されています。

簡単にいうと
認知症患者が誤嚥性肺炎をおこしたり食事をとらなくなった時に
チューブ栄養をおこなってもムダだ、ということです。

しかし、
実際にはアメリカでもチューブ栄養をおこなわれることがあり、
急性期医療をおこなう大規模病院で実施比率が高い、ということです。
JAMAという世界的に有名な雑誌に発表されています。
(JAMA2010、544-550ページ)

この記事は、私はごく最近 Medical Tribune という医学情報誌で読んだのですが、
ググッてみると
すでに訳してブログで紹介している方がおられました。
すごい人がいるものです。
脱帽です。
http://intmed.exblog.jp/9919328/
チューブ栄養挿入の病院特性は、
for-profit ownership(営利目的経営形態)、病院の規模が大きいほど、ICU使用が多いほど多い。

日本でも、急性期医療を担当する基幹病院で 胃ろう が作成される
ケースが多いと思います。
脳卒中にせよ誤嚥性肺炎にせよ、運び込まれるのは急性期病院です。
胃ろうが作成される理由の一つは、
栄養を補給するのは当然、チューブ栄養を開始しないと衰弱して死んでしまう
という医療者の意識が背景にあります。
急性期病院では栄養補給の手技・知識については研鑽し身につけていきますが、
効果がない、という結末、研究結果は知らないのです。
もう一つの理由は
この研究結果について家族が説明を受けていないことです。
栄養や水分は必要だ、口から摂れないのだから栄養チューブ挿入が必要、
という説明を受けると
そうだよな~ と思ってしまうのは仕方がありません。

医療者側が、
「この状態で栄養チューブを挿入しても延命効果、肺炎予防効果はありません」、
ということを
家族にちゃんと説明できれば
胃ろう をめぐる状況は変わってくると思います。

欧米では、胃ろうや栄養チューブの人は あまり多くありません。
これに対し、日本では胃ろう患者がどんどん増えています。
「世界中で日本だけの特殊な医療状況」 というのが
胃ろうの領域でも 生じてきています。
そして、
寿命も延びず肺炎予防もできないのに栄養チューブ挿入を受けさせられる、
それは患者にとって幸せなことなのでしょうか?

ぼたん。咲きました。
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★新型インフルエンザ情報
5年以内に新型ワクチンを半年で製造できる体制を整備する、
という民主党マニュフェストが出たとのことです。

医療分野の素案明らかに-民主党参院選マニフェスト
4月12日18時54分配信 医療介護CBニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100412-00000011-cbn-soci
体制の整備にかかる費用は約1200億円、とのこと。

ワクチン確保は社会防衛である、
と言うことが今回の新型騒動で理解されたと思います。
社会の安心安定のためには、これくらいの費用は安いもの、と考えます。
半年で製造する、というからには鶏卵法ではなく
細胞工学を使用した方法でしょうかね。

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胃ろう は幸せか?

2010年04月12日  

昨日は雨でした。
花見を予定していた人には残念な天気でしたでしょう。
今年の花見も これで終わりですね。

高齢者は、何かをきっかけにして
食事をうまく食べられなくなることがあります。
消化器癌(胃癌・食道癌・大腸癌など)の進行による食物通過障害なら まあ仕方ない、
とあきらめもつくことが多いのですが、
脳卒中による意識障害や誤嚥、認知症による食事拒否などは
体そのものは まだ元気なだけに
栄養さえ補給すれば 当面は延命できる場合があります。

そこで、
栄養補給のひとつの方法として 胃ろう が選択される場合があります。
大きな太いチューブが直接胃に入りますので
細い管にくらべ抜けたり詰まったりする心配は少なく、
病院などで栄養を管理する(=注入食を流し込む)側としては
楽な方法です。
病院を退院すれば、在宅あるいは施設入所することとなります。
送り出す病院側では、 これでは在宅は無理ですね、と言うことが多く、
このため特別養護老人ホームなどの施設では
胃ろうの人がどんどん増えている状況です。
(胃ろう管理 も在宅でおこなうことは可能なんですけどね)

一時的な栄養改善が目的であればともかく、
いったん胃ろうを必要となった高齢者が
その後 自力で食物を食べられるように回復する見込みは非常に低く、
胃ろうは永続的なものとなります。
ほとんどの場合には、
胃ろう作成に至った基礎疾患の関係で
寝たきりとなり、意識もはっきりしなくなっていきます。

何が患者にとって最善でしょうか?
その人にとって、何が幸せでしょうか?
胃ろう を作る前に、しっかり検討しなければいけません。

意識のしっかりしている間に本人の意思表示があれば問題は簡単です。
胃ろうは望まない、という意思表示があれば 胃ろうが作成されることはありません。
今げんざい本人の意思表示がなくても、
過去にしっかりとした意思表示があれば これも簡単です。
どんなことをしても長生きしたい、という意思表示、
チューブ栄養や延命治療は受けたくない、という意思表示、
入院したくない、家で自然に最期をむかえたい、という意思表示。
こういった意思表示があれば、家族も医療者も
その意志に従って治療法を選択すればよいのです。

問題は事前の意思表示がなかった場合。
この場合には、周囲が本人の意志を「推測」して
決定を下していくしかありません。
そうなると、
栄養補給の提案を断る、という選択肢は選びにくいものとなります。
点滴やチューブ栄養、胃ろう は しなくて結構です、とは
なかなか言いにくい。
なぜなら、
栄養補給をしない、という選択は
ゆるやかに死へ向かう、ということを意味するからです。
死んでいく、という選択をすることは なかなか難しい。
自力で食べるための工夫はしっかりおこなうが、
それでも食べられなくなったり誤嚥性肺炎をおこせば その時は寿命、仕方ない、
という覚悟は決めにくいのです。

こういう場合、自分の身に置き換えて考えてみてはどうでしょうか?
もし自分なら、意識もない寝たきり状態で
胃に穴を開けられチューブから水と栄養を補給されるだけの毎日
というものを望みますでしょうか?

いったん誤嚥性肺炎をおこした場合には
胃ろうを作り絶食にしても 再度誤嚥性肺炎を起こす率は非常に高く
最終的にやっぱり肺炎が命取りになる、
ということを知って
胃ろうを選択されない御家族もたくさんおられます。
食べられるだけ自分で食べてもらい、点滴はしない、という選択をされる御家族も
たくさんおられます。
そういう医療手法は選択しないということで、
入院や入所は希望しない、最期まで自宅で、と希望される方も多くなっています。

胃ろうを作るのと作らないのと、
どちらの選択が本人にとって幸せでしょうか。

本日のお勉強
特集 高齢者と嚥下障害
嚥下障害と経管栄養 -PEGの適応-
日本医師会雑誌 2009年12月号
国際医療福祉大学 鈴木 裕 先生
要点
PEG(胃ろう)の対象となる患者の多くは自己決定権が行使できなかったり、
人間の根源とも言える食の享受がないことなど
通常の医療とは異なるデリケートな側面をもっている。
胃ろうは問題のすべてを解決した訳ではなく、
むしろ新たな問題を作り出している。

江波山桜。じつは江波山以外の他の場所にもあります。
写真は全国植樹祭で東千田公園に平成9年に植えられたもの。
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。
Yahooニュースで インフルエンザ と入力して検索しても
一日あたり新規ニュースが2-4件しか ひっかからなくなっています。
大半はインフルエンザそのものには関係ない記事なので
実質ニュースなし という状態になっています。

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井上ひさし氏 タバコ病で死去

2010年04月11日  

肺癌というのは、タバコ病です。
また一人、惜しい人をタバコが奪っていきました。

井上ひさし氏は、とっても大好きな人の一人です。
ひょっこりひょうたん島・・・子どもの頃のテレビ。
中国新聞に連載された ドン松五郎の生活・・・高校生頃だったかな。
吉里吉里人・・・これは大学生の時。
などなど。

昨年10月に肺癌と診断され抗癌剤治療を受けていました。
生存期間はほぼ6ヶ月でした。
肺癌のきびしい現実が ここにあります。
4月11日7時56分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100411-00000027-san-soci

1日40本以上のヘビースモーカーだったそうです。
井上ひさし 喫煙 で検索してみました。
2次情報で申し訳ありませんが、信州大学 柴野均教授のブログを御紹介します。
http://shibano.exblog.jp/10564320/

このブログで紹介されている内容に
2点、大切な点がありました。

1:
自身も病名を知っており、来年春以降の仕事復帰を目指して、闘病しているという。
(昨年12月の記事です)

その「来年春」に亡くなられているわけです。
ヘビースモーカーの肺癌治療は、非常に厳しい。
なのに「仕事復帰を目指して闘病」というのは、どうしてだろう。
担当した医師は、本人にバラ色の情報しか与えていなかったのでしょうか。
「やり残した仕事を仕上げるための時間をかせぐ」というのが
学者や作家、芸術家については 妥当な治療目標設定だったろうに、と思います。
治癒や復帰を目指していると、それがかなわない場合には仕事が未完で終わり
悔いが残ることも多いのです。
井上ひさし氏、
やり残しの整理はできたのだろうか、
悔いは残っていないだろうか、と思います。

2:
公の席で「喫煙率が半減したのに、肺ガン患者は2.5倍になっている。喫煙と肺ガンは無関係だ。肺ガンが大都会で多いのは、大気汚染が原因だからだ」といった発言を繰り返していたようだ。井上ひさしのような人でも、喫煙を正当化しようとして、こんなことを言っていたとは。
(上記ブログより引用)

喫煙者は、
自分が喫煙を続けるために 変な理屈をつけて正当化しようとします。
言い訳ですね。
もっと
癌についての正しい情報を
タバコの害についての正しい情報を
国民すべてが常識として共有する時代にしなくてはいけない、と思いました。
そのためには
タバコ1箱1000円、というのは実現可能な案です。
1000円になればイヤでも健康について、タバコの害について
お金の使い方について
考えるきっかけになるでしょうから。

禁煙については
禁煙補助薬を使用するとよいです。
館ひろし さんも禁煙にチャレンジしています。
お医者さんといっしょに禁煙しよう!

禁煙治療には条件を満たせば健康保険が適用されます。
すぐ禁煙.jp
http://sugu-kinen.jp/index.html
もちろん当院でも禁煙治療に対応しています。
遠方にお住まいの方は、お近くの禁煙治療対応医療機関も検索できます。

江波山桜。江波山気象館の手前あたりにあります。大木です。
今週末で見頃も終わり。
江波山は花見でにぎわっていました。
江波山桜で同級生にバッタリ出会いました。
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★新型インフルエンザ情報
ベンチャー企業がインフルエンザワクチン製造に進出、というニュース。
4月10日15時0分配信 河北新報
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100410-00000016-khk-l05
ワクチンは巨大企業による世界競争がおこなわれているのが現状です。
日本標準とか、護送船団方式とかではダメな時代です。
ベンチャーが活躍できる場があるかどうか、
ちょっと疑問にも思いますが、
安い早い というワクチンであれば選択されるかもしれません。
(早いというのは、新型インフルが登場した場合にすぐ製造、投入ができる、という意味です)

なお、記事では
2012年には国へワクチン承認申請をする
と書いてあります。
臨床治験をおこなわなければいけませんので
ちょっとそれは無理なのではないでしょうか、
記事提供元の言うことをそのまま書いちゃダメですよ
というのが印象なのですが・・・。
それともワクチンは特例でもあるのかな?

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平成の歩き方14 くつ

2010年04月10日  

木曜日の100メートル道路は、
花吹雪の中の運転でした。
この土日が桜の花見のラストですね。

花見の終わった翌日、
大量のゴミが残っているそうです。
ゴミは持ち帰りませんか?
来た時よりも美しく。

くつについては、特別な状況もありえます。
リウマチによる足関節の変形、女性に多い外反母趾など
普通の足型のくつでは はけない、はくと痛い方がおられます。
また、脳卒中後の半身マヒなど、くつの着脱が大変だ、
あるいはすぐに脱げてしまって危険だ、
という場合もあります。

こういう時には、2つの方法があります。
1つは、くつ専門店に行って相談することです。
シューフィッターという、足に合わせてくつを選ぶ専門家が
配置されているくつ店も増えてきています。
足の形にあわせて中敷きを上手にかませたりすると
足の痛みをなくして歩きやすくなるかもしれません。

もう1つは、病院の理学療法(リハビリ)部門に相談することです。
リウマチや半身マヒの方のためのくつ選びの
相談にのってくれますし、
変形がひどい方の場合だと
リハビリ用装具としてセミオーダー
のような形で自分専用のものが作ってもらえる場合もあります。

痛いようでは、歩くことがきらい・苦手になってしまいます。
歩くために足元をまずしっかりする、というのは基本です。
誰に相談したらよいのか わからない、という方は、
お店のシューフィッター、
あるいは かかりつけ医、ケアマネージャー、(病院の)相談室 などで
まず御相談ください。

だっこしてもらって花見のジャムくん
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★新型インフルエンザ情報
インフルで「休校・学年・学級閉鎖」ゼロに
4月7日21時12分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100407-00001205-yom-soci

3月末~4月はじめにかけての1週間で
休校や学級閉鎖・学年閉鎖の措置をとった学校がゼロ
であることを厚生労働省が発表しました。
昨年のこの時期は、B型インフルエンザが流行しており
休校などの措置をとっていた学校もあったようです。

現在はA型だけでなくB型インフルエンザも少なく、
落ち着いた春になっています。

例年、5月連休頃まではB型がポツポツ出ていますので
今年もまだ安心はできません。
ウガイ手洗いはしっかりおこないましょう。
もう習慣になりましたか?

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広島市 日本脳炎ワクチン全額負担へ

2010年04月9日 , 

中国新聞 4月9日
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201004090001.html

一部抜粋します。
***
日本脳炎ワクチンをめぐっては2005年に旧ワクチン接種後に重い副作用の発症事例があり、
国は積極的な接種勧奨をやめた。
市は財政事情に加え、全額公費負担は接種勧奨につながるとして、
生活保護世帯などを除き1回で790円の自己負担を求めてきた。
一方、国は昨年6月に新型ワクチンの1期接種を認可した。
(中略)
現状を受け、市は全額負担を決めた。
これで広島県内全23市町が全額負担をすることになった。
市によると、国も近く新型ワクチン1期の接種勧奨をする見通し。
定期接種1期は6カ月~7歳半の子どもが対象。
日本脳炎ワクチンは1期に3回、2期(9~12歳)に1回の計4回接種が必要とされる。
***

良いニュースですね。
ワクチンの公費負担は、やろうと思えばできます。
他のワクチンについても 公費負担をすすめてもらいたいものです。
それにしても
広島市の決定で県内全市町が・・・
ということは、
広島市が県内最後ということですねえ。
最後尾ではなく先頭を走ってもらいたいものです。

肺炎予防のための肺炎球菌ワクチンもぜひ公費負担で。

今週の花 イチハツ、ボケ。
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くも膜下出血を防ぐには

2010年04月8日  

巨人のコーチ、というよりも
我々カープファンにとっては 「カープの木村拓也さん」、
37歳とは、残念なことです。

くも膜下出血は、死亡率も高く、非常に重篤になりやすい病気です。
出血が大量であれば、短期間で死亡されることもあります。
再出血や脳梗塞をおこすこともあり、非常にやっかいです。
また、一命をとりとめても重い後遺障害が残ることも多いです。
いったん出血がおこれば、もとどおりの回復は非常に困難な病気なのです。

そこで、
予防が大変重要になります。
私が書いても信頼性に乏しいでしょうから、
千葉大学大学院 公衆衛生学 の予防法HPを御紹介します。
http://www.genome-sci.jp/kumomaku/prevention/index1.html

くも膜下出血は脳血管の動脈瘤が破裂して生じることが多いです。
しかし脳動脈瘤があっても、破裂するまでは何の症状もないことがふつうです。
自覚症状では、動脈瘤の有無はわかりません。
ですから、
中高年の方は一度は脳検査(脳MRI検査)を受けておくことをおすすめします。
かかりつけ医に御相談ください。
かかりつけ医がいない場合には脳ドックを受けるとよいでしょう。
脳検査で脳動脈瘤が見つかれば、事前に予防手段を講じることができる
かもしれません。
(脳動脈瘤の全員に予防手段がおこなわれるわけではありませんが
日常生活で注意する点など きめ細かい指導は受けられるでしょう。)

日常生活の注意としては
・血圧を低くコントロールすること。
・適量を超えるアルコールは控えること。
・タバコはやめること。
とくに、
高血圧の人はしっかり治療を受け、
ふだんから血圧を良好な水準に下げて保っておくことが大切です。

くも膜下出血をおこした場合、
典型的な症状として 「これまで経験したことのない激しい頭痛」
が みられることがあります。
バットで殴られたような頭痛、という表現をされることもあります。
こうした時は、がまんせず、早めに脳検査ができる病院を受診して検査を受けて下さい。
(ただし、全員が激しい頭痛を感じるわけではありません。)

みなさん、
病気を予防しましょう、
検診を受けましょう。

ジャムくんはヘロヘロですが、それでも散歩に出ると喜びます。
いつものオシッコポイント2つ目まではしっぽを振って歩いていきますが、
そこから後はしんどくて立ち止まってしまいます。
こんな状態でもやっぱり外が大好きなんですねえ。
立ち止まっているジャムくん。
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子宮頚癌予防ワクチン 小学校集団接種へ

2010年04月7日  

昨夜のカープ、勝ってよかった~。
とくに守備がすばらしかった。
ほれぼれします。
あの守備を見せられて、試合を負けるわけにはいかないですものね。

昨夜のNHKニュースです。
http://www.nhk.or.jp/news/
地方ニュースのリンクは以下
http://www.nhk.or.jp/utsunomiya/lnews/1006403931.html

うまく記事にリンクできるか、わかりませんでしたので
以下に全文引用しておきます。
(NHKさん、良いニュースだったので、引用させてくださいね。)

以下、全国ニュースから引用
***
小学校6年生の女子児童を対象に子宮けいがんのワクチンを学校で集団接種する取り組みが全国で初めて栃木県大田原市で来月から始まることになりました。若い女性に増えている子宮けいがんを減らす取り組みとして注目されます。

子宮けいがんのワクチンを小学校で集団接種する取り組みを始めるのは、
栃木県の大田原市で 6日、小学校の校長を対象に説明会が開かれました。
毎年2500人が死亡している子宮けいがんは、
主に性交渉によるウイルス感染が原因で起きるもので、
10代前半でワクチンの接種を受ければ、発病の7割を防げますが、
国がこのワクチンを任意での接種としていることや、
保護者の間で十分認知されていないことなどから、普及が進んでいません。
このため大田原市では、ワクチンの効果を保護者に知ってもらい、
子どもを医療機関まで連れて行く負担もなくすことで接種を受けやすくしようと、小学校での集団接種を実施することにしました。
接種は市内の小学校6年生の女子児童340人余りを対象に来月から始め、
4万5000円の接種費用は全額公費で負担するということです。
厚生労働省によりますと、小学校で集団接種を行うのは大田原市が全国で初めてです。
子宮けいがんに詳しい自治医科大学の鈴木光明教授は
「イギリスやオーストラリアなど接種率が高い国は学校での集団接種を行っている。
ワクチンを広めるためには集団接種と公費負担が2本柱で、
国として取り組む必要がある」と指摘しています。

***
引用終わり

小さい都市で、少ない人数だから可能なのかもしれませんが、
「やればできる!」
ということを示しました。
素晴らしいですね。

広島市、広島県でも
すべての12歳女子児童に無料で集団接種をおこなうよう
市長、県知事に要望していく必要がありますね。
みなさん、各市町で声を上げていきましょう。

広島でも子宮頚癌予防ワクチンを公費負担で集団接種を!!!

もちろん、国に対しても声を上げていくことが必要です。
ちなみに
この子宮頚癌予防ワクチンは
45歳までは費用対効果の点で推奨できる、とのことです。
(それ以上の年齢の方が打ってもかまわないです)。
子ども専用のワクチン、というわけではありません。
このあたり、また後日、解説が必要でしょうか。

もし希望される方は、当院でも接種できますので
御相談ください。(予約制です)

癌は、治療というのも大切な問題ですが、
予防できるものは予防する、ということのほうがもっと大切です。

今週の花 フリージア
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

肺炎予防推進プロジェクト「怖いぞ、肺炎! 予防が大事」キャンペーン

082-241-6836(代表)

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平日午後(診療時間内14:30~18:00)